瑞牆(みずがき)山は奥秩父西端に位置する、標高2,200m程度ながら日本百名山に録される名山であり、私が初めて泊まりの単独行を行った思い出の山でもある。初冬の瑞牆山に仕事仲間+αで行ってきた。
飯田を朝の5時に出発。中央道を長坂まで飛び、懐かしの増富ラジウム温泉峡に向かう。今夜の宿泊地「金山山荘」で集合し、車を1台に減らして瑞牆山荘を目指す。
前に来たのは、実に12、3年も前のこと。林道も随分と改良されていたが、驚いたのは100台くらい駐車できそうなアスファルト敷きの立派な無料駐車場があったこと。
落ち葉が積もる斜面を登ることしばらくで、富士見平小屋に出る。ここからは、名前のとおり富士の雄峰が望めた。
一旦沢に下ると、シンボルになっている、中央にワイドクラックが走る巨岩「桃太郎岩」が現れる。今にも倒れそうな岩に「つっかえ棒」がされている!?
上空を見上げると、澄んだ空気が宇宙までつながっているかのような深い青空であった。が、冬らしい冷たい北風が吹き流れ、雲がものすごい早さで流れていく。
こんな巨岩をも支える小枝たち。細い枝も3本集まれば。。。
息をせくような急な登りを詰める。
尾根を乗り越え北面に出ると、雪が残っている。その下にはつるんつるんに磨かれたアイスバーンもあり、転倒に注意。クライミングもどきで最後の登りを極める。
そして、瑞牆山頂(2,230m)に到着。風は強いが、運良く流れから外れているようだ。
空気も澄んで展望はきくが、残念ながら八ヶ岳は雪雲に包まれていた。
うっすらと雪をかぶった金峰山方面をバックに。
次第にまた、強い風が当たるようになってきた。手が届きそうなところをすごいスピードで向かってきた「はぐれ雲」。
登山道を下りながら、徐々に姿を消していく富士山を慈しむ。
ヤナギ坂から振り返った瑞牆山頂。見かけとは裏腹に、比較的手軽に楽しめる名峰である。
沈み行く夕日を追いかけるように、落ち葉で埋まった斜面を駆け下りる。
これでひと雪来れば、晩秋から初冬に変わるのだ。