福島の岩場は、今!? (day2:高倉山の岩場)
2012年 10月 21日
折角なので、福島県いわき市のもう一つの岩場「高倉山」に行くことに。
毎度の事ながら、初めての岩場は「アプローチ核心」。近道して北側(阿弥陀堂方面)から行ったら見事ハマった。ナビがないので適当に行ったら「1本手前の峠」で、困ったことにこの峠にもトポにある「自動販売機」があったのだ。携帯GPSで確認したら、すぐに過ちに気付いたはずなのに、苦笑。
「何かおかしい!?」と登山の基本「迷ったら、わかる場所まで戻る」に従い、峠の向こう側に降りて状況把握。トポの地図どおりに行ったら「こりゃ、迷わんだろう」という見事なものであった。
駐車場は携帯アンテナ基地で、7~8台は駐車可。昨日に引き続き、他の車はゼロ。
作業道は、少し南に戻って自動販売機を過ぎ、左カーブの左手。作業用林道なので、見落とすことはないと思う。
広く快適な道を登り切ったところから、左に登山道が。踏み跡を辿ると、細かいアップダウンが尾根沿いに続く。が、延々となだらかな尾根が続き、空は広く、とても岩があるような雰囲気でなはい、汗。途中で真剣に「道、間違えてね?」っと思うが、とりあえず進むしかない。
すると、「え?なんで?」という場所に岩場が。その唐突さに唖然。初めての方は、心配せずに登山道をどんどん進んでいただきたい。道迷いやら何やらで、結局取り付きに付いたのは11時近い^^;。
ぐるっと回ってエリアを確認するが、どうにもトポと合わない?それもそのはず、後に来た地元クライマーに聞くと「地震で岩が崩壊しただよね」と。写真ではちょっとわかりづらいが「広場エリア」右側の岩と「日だまりエリア」右側の巨大な岩(写真右の白い岩)が地震で谷側に倒れたらしい!?揺れの激しさを感じるとともに、もし登っている人がいたら「ひとたまり」もないなと震撼。
裏側(ルートはない)も、こんな感じ。あんまり考えたくないけれど、岩場にいるときに地震が来ると大惨事になりかねない。。。
まず、アップがてら「青大将」(5.10b )に取り付く。誰も取り付いていない様相であったので、登りながらボルトチェック&岩のテスティングを。歯ブラシで掃除しながら登る。途中から意外に傾斜が強くなり、途中でムーヴ探索するも、越えられずテンション!?しっかり休んでムーヴ解析。すると、見えない場所に隠しガバが。出だしから石灰岩風(岩は砂岩)の多彩なホールドとムーヴが続き、なるほどこれは面白い!
じきに、地元クライマーが来られた。なんと、このエリアの開拓者であるSさん!曰く「震災後に何度か様子を見に来てるけれど、初めてクライマーに会ったよ!」とのこと。青葉もそうだが、やはり地元の方々は自粛というか、岩場に来られるような状況ではないようだ。写真は、青大将を登るSさん。
こうやってみると、結構カブっている。
「広場エリア」左側へ続く道も藪に覆われ、ルートが3本あるはずの岩肌も蔓で覆われ、自然に還りつつあった。
続いて「オレ、オレ、オレ」(5.10c )に取り付く。が、これがまたホールドというホールドに泥が、汗。各駅停車で掃除しつつムーヴを探りながら、とりあえずヌンチャクがけでトップアウト。これも、なかなかの傾斜だ。
Sさんらは、ちょっと気になる名前の「ブラックダイヤモンド」に取り付いているが、なんだか難しそう!?聞けばトポでは5.10bになってるけれど、実際は11b/c はあるらしい、汗。トポにないルートも実際にはあり、「トポは当てにならないからね」と開拓者に言われてしまった。
結局、「オレオレ」はムーヴが固まってなくて3便も出すこに、涙。ワタシのムーヴだと核心はリーチが必要で、その1手を取るのに幾つか足数が必要。背が無いワタシとしては10cは辛い気が、苦笑。しかしながら、出だしからムーヴ多彩で核心の攻略もテクニカルだし、最後の最後まで気が抜けない「面白い1本」なのは間違いない。個人的には星3つ。
結局、10台を5便出し、2本登ってタイムアウト。すっかり日も短くなったなー。高倉山は青葉と至近の距離ではあるが、雰囲気も岩も別物。もし遠征に来られるのであれば、ぜひ両方の岩場を訪れて頂きたいな、と個人的には思う。
後日に「福島の岩を登った」と言ったら、やはり「放射能は大丈夫?」という率直な意見を頂いた。正直、わからない。個人では難しいと思われるので、できればJFAなどの機関に「科学的にその安全性を証明」していただければ嬉しいな、とは思う。
とても静かで気持ちのよい、前傾ワールドが広がる岩場。いつか、青葉と同様にクライマーで賑わう日が訪れることを切に願っている。
本日の結果
「青大将」(5.10b ) ×○(RP) 岩頭をヘビのように右往左往する楽しいルート。
「オレ!オレ!オレ!」(5.10c ) ××○ (RP) 出だしからボルダーちっくなムーヴが多彩で、核心もテクニカル。ぱっと見はホールドだらけでラクそうだが、迷いホールド多数で最後まで気が抜けない好ルート。核心は要リーチ。