裏剱ツアーday2(池の平~仙人池~仙人ダム~阿曽原)

 2013年10月13日(日)
 本日のハイライト、仙人池。
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 ...午前4時前に、隣のテントが起き出す気配で目覚めた。気温は軽く氷点下を下回り、濡れたテントはばっきばきに凍りついて入口のファスナーが開かない。こりゃ、冬山のほうがはるかにマシだ、笑。

 外は真っ暗なので蠢(うごめ)くように寝袋を脱皮し、下半身は寝袋に入ったままガスを点けてお湯を沸かす。朝食を摂った後、今日は慌てる旅でもないのでゆっくり珈琲を淹れたり。じきに明るくなり、「まだ高気圧は完全に乗ってはいないだろう」と天候に不安を感じながら外へでると、びっくり!朝陽を受けて樹木が手を広げていた。
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 平の池も喜んでいるように見える。
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 昨日はガスガスで景色が全く見えなかったが、すぐ眼前に紅葉と白雪に染まる巨大な剱岳が聳えていた。
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 カメラ片手に散策しつつ、写真を撮りまくる。それにしても寒い!ダウンがびっちょりなので、Tシャツ&フリースで寒い。

 朝陽が上るに連れ、テン場を覆う影が次第に小さくなって行く。しかし、テントに陽が当たるには、まだ時間がかかりそうだ。思い切ってテント撤収。ポールとテントが凍り付いた上、凍りついたテントはちっちゃくまとまらず難儀。取り敢えずビニール袋に入れてザックに放り込んだ。

 07:20発。うっすらと雪が積もった登山道を仙人池の方に進む。
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 振り返ると、池平山が見送ってくれたように感じた。
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 剱岳・小窓方面と池平山。またいつか、来れるかな。
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 凍った木道の上に雪が積もって滑りやすく、ペースが上がらない。表立山連峰には、まだ雲が掛かっている。
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 トレランシューズで山に入る時期も、そろそろ終わりだなぁ。
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 凍った木道を慎重に歩き続けていくと、不意に仙人池の小屋に出た。小屋の右手に回り込むと、思っていたよりもちっちゃな仙人池が。その後ろにそそり立つ剱岳が水面に映え、紅葉も相まって素晴らしい風景となっている。永いこと憧れだった仙人池が、今、眼の前にひろがっている。
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 きっと、朝陽が登る時間帯は、三脚を抱えたカメラマンで一杯だったんだろうな。今は人もまばら。ここだけ眺めていると、雰囲気だけはヨーロッパのどこかに居るような気持ちになれる。カメラマンに人気というのも頷けるなぁ。
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 素晴らしい風景を写真に収め、名残惜しいが08:25に仙人池を後にする。小屋の出入口からすぐの所に分岐があり、一路、仙人温泉に続く道を下り始める。いきなり、ルンゼ状の急な下りとなる。
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 小川を渡渉すると、仙人谷の左岸を進むようになり、谷も徐々に深みを増してくる。同時に、周囲を彩る紅葉も太陽が登るに連れて燃え上がり、とても美しい。
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 下からすごいペースで上がってくる「おねえさん」とすれ違うが、あれ、どこかでお会いしたような。あー、ゆるやまさん!ゆるやまさんも昨日、扇沢から入山し、下ノ廊下を下ってきたらしい。同じく土砂降りに見舞われたらしく、おまけに阿曽原のテン場は狭く、幕営に苦労したらしい。これは急がねば!
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 彼女はダウンをザックに括り付けて、乾かしながら登っていた、真似しようっと!じき、09:45に仙人小屋に到着。こ、これは素晴らしいロケーションだ!森の中に佇むといった表現がぴったりだ。ここの温泉は、宿泊しないと入湯できない、のかな?
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 10分ほど休憩して、先を急ぐ。すぐに下り道となり、仙人谷を渡る。
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 と、仙人温泉の源泉が煙を吹いていた。折角なので寄って見る。湧き上がる源泉は、とても手を浸せられないほど熱い。
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 降りてきた仙人谷を振り返る。人も少なく、なかなかの景色だと思う。
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 トラバース気味に斜面を進むと、仙人小屋のある対岸の風景が素晴らしい!
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 ここの紅葉のグレードは他の北アルプスの有名どころに決して劣らないが、メジャーになれないのは、そのアプローチの困難さか。なんだ、なおさら静かで良いではないか。
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 尾根に上がると、そこからは尾根伝いに降りることになる。誰が整備してくれたかわからないが、苦労が偲ばれる笹深い斜面だ。随所に梯子がかかり、一気に高度を下げて行く。
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 しかし、あそこまで下るのか。さすがに、ちょっと滅入るわ、笑。
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 しっかりしたハシゴ。
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 標高が下がるとブナ林はまだ緑が鮮やかで、これはこれで気持ちが良い。冬から秋、夏まで季節を越え、まるでタイムトラベルしている感じ。
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 渡渉点で小休止。 濡れたブルーシートやカッパを広げて乾かす。太陽の偉大さを感じられるひととき。
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 最後に、碧いダム湖に向かって梯子で一気に下る。
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 しばらく、湖岸沿いの点検用通路をへつるように進む。
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 そしていよいよ、仙人ダムだ。
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 対岸を、下ノ廊下から続々とハイカーが下ってきて焦る。ダムの通路は少々迷路っぽく、意味もなくわくわく。
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 「旧日電歩道」の看板に従い、作業用トンネルを進む。
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 途中で谷を渡るトンネルを横切るが、 まるでサウナのような熱風が吹き出ていて驚いた。これがあの「高熱隧道」か。ほんとうに暑く、暑がりなワタシなら1分も耐えられないと思う。
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 作業事務所のような大きな建物を過ぎる。ここで幕営できたら、どんない楽チンなのだろう。いや、ラクじゃないから、これだけ静かな山歩きを楽しめるのかもしれない。

 このまま水平に移動すれば阿曽原かと思っていたら、そうは問屋が卸さない。いきなり100mの急な登り!?たった100mだが、ずっと下ってきたことと、もう登りはないと思い込んでいただけに、メンタルにきつい、笑。

 水平歩道に入ると、じきに真っ暗なトンネルがあり、そこを抜けると崩落現場に巻き道が付けられていた。最近、特にあちこちで山岳崩落が目立つ気がするが、ゲリラ豪雨と関係しているのか。写真は水平歩道。ほんと、整備した人、すごい。
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 後ろから早足のパーティが迫ってきたので、テン場の確保で先に行かせてもらう。最後にまた120mほど湿った道を下ると、13:00に阿曽原温泉に到着。まだ、テントを張るスペースはありそうだ。兎に角、場所を確保したい。
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 ウワサ通り、テン場は狭い。急いできた甲斐があって、幕営できる場所を確保できた。うちのテントはちょっと大きめなので、早めに来て良かった。幕営料の500円、入湯料500円(1人)を支払い、びっちゃびちゃのテントをひっくり返し、濡れたカッパやダウン、マットを広げて乾燥させる。折り悪く太陽は尾根に隠れてしまったが、なんとか快適に過ごせる位になった。
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 小屋には、な、なんと自動販売機が!黒ドライも置いてある!
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 温泉は男女の2交代制。空いた時間を利用し、ラフロイグを舐めながら、読書と洒落込む。こんなに不便なのに、こんなに優雅な気分なんだから、山は不思議だ。贅沢だよな。
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 テン場がこれなら、温泉は推して知るべし。お隣のご夫婦から「温泉まで数分かかること」「丁度を狙って行ってもすでに行列」と言うことで、かなり早めに並ぶ。それでも、既に10人ほど並んでいた。

 時間と同時に雪崩れ込む。なんとか浸かる場所を確保できた。やっぱりお湯に浸かると疲れがいやされるわぁ。写真ではそう混んでいるようには見えないが、この後ろにはハダカで待機するオトコたちが20人くらいいて、直後にスペースは全て埋まって芋洗いに。
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 後が詰まってるし、もともとカラスの行水なので、早々にテントに戻る。その時間を見計らって、ビールを買ってきてくれた相棒に感謝。

 陽も沈みかけてきたが、次から次へとハイカーが降りてきて、とうとう通路や温泉へ向かう登山道脇もテントで埋め尽くされてきた。写真は、キャンプ場に張り切れずに、温泉へ向かう道にテントを張る人たち。お疲れ様です。
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 トイレ前も、ご覧のとおり。
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 数はともかく、単位面積当たりテント数は涸沢を凌駕していたので、思わず動画撮りながら散策。

 <リンク=http://youtu.be/nJrHyx84N6k>

 夕食は、小屋前のベンチにて。夜の帳(とばり)が降り始めても、続々とハイカーが降りてくるのにはびっくり。もう、歩くのも辛そうな人も少なくない。人気は頷けるが、下ノ廊下ってそんなに気楽なコースに思われているのかな。
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 美しきテント村。
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 さぁ、明日は長い工程が控えている。19時過ぎに、昨日とは打って変わって暖かい寝袋に包まり、深い寝息をつき始める。(つづく)

 本日のルートイメージ。(Google Earth)
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 歩行沿面距離は7.5km、下り累積1,590m、登り累積437m。
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by kanechins | 2013-10-13 09:36 | 「山」の独り言 | Comments(0)

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