走ることについてワタシの語ること。

 2013年10月20日(日)
 初めてのマラソン大会に参加。自分は走るのがダイキライだったのに、なぜ??

 「キライなのにやる」という行動は、大抵は不純な動機から生まれる。常々「走る必要性」を感じてはいたが、キライなことがそうそうできるわけもない。「走りたくて走る」と「必要に迫られて走る」の間には、似ているようで大きな違いがある。ベクトルで言えば、90°<Θ<180°くらい違うと思う。いずれにせよ、プラス領域であることが重要ではあるが。

 「必要は発明の母」とも言われるし、マラソン大会にエントリーしちゃえば「恐らく練習するだろう」という、なんとも短絡的な発想でのエントリーとなった。これが発端である。

 しかし!次の関門はエントリー。イマドキ、マラソン大会は「Runnet」(http://runnet.jp/)などのポータルサイトに登録し、クレジットカードで参加費を申し込まないことには参加すらできない時代ということを、恥ずかしながら知らなかった。いそいそと会員登録をし、カード決済でエントリー。クリックするときは、「ホントに出ていいのか?」とかなり躊躇したものだ。

 次に、エントリークラス。15kmを筆頭に、10km、5kmと選べるが、ここはやっぱりM、じゃなかった、どうせ同じ参加費なら「長いほうがお得!」(お得なのか?)と、あまり考えずに15kmにエントリーした次第である。

 で、練習。まず5kmを走ってみた。で、びっくり。普段は山を歩いているから5km位ヘッチャラだろうと思っていたら、走った直後に階段を登れないほどの激痛が足を襲った!たったの5kmが走れないのか、自分!?練習しなきゃ!でも、やっぱり、キライなものはキライ。ちょっと走れば足や横っぱらは痛くなるし、しんどいし、疲れるし、自分はMではないのでこんな修行チックなことは無理~。やば、走り切れるのか、オレ?

 「さすがにこれはマズかろう」とは思ったものの、平日は帰りは遅いし、なかなか練習する時間がない。それでも、レースまで2ヶ月を切るとさすがに焦ってきた。なんとか時間を作って、まず5km。慣れてきたら7km、10km、12kmそして15kmと距離を伸ばしていった。これが、実際の練習タイム。

  8/13  5.3km 00:29:10 (平均ペース 5:30/km)
  8/22  6.5km 00:35:37 (平均ペース 5:31/km)
  8/25 11.1km 01:02:43 (平均ペース 5:38/km)
  9/ 5 10.5km 00:56:52 (平均ペース 5:26/km)
  9/19 10.2km 00:54:41 (平均ペース 5:22/km)
 10/ 3 12.2km 01:04:09 (平均ペース 5:17/km)
 10/16 15.2km 01:20:57 (平均ペース 5:19/km)

 総走行距離は71km。練習量としては少ないほうだろうけれど、やはり走っていると平均ペースはわずかではあるが、上がっていくことを体感できた。

 練習は最初はしんどくて苦痛でしかなかったのだが、心身共に慣れてくるのだろうか、それほど苦痛に感じなくなってきた。また、最初のうちは走っている時間が勿体無い感じさえしていたが、慣れてくると「独り黙々と走っている時間もそんなに悪くはないな」とまで思えるようになってきた。あれだけ走るのがキライな人間だっただけに、これだけの練習で大きな変化が得られたと思う。
 
 すると、最初は「完走できればいいや」と思っていたのが、「どうせ出るなら、少しでも速く」と次第に欲が出てきた。さて、どうしたらよいのか。ただ闇雲に走るのは非効率に思えてきた。

 そこで考えたのが、ペース。ペースを上げれば上げるほどタイムが早くなるかと言えば、そうでもない。短距離ならともかく、マラソンともなると後半でバテてしまったり、足に支障が出ればかえってタイムが大きく落ちたり、棄権なんてことにもなり兼ねない。

 そのためにはまず、どこまでも走れそうなペース、マイペースを把握することに努めた。「Run Keeper」という、GPSを使って距離や時間、キロ当たりペースを計測して音声で伝えてくれる無料アプリがあり、ちょいと重たいけれどスマホを腕につけながら走ってみた。

 すると、どうやらキロ当たり5分40秒よりゆっくりだと、そんなに苦しくない、息を整えられるペースということがわかった。逆に、僅かな差なのだが、5分20秒を切った途端に苦しくなることもわかった。「自分の壁」は5分20秒と考え、このペースをキープできるよう頑張ってみることを意識してみた。

 実際に練習するようになって思ったのが、メンタルも重要ということ。気持ちが乗ると結構なペースで走れたかと思うと、少しでも体やココロに重さを感じた途端に、急激にペースが落ちる。マラソンって、思ったよりもメンタルが大事ということにも気付かされた。

 レースまで2週間を切ったところで、なんとかキロ当たり5分20秒のペースを維持できるようになってきた。最初は完走すらアヤシイと思ったけれど、練習してみるものだな。

 そして、レース1週間前。自信を得るには「実際に15km走るのが一番」と思い、思い切って走って見た。結果、15.21kmを1時間20分58秒、平均ペース5分19秒で走り切ることができた。正直、このときはなんだか嬉しかったなぁ。

 しかし、喜ぶのは束の間であった。ふと「この実力だと本番で何位くらいなんだろう」「そんなに遅くはないんじゃね?」と思いたち、昨年のリザルトと比較してみてびっくり!な、なんと、156人中108位!?走るのはドシロートだけど、そうは言っても山には行っているので「そんなに悪くはないだろう」という甘い思いは、一気に吹き飛んだ。

 今更、身体能力は伸ばしようも無いので、後はオーバーペースにならないよう気を付けて、いかにマイペースをキープするかを意識するしかないか。。。


 前置きが長くなったが、いよいよレース本番を迎えた。無情にも、外は朝からかなりの雨に見舞われている。会場には早めに入ったものの、傘をさして体を冷やさないように注意しながら受付を済ます。初レースなので、ウェアをどうすれば良いのか、カッパをきるべきなのかわからず、悩む。結論として、スタートまでの間に濡れて上半身を冷やすと走りに影響が出そうなので、上半身だけ山用のゴアカッパを着ることに。
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 出走30分前に、軽くアップ。いざゼッケンを付けてみると、やっぱり気持ちが違うな。これも知らなかったが、イマドキの大会は磁気チップがゼッケン(の裏側)に付いており、スタートにかかる時間を差し引いた正確なタイム(ネットタイム)がわかる仕組みになっている。これは便利だ。
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 大会委員長(市長)の号砲で、一斉にスタート。大勢の人たちが思いを共にして走り始めるこの雰囲気はなんだ!?妙に血が騒ぐぞ!?否応無しに周りの流れに引き込まれ、一気にハイペースに。加えて、周囲の応援、声援がペースに拍車を掛ける。

 「これはいかんっ」、とすぐにペースを落とすと、まぁ、抜かれる、抜かれる、笑。練習の成果のひとつに「オーバーペースになると格段にペースが堕ちる」という経験をしていたので、自分に「今は飛ばしてはいけない。先は長い。ペースをキープしさえすれば大丈夫」と言い聞かせて、息を調えながらマイペースを取り戻す。そして、抜かれる、抜かれる。

 しかし、それが奏功したのか、2kmを越えた辺りから徐々に追い越せる人が増えてきた。特に緩い登りに差し掛かると、普通のランナーは苦手なのかペースが落ちてくるが、山ばっか行っている自分はそれほどペースが落ちないのだろう、かなりの人数の追い越しに入れた。そして、この人を抜かすということに快感すら覚えたが、ここでオーバーペースになったら元の木阿弥だ。

 そして、初めての、そして憧れでもあった給水所。マラソン中継とか見ていて、給水所で颯爽とコップを受け取り頭に掛ける様って「なんだかかっちょいいよな!」と思っていた。今回は既に雨でずぶ濡れだけど。そして、いざポイントが近づくと、走っているスピードが意外に速く、コップを掴むという行為がすごく難しくて、結局は「わしゃっ」とコップをつぶす様にしか掴めなかった><。

 で。走る前から「アレって、飲めるものなのか」と余計な心配をしていた自分が、今ではなんだか笑える。結論から言えば、飲めっこない、笑。呼吸は荒い上に、走っているので体の上下動が激しく、無理して飲み込めば咳き込むのがオチだ、と思って、結局、一滴も飲めずに流してしまった。

 そうこうしているうちに、5km地点くらいのフラットなパートに。この辺りになると体が慣れてきたのか、ただひたすら足を運ぶだけになってきた。

 最初の折り返し。ウルトラマラソンにも参加している職場の先輩が、先に折り返してきた。さすが、速い!すれ違い様に「ナイスラン!」と声を掛けてくれたのを覚えている。「そうか、ナイスなランなんだ?じゃ、もっと頑張らねば!」と張り切った記憶がある。さぁ、レースはここからだ。

 しかし、この辺りから人に追いつけないようになってきた。それがしのレベルの人たちの集団に入ってきたと考えるようにし、オーバーペースに気をつけて走る。と思った矢先に、後ろからパタパタを足音が聞こえてきて、抜きにかかっているのを振り向くまでもなく感じた。一緒に山に行っている人はご存知のとおり、自分、負けずキライ。「抜かせてなるものか」と一気にペースアップし、足音が聞こえなくなるまでペースを上げた。

 「しまった」、と思ったときには、既に遅し。調子が良かったので思わず飛ばしたけれど、途端に足が重くなったのを感じた。「これはいかん」と呼吸が平常になるくらいまでペースを落とし、息を整える。その間に5、6人に抜かれたかな。このチョットした調子に乗った行為が、結局はペースダウンにつながるということを知った。勉強になったな。

 2回目の給水ポイント。走りながら少し考え、口に含んで少しづつ飲み込むということに挑戦。うん、これならイケル!と思ったら、コップを捨てる場所が近すぎて、1口しか含めなかった^^;。コップ捨て場所って、もっと距離を置いてもいい気もした。

 どうも自分、下りは苦手みたい。山でもそうだけれど、自分の体重が加速されるのを止めるほうがエネルギーが要るみたいだ。下りでも何人かに抜かれて焦り始める。
 そして、再び緩い登り。周りのペースが見る間に落ちて、ここでまた何人か抜きにかかることができた。走りながら、自分、やっぱ山ヤだなぁ、と思ったなぁ。

 再び、フラットなパートに入り、3回目の給水ポイント。親切にもスタッフさんがコップを手にとって渡してくれようとするが、こちらはかなりの速度で上下動を伴いながら動いているためコップとの距離感がぶれてしまい受け取れなかった。「折角なのに、申し訳ないなぁ」と思いながらも、「でも、コップは机に置いてあるほうが取り易いな」、と失礼ながらに思ってしまった。

 そうこうして、スタート地点を越えてもう一つの折り返し地点を目指す。ここからが計算違いであった。得意な登りだからとペースを維持しながら登っていくが、登れども登れども折り返し地点が見えてこない。思ったよりも3倍くらい長く、メンタルが挫けたことも加わり、再びペースを乱してしまった。

 苦しい登りに耐えた頃に、10kmの選手を追い越し始めた。じきに折り返し地点が見え、近づいてきた。小さな半径を描いて回ろうとインから回り込んだら、遠心力に耐え切れずに倒れそうに。思ったよりもスピードが出ていることにビックリ。
 仮にキロ5分ペースだとしたら、時速12km。回転半径rが1m、接線速度=走行速度とすると、ほぼ自分の体重と同じ遠心力が外向きに働くのだから、折り返し地点は、クルマと同じく「アウトーインーアウト」が良いのかな、と思った。

 そして、あとは長い下りだ。「ここまで頑張ったんだ、あとはカラダが壊れてもいいから全力でイク!」と一気にマックスペースに持ち込み、濡れた路面でのスリップに気をつけながら、ただひたすら1人、また1人を追い抜きにかかる。そして、最後に多くの声援を受けながら野球場へ!

 が、ここでもハプニング。どろっどろの野球場はまるで砂浜を走っているかのようにケリが効かず、マックスパワーはいともカンタンに体力を奪う。前の選手と自分が跳ね上げるドロを全身に浴びながら、抜けそうで抜けない前の選手をひたすら追い詰める苦しいラストランであった。

 そして、本当に全てを出し切ってフィニッシュゲートを通過!なんだ、この爽快感は!?これほどまでに体力を出し切るということが普段あまり無いからだろうか、しんどいはずなのに、体からはなんとも言えない心地よさが跳ね返ってきた。きっと、気持ち的に「もう走らなくていいんだ」ということをカラダも感じ取っているのかもしれない。
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 ゴールして記念バスタオルを受け取った頃になって、雨が降っていたことを思い出した。思い返せば、かなりの雨に当たっていた気がするが、いざスタートしてしまうと全く雨は気にならず、むしろカッパがジャマなくらいであった。

 息を整え、スポーツドリンクを受け取って、やっと「走りきることが出来た」という実感が込み上げてきた。タイムも順位もわからないが、とりあえずはよしとしよう。息が整ったところで、同じく15kmに参加している相棒の応援に、野球場の入口まで行く。程なくして、野球場に走りこんできて、無事に完走!

 落ち着いたところで、サービスの「豚汁」を頂く。走り終えた途端に、濡れた体からは蒸発熱が奪われカラダは冷える一方であったので、程よく塩分を含んだ暖かい豚汁は本当に美味しかった。この天気で豚汁を受け取る人が少なく残っている様子であったので、おかわりをたっぷり頂くことができた。
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 雨の中、選手を元気付けてくれた中野市吹奏楽団の皆様!ありがとうございました!雨ニモマケズ演奏される姿を受け、とても元気付けられました。吹奏楽団の皆様の視点から見たブログはこちら
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 後日に届いた完走証。15km40歳以上男子の部では、219人中、まさかの45位!ネットタイムも1時間12分29秒なので、平均ペースは4分50秒程度!「本番になると練習よりも早く走れるよ!」とは言われていたけれど「やっぱり本番は違うもんなんだな」と改めて思った。マラソンのドシロートとしては、まぁ良い成績としておこう。
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 しかし、上には上がいるなぁ~。トップは55分台って、平均ペースで3分半くらいってこと!?こんなペースじゃ1キロも持たない!あ、あ、ありえんわ!改めて、トップランナーのすごさを体で知ることができた。これも走ったからこそわかる、良い経験であったなー。

 ちょっと気になったので、タイム別の度数分布グラフを作ってみた。自分は、黄色の棒グラフの位置だ。正規分布ではないけれど無理やり標準偏差を求めて偏差値っぽい数字を出してみると「57」という数字に。うーん、マラソンランナーとしては、まだまだだなぁ、苦笑。
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 ともあれ、ああ、終わった。もう、走らなくていいんだ。え、いいの?今後どうなるかわからないけれど、結局、右足首を腫れるほど傷めてしまった。やっぱ、歳の割りに無理しちゃったかな。いや、無理をしてしまうほど熱いレースであったということだろう。

 足の腫れが引くまではしばらく、クライミングも走りも止めておこう。夜は、北海道で買ってきたスープカレーの素を使った「野菜ごろごろスープカレー」を作り、初レースの完走を祝った。
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 走ること?うーん、やっぱ好きではないかな。でも、なぜこんなにもマラソンが流行しているのか、かなりわかった気がする。次回があるかわからないけれど、足の調子が戻ったら、また考えてみようと思う。いずれにせよ、今回の大会参加により、「走りに対するベクトル」jは、0°<Θ<90°になったと思う。大収穫だ。

 大会に出てみて、スタッフの皆さんもタイヘンだったことが伺えた。多くの地元ボランティアスタッフにも支えられて本大会は運営され、雨の中ご尽力頂いたみなさん、そして傘を指しながら道端で声援を送ってくれる市民の皆様にも、本当に感謝の念が絶えない。あれだけキライだったマラソンではあったけれど、本当に楽しむことができたのは皆さんのお陰です。この場をお借りし、感謝申し上げます。
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by kanechins | 2013-10-20 22:26 | 「走り」の独り言 | Comments(0)

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