カテゴリ:「アルパイン」の独り言( 105 )

北岳バットレス day1(広河原~白根御池)

 2013年 9月28日(土)
 北海道ツアーの余韻が冷めやらぬ中、週末は北岳へ。高気圧が安定して張り出し好天予報。今後のスケジュールを見ても、この週末が我々にとって今年最後のチャンス。否が応でもココロが逸る。

 さすがに前夜は仕事が遅くまでかかってしまい、朝はのんびり7時半集合。中央道を南に走り、白根インターで降りる。夏の混雑も終わり、紅葉にはまだ少し早いためか、この時間にしては人は少なめ。それでも上部の駐車場は満車で、金山沢温泉のところまで下る。折良く、タクシー(1,100円)が迎えに来てくれる。

 夜叉神峠を過ぎると、雲一つない澄み切った青空に南アルプスの峰々が燦然と輝いていた。軽くストレッチをし、登山届を提出。11:40にアプローチ開始。もはや慣れた道となっているが、今日はやけに体が軽い。
b0050067_22425660.jpg

 途中、7月に来たときにはなかった土砂崩落が幾つか。いつぞやの大雨でやられたらしい。なんだか、北岳も年々、どんどん崩れてきているなぁ。
b0050067_22442974.jpg

 13:40、二俣。
b0050067_2245299.jpg

 今思えば、ここに登攀用具をデポしておけば良かったのに、そのまま白根御池に向かう。14:10に白根御池着。
b0050067_22454342.jpg

 前回と違い、テント場は人もまばら。池のすぐ横にテントを設営し、受付を兼ねて夕食セットを持って小屋へ。今回は偵察が要らなかったので、15:30に早めの夕ご飯。さすがに日が陰ると冷え込み、大人しく缶ビールに留めておく。
b0050067_22461490.jpg

 テントに戻り、寒いもんで寝袋に入ったらそのまま寝てしまった。ということで、オドロキの16:30就寝!まぁ、明日は02:00起床だからよしとするか。
b0050067_22464310.jpg

 「んあぁ、よく寝た!」と思ってスマホを見たら、まだ20:00過ぎ!?しばらく寝付けず、ラフロイグを舐めたり、満点の星空を眺めに外に出て見たり。空気が冷え込み、猛烈に星が綺麗だ。そうは言っても、寝ないとな。今夜のテン場は静かで助かった。(つづく)
[PR]
by kanechins | 2013-09-28 22:48 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

岩講習のお手伝い。

 2013年 8月10日(土)
 この週末は、某所で開催された山ヤ向けの「岩登り入門講習」をお手伝いさせていただく機会に恵まれた。参加者は北は秋田から南は滋賀まで、総勢18名。2倍の競争率ということで、その人気が伺える。机上講習のあと、人工壁で実技。まずは入念なストレッチから。
b0050067_3555884.jpg

 大半の方々は、初めてハーネスを履くような方ばかり。「正しいエイトノット」の結び方から。
b0050067_3561311.jpg

 ギアの使い方、セットの仕方、仕組みなどを順を追って説明する講師陣。ダブルM山、M田さん。ムンター&クローブヒッチ、懸垂下降などの基本を下部で時間をかけてマスター。
b0050067_3582470.jpg

 足の置き方、姿勢などアドバイスを受けながら、トップロープで傾斜が緩い斜面を登る。
b0050067_3591667.jpg

 実際に懸垂下降。
b0050067_40252.jpg


 2013年 8月11日(日) 
 2日目は、初日の技術確認を行ったのち、リード&フォローでテラスまで登り、自分たちで下降支点を構築して懸垂下降し、ロープを回収できるまでをマスター。
b0050067_414189.jpg

 山ヤさんだけあって、みんな普通に登ってくる!
b0050067_421436.jpg

 Kさんも頑張る!
b0050067_42508.jpg

 照り返しが強く、汗が流れる。まるで屏風を登っているかのよう。
b0050067_43274.jpg

 2年前にKテレでご一緒したMさん。参加者でバックカントリーされる方も少なくなく、テレマーカーも何人かいらっしゃって嬉しくなった。
b0050067_4547.jpg


 これだけのアツい山ヤな方々に会う機会はそうもないので、なんだかコッチも岩を始めた頃を思い出してアツくなったなー。

 猛暑の中、2日間に渡りお疲れ様でした。皆様のこれからのご活躍と安全登山をお祈りしてます!
[PR]
by kanechins | 2013-08-10 04:07 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

3年越しの北岳バットレス day2

 2013年8月4日(日)

 01:50起床。テントの入口を開けるときは、いつもどきどきする。ええい、と飛び出ると満天の星空で一安心。昨晩の喧騒でほとんど眠れず、眠い眼をこすりながら朝食を摂り、夜露で濡れたテントを撤収。

 03:05、白根御池発。
b0050067_1831627.jpg

 二俣で登攀の準備を調え、幕営道具をデポ。03:55、再出発。D沢出合いに04:35。「あれ?鳳凰三山の上空が白み始めた!?」、そうだ、今は夏なので日の出が早いのだ。
b0050067_183332.jpg

 D沢を登りはじめたところでヘッドランプを解除。浮石が多いD沢を慎重に詰める。
b0050067_1834098.jpg

 05:10、dガリー大滝基部。取り付きまで雪渓が残っているが、第5尾根支稜へ続く道は雪が切れていた。アイゼン、ピッケルも持参したが、不要なようだ。Dガリー大滝へはシュルンドに降りるのにピッケル必要?
b0050067_18412216.jpg

 かなり彷徨ってみたものの、第5尾根支稜がよくわからない。どうやら、目の前の傾斜の緩いスラブが第5尾根支稜なのか?シュルンドに堕ちないよう気をつけながらトラバースし、シュリンゲが垂れる取り付きへ。見た目はカンタンそうだしⅢ級とのことなので、時間短縮でアプローチシューズのまま進むことに。

 05:40、登攀開始。1P目はワタシ。実際に登りはじめると、見た目よりも急。ホールド、スタンスも少し脆そうな気がして慎重に進む。ハーケンが見つからず、30mのうち2、3個しかランナーが取れなかった。写真は1P目をフォローする2人。
b0050067_18481493.jpg

 2P目はsono。写真のカンテまでがちょっと悪いが、残置は豊富。そこからは、ぐいぐいカンテを登れ、50mいっぱいロープを伸ばして解除のコールが。
b0050067_18493258.jpg

 緩傾斜帯に入る。見上げると、昨日お話した「お茶の時間」の方々が、ピラミッドフェースに取り付いているのが望めた。それにしても、いい天気!暑くもなく、快適である。
b0050067_18505679.jpg

 よく写真で見かける「下部フランケ」(Ⅴ-、5P)の取り付き。うーん、カッコいい!写真右側のルンゼが継続3P目(下部フランケ1P目、V-・50m)。
b0050067_18594155.jpg

 06:30、下部フランケ登攀開始。お願いします。
b0050067_1911550.jpg

 Ⅴ-と書いてあるのでビビっていたが、カムの効きもよく、ルートさえ間違えなければさほど難しくはない。
b0050067_1921354.jpg

 2人を引き上げ、継続4P目(Ⅳ+、50m)はsono。青空に聳える緑が映える壁、素敵!写真のフェースはピトンが連打されているらしいが、厳しそうだ。見た目は寝ているが、実際に行ってみるとかなりの傾斜であった。ピトン連打のフェースからクサビハング、凹角を越えてピッチを切る。
b0050067_1944495.jpg

 フォローするfukuchan。
b0050067_1952236.jpg

 フォローして納得。逆層スラブとなっており、スタンスがプアでかなり厳しい。体感は継続3P目がⅣで、4P目はフリーだと5.10cくらいに感じた。

 続く5P目(Ⅳ+)はワタシ。V字凹角内の内面登攀ののち、ハングを左に越える。リングボルトのアンカーがあったがロープがまだ10mほどあると言うので、さらに凹角を登る。滲み出しでクラック内が濡れておりいやらしい。あらゆるムーヴを駆使し、左のカンテを超える。岩は硬いので快適!ピッチの切り所を誤ったのか終了点がなかったので、リングボルトとキャメロット#3で流動支点を構築。いよいよ、憧れのDガリー奥壁が近づいてきた!
 
 08:20、フォローの確保が準備できたところで、異変に気付く。ご本人の了承が得られたので、記録として残したい。どうやらfukuchanの体調が急変し、うなだれたまま動けないとのこと。fukuchan側のロープを張り、荷物を降ろしてもらう。休憩して、しばらく様子を見ることに。

 判断のときだ。「この先はまだ7、8Pの未知のルートが続き、登れば登るほど退却が困難になる」「意識はあるようなので、救援を呼ぶほどではない」「ヘリでピックアップしてもらうにも、フランケ下部までは下ろさないと」「いずれにせよ、下るしかない」「動けないようなら、カウンターラペルでなんとか降ろせるなぁ」など、冷静に考えられた。加えて、こうなるとは全く予想していなかったが、登りながらずっと下降(退避)経路を確認していた自分にも気付いた。ひとえに、先日のセルフレスキュー研究会のお陰だと思う。

 しかし、ここで大変なことに気付く。自分はハンマー&ハーケンを持っていない(後続のsonoが持っている)し、捨て縄も60cmクラスのを1本持っているだけ(240とか長いのも数本持っていたが、二俣に置いてきた)。目の前には、サビサビのリングボルトが1本あるだけ。

 リング1本での下降はカンベン、と周囲を探すと、残置ハーケンが。捨て縄では長さが足らなかったので120cmのシュリンゲと捨てビナで下降支点を構築。貧乏性なので、一番傷んでいるシュリンゲとビナをじっくり選んで構築。よく考えたら、命を預けるだけに一番良いものを使用するべきだった!?ロープを解除してもらい、ダブルで45mほどの下降を、09:00に開始。こんな美しいルートの中に残置して申し訳ないが、お許しください。

 ピラミッドフェースを抜けた「お茶の時間」のKさんが心配して「お手伝いしましょうか」と声を掛けてくださる、ありがたい。謝意と退却する旨を伝え、下降に入る。折りしも、後続パーティが4P目に入っており、トップに事情を説明して横を下降させていただく。
b0050067_1940366.jpg

 自力で懸垂下降できるまで復活したのが幸いで、下降路を確保しながら4P目を降りる。
b0050067_19404722.jpg

 さらに3P目も下降し下部フランケの取り付きへ下ると、少しほっとした。と思ったら、さっきまでの好天がウソのようにガスってきた。そうだ、これが北岳だ。
b0050067_19465767.jpg

 気温の低下を感じ、今にも雨が降ってきそうであったので、第5尾根支稜(なのか?)の懸垂に入る。途中、屈曲するところが手間であったが、3Pで取り付きまで下ることができた。この頃から霧雨が舞い始めた。あのまま登っていたら、核心のスラブで悲鳴をあげるところだった!?
b0050067_19482667.jpg

 岩もロープも雨で濡れて下降に手間取ったものの、11:35に下部岩壁取り付き。
b0050067_19502543.jpg

 あとは岩雪崩に気を付けながらD沢を下り、夏道とD沢との出合いに12:40着、ほっ。写真がD沢の目印となる大岩。
b0050067_19512484.jpg

 二俣に13:30着。幕営道具やギアをsonoと分配したところで急に睡魔が襲ってきて、休憩と言う名目で寝入ってしまった。はっ、と起こされたのが14:15頃?14:25に下山開始し、アレだけ賑やかだったのがウソみたいな、静かな広河原に15:35着。
b0050067_1957331.jpg

 高度を下げたらfukuchanの体調もすっかり良くなり、無事に下山できた。よかった、よかった。

 今回、色々と反省した。
 アルパインのトップを務めるのにも関わらず「ハンマーとハーケン」は後続に持たせたままであった(たまたま残置ハーケンがあったから良かったけれど、無ければカムを残置するところであった)。また、「捨て縄」も短めのを1本持っていただけ(結局、自分のも含めて撤退に消費した捨て縄は5本)であった。ルートを抜けるのが当たり前と過信し過ぎて、退却の準備なんてほとんど成っていなかった。考えれば、天候の急変や落石・滑落などによる負傷、時間切れ、ルートミスや体調不良など、途中退却する可能性なんて色々とあるはずだ。とどのつまり、スポーツマルチ気分から抜けきれていない、山をなめた自分がいた。以後、より気をつけます。

 体調不良なんて、誰にでもある。かくいうワタシも、前に錫杖・左方カンテで動けなくなったこともあったなぁ。でも、こういったことが起こりうるといった意識を持つことって大切だな、と改めて思えた、貴重な経験であった。

 あぁ、それにしても、またもや奥壁にフラれてしまった。それでも、青空の下であの赤いスラブを駆け抜けるのが夢でもあるし、今回の退却はタイミングとしてはとてもよかったと思う。またの機会を楽しみに、これからも精進を続けたいな。また一緒に行こう!
[PR]
by kanechins | 2013-08-04 20:11 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(4)

3年越しの北岳バットレス day1

 2013年 8月3日(土)
 長いこと憧れのルートがある。「北岳バットレス・下部フランケ~Dガリー奥壁」の継続登攀だ。8、9年前、アルパインを始めて間もない頃に第4尾根から見下ろした真っ赤なスラブ。いつか自力でこの壁を登りたいという気持ちが、クライミングのモチベーションと言っても過言ではない。

 このルートにトライする機会に恵まれたのは、2010年9月。その時の記録は、なんだか実に初々しい。結局は天候不良で退却。「乗っているときに登ってしまおう」と企んでいた翌月に、まさかの第4尾根の大崩落。不幸にも、知人の山仲間がビバーク中に落石を受けて亡くなってしまう。ご冥福をお祈りするとともに、それ以来、バットレスからなんだか気が遠のいてしまった。

 あれから3年。ふとしたことから、再びバットレスに行く機会に恵まれた。今回のメンバーはsono&fukuちゃんの3人。この時期のバットレスは初めてなので、まさかの芦安駐車場「満車」にびっくり!?そうか、世間は夏休みか。

 「釣堀」と呼ばれる「入河原」に車を停めると、タクシーが迎えに来てくれる!?片道1.100円(含むマイカー規制協力金100円)を払えば、快適に広河原まで運んでくれる。登山届を受け付けに出すと「バットレスですか?今日、事故があったみたいなので、十分に気をつけてくださいね」と言われる。はい。
b0050067_0341013.jpg

 11:20、久し振りにテント、食糧、火器にギアのフルセットに加え、アイゼン&ピッケルもザックに括り付けて出発。レスキュー班が準備をしていた。大事に至っていないとよいのだが。気が引き締まる。
b0050067_0364476.jpg

 「初北岳がバットレス」という、なんたら贅沢なfukuchanは、満面の笑み。
b0050067_0374869.jpg

 大樺沢ルートに入る。第一印象は、なぜだか「ただいまー」って感じ。3年越しの割りに、道を覚えているものだな。
b0050067_0384053.jpg

 カナダ遠征まで、いよいよ10日。今回の目的は登攀だけにあらず、彼ら遠征組2人のトレーニングも兼ねている。仲間に入れてくれてありがとう。しかし、短期間でfukuchanはよくここまできたなぁ。
b0050067_039389.jpg

 14:00に二俣着。二俣付近から見上げる、大樺沢の様子。荷物を置いて、D沢まで偵察に。
b0050067_0402181.jpg

 バットレス沢の出合い。
b0050067_0423498.jpg

 D沢を越え、八本歯のコルへ向かう分岐。この1週間でかなり雪渓も溶け出し、ほぼ夏道が出ていた。
b0050067_0435796.jpg

 静かだ。もっとも、この時間にここを登る人のほうが稀だよな。
b0050067_0443281.jpg

 D沢付近から見上げる下部岩壁とピラミッドフェース。
b0050067_0451457.jpg

 画面中央に走るクラックラインが、明日登る「下部フランケ」だ。
b0050067_046697.jpg

 二俣側から、最初の雪渓がバットレス沢、次の水の流れが激しいのがC沢、そして枯沢で大きな岩に矢印が書かれているのがD沢と確認。明日は暗闇の中をD沢に入らないといけないので、偵察をしておいてよかった。

 二俣にクライミングギアをデポし、16:20に白根御池を目指して出発。
b0050067_0512728.jpg

 ちゃちゃっと歩いたら、16:30に白根御池に。行ってビックリ、すごいテントの数!張る場所が少なく、仕方なく賑やかな若者軍団の近くに幕営。幕営料は1人500円。トイレはきれいだし、水(南アルプス天然水?)も無料と、快適。
b0050067_18213517.jpg

 バットレス方面はずっとガスが立ちこんでいて、ヘリが近づいては遠ざかっている。しかし、夕方になる前にガスの合間を縫って、無事にリフトアップできたみたい、よかった、よかった。
b0050067_0552035.jpg

 ココが素敵なのは、生ビール(850円)があること!夕食の準備をしながら、明日の無事を祈って乾杯!小屋前にいらっしゃったクライマーさんに声を掛けたら、バットレスで検索すると詳細な記録満載な「お茶の時間」の著者さんであった、お会いできて光栄です^^。

 明日は午前2時起きなので、早々に就寝。しかし!悪い予感が的中。若者たちは盛り上がりまくり、21時になっても22時になっても賑やか。デリケートなワタシは全く眠れず。しまった、こんなときに限ってマイ耳栓を忘れてくるなんて。結局、0時近くまで大きな声で談笑していて、ほとんど眠れないまま朝(深夜?)を迎えることになった。。。  (つづく)
[PR]
by kanechins | 2013-08-03 00:59 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

エレクトリック・レディ・ランドもどき(小川山・仏壇岩)

 2013年 7月21日(日)
 (本記録はトポなしで取り付いた結果、本来のエレクトリック・レディ・ランドとは異なるルート取りとなっております。)

 今日の予定は未定。カナダ組がルートファインディングの練習をしたいとのことなので、あまり考えずに仏壇岩を提案。トポが無かったのだけれど、「それがかえって練習になるのでは」ということで決定。

 ペンギン岩へのアプローチは以前に下見していたので、なんとか。まずは林道をフェニックスの大岩直前まで進む。そこから仏壇岩が遠望できるが、「遠い」そして「でかい」印象。涸沢沿いに登ると、仏壇岩がどんどんと大きく迫ってくる。
b0050067_22251580.jpg

 ガレガレの岩場を慎重に進む。
b0050067_23161682.jpg

 初めての岩場はアプローチ核心。トポがないのでペンギン岩と仏壇岩の位置関係がわからず、右往左往。写真は、まさに見たとおりのペンギン岩。
b0050067_22311022.jpg

 ザックを置いて、ぐっと左に回り込んだら「岩の墓場」があったので、そこを詰めたら仏壇岩の基部であった。取り付きがわからなかったので、偵察で基部を左に上がっていく。テラスまで上がると、眼前に広がる岸壁に目を見張った。こ、こんな巨岩が小川山にあったのだ!?
b0050067_2228452.jpg

 これも見たとおりの「モアイクラック」が走る前衛峰(亀頭岩)。この段階で、ペンギン岩=前衛峰の裏側と誤解。
b0050067_22395492.jpg

 「取り付きにはハーケンが打ってある」という情報はあったので、探してみる。恐らくコレだろうというところから、カナダ組(sono&fuku)、kane&megで50mシングルでアンザイレンして登攀開始。アプローチでかなり迷ったため、この時で既に11:30。
b0050067_22434133.jpg

 1P目は後で調べると5.9(40m)。ルンゼ状を進むが、浮石が多くホールド&スタンスも脆くて不安定。カムがばっちり効くような場所も少なく、かなりひやひやしながらの登攀を強いられた。5.9という表記よりもⅤ級とかの表記がしっくりくるピッチであった。
b0050067_22464023.jpg

 右手に見えるモアイクラック、美しい。
b0050067_22463571.jpg

 1P目終了点はテラスになっており、下降支点が整備されていた。そこでビレー。さて、2P目。ワタシは正面のクラックではないかと思ったが、sonoは「右手のスラブにリングボルトが打たれていたとこじゃね?」、と登っていく。(正解は正面クラックで、ここは恐らく中央カンテルート)
b0050067_22474819.jpg

 そうこうしているうちに、megが登ってきた。
b0050067_22495650.jpg

 2P目(5.9、50m)は岩も安定してきて、やっと楽しめる感じ。
b0050067_22525934.jpg

 ルート取りは自然で、途中、コーナーっぽいところもガシガシ登れて、クラックをやっている人なら快適なピッチ。写真は途中から振り返ったところ。
b0050067_22541366.jpg

 50mロープいっぱいで、ぎりぎりテラスへ。残置支点はなく、複数のカムで支点を構築。3P目は、写真の上部に上がったところでsonoは右往左往。右にも左にも行けそうで、最終的には左側から登攀。なお、正規ルートはここで一旦ピッチを切り(5.5)、右側のワイド~ハンド(5.9)を登るみたい。
b0050067_22564812.jpg

 雰囲気は、前穂奥壁。フォローするmeg。
b0050067_22571984.jpg

 3P目を振り返る。なかなかの高度感ではあるが、岩は硬く安定しているので快適。
b0050067_23272222.jpg

 そのままロープを伸ばし、左側から一気に3ピッチで山頂へ!この時、既に16:00。写真は、いつか行ってみたい涸沢岩峰群。
b0050067_231069.jpg

 屋根岩1~5峰も遠く眼下に望める。
b0050067_2314015.jpg

 が、今度は下降点がない!?トポがないと、そもそも懸垂で降りられるのか、歩きなのかすらわからない。後続のうちらが荷をまとめているうちに、fukuchanが下降点を発見!RCC2本+シュリンゲナッツという心もとないものではあったが、これに頼るしかない。
b0050067_23399.jpg

 初めてのエリアの下降って、方向とかピッチ長とかわからずに不安が大きい。でも、これもカナダに向けては良い練習だ。
b0050067_2352357.jpg

 うまくピッチを切ることができ、2ピッチの下降でどこかのコル(鞍部)に降り立った。
b0050067_236877.jpg

 下降路を振り返ったところ。いくらでもルートが作れそうだ。
b0050067_2364897.jpg

 はて、ここで悩む。方角的には下を見て右なのだが、適当な支点はないし、歩いて降りるにはガレガレで悪い。左側に行けば朝通ったペンギン岩の基部まで懸垂できそう。
b0050067_23145052.jpg

 しかし、そこからの回り込みを考えると相当遠回り。時間が迫ってきた。試しに右側に行って見ると、なんとか降りられそう。50mシングルで2回懸垂したら、ぴったりザックのところに降りてくることができた。この時点で18:00。
b0050067_2310388.jpg

 慌てずに荷をまとめて、下降開始。座布団大の岩がごろごろと不安定な状態で積み上がった場所を慎重に下降。ちょっとしたミスで岩雪崩が起きそうなので、ここがもっともリスキーかも。ありがとう、仏壇岩。
b0050067_2312739.jpg

 暗闇が迫るなか、ぐんぐんと高度を下げる。
b0050067_23134058.jpg

 小川山が漆黒の闇に包まれた19:35、林道へ到着。あとはのんびり廻目平まで歩を進め、20:00過ぎにキャンプ場に到着。出発が遅れたこと、4人パーティであったこと、アプローチで迷ったこと、トポがなかったこと、下降で迷ったことなどで12時間行動になってしまったが、カナダ組にとっては良い経験になったことと思う。

 帰ってからトポを見直したら、結果的には「もどき」なルート取りとなってしまった。が、下降路もわからないまま自分達でルートを判断して登っていくのはとても冒険的で、久しぶりにアルパインな雰囲気を楽しめてよかった。アプローチが遠く、岩も不安定ではあったが、「小川山はちょっとな」というアルパイン嗜好の方には良い1本と思われる。仏壇岩はフリーのエリアではなく、そして本ルートは5.9でもない。Ⅴ級を登るつもりで、ぜひトライ頂きたい1本である。

 使用ギア:50mシングル×2本、キャメロット(#0.3~3) 2セット(支点構築を含め、2セットあれば安心)、アルパインヌンチャク多数(特にシングルロープでの登攀であったので、延長に多数必要であった。ダブルなら節約できる)、その他一式。エイリアンかTCUがあったら、1ピッチ目でランナウトしないで済んだかも。

 帰りはお決まり、鮮味館(長野稲里店)で油淋鶏定食で登攀の成功(としておこう)を祝う。
b0050067_23251460.jpg
 久しぶりに登り応えがあるルートを共にしてくれた仲間に感謝!なんとかもってくれた天気にも感謝!
[PR]
by kanechins | 2013-07-21 23:23 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

伊豆合宿 day4 「城山・エキスカーション」

 2013年 5月 6日(祝)振替休日
 GW最終日の今日は、相棒のリクエストにお応えして城山・南壁でマルチ。「いくらなんでも、南壁は賑わっているだろう」と思っていたが、結局、この日に南壁を訪れたのは我々と大阪パーティの2組だけ!?ほんと、みんなどこに行ってしまったのだろう?左側の壁が南壁。
b0050067_2213520.jpg

 まずは前菜に「ホームボーイ」(5.8★★)に登る。南壁特有のポケット&ゴーなスラブが楽しい。
b0050067_2223348.jpg

 本日のメインディッシュは、憧れていた往年の名ルート「エキスカーション」(6P、5.10c★★★)。50mのダブルロープでアンザイレンし、トライ。

 1P目(5.10a)はワタシ。スラブ~小ハングまでは、ルートファインディングできれば快適なスラブ。小ハングはボルトもあるし、スタンスもあるので容易。そこから先が核心で、ココに10aが付いていると思われる。森からの沁み出しで湿っておりちょっと怖い感じであったが、スケールも大きく「マルチしてるっ」という雰囲気が溢れた、なかなか充実したピッチであった。ボルト位置は少し遠めではあったが、自然であった。OS/m
b0050067_2265898.jpg

 2P目(5.10b)は相棒。ぱっと見からイヤらしい雰囲気が漂っていたが、あれあれという間に相棒は2ピン目にクリップ。テンションを交えながらも抜け切った相棒よ、あっぱれ。TO/m
b0050067_2274022.jpg

 3P目(5.10c)はワタシ。下部は快適であったが、段差が出始めるところで迷子に。トポには「ルートファインディングが核心」とあったが、一発でムーヴを見い出せずに涙のテンション。
b0050067_22154430.jpg

 まさに右往左往しながら終了点に抜けた。写真は3P目をフォローする相棒。TO/m
b0050067_22162616.jpg

 何年かしたら、今度は冷静にRP目指してトライしてみたい。
b0050067_22165448.jpg

 4P目(5.10a)は相棒。三日月ハングに向かって長大なスラブを登る。相棒は右往左往しながらも見事、OS/m。この高度でのスラブは、なかなか爽快かも。
b0050067_2217648.jpg

 この頃から、猛烈な風に煽られるようになってきた。5P目(5.10a)はワタシ。ハング部は特段に難しい部分もなく、着実に越えていく。いよいよ、二間バンドの森が眼前まで近づいてきた。OS/m
b0050067_22174189.jpg

 こんな絶壁に佇む野鳥。
b0050067_22182188.jpg

 いつも冬にしか来ないので、緑色に輝く大仁の町並みが新鮮。
b0050067_2219752.jpg

 なかなかの高度感。
b0050067_22195172.jpg

 6P目(5.9)は相棒。1ピン目がちょっと遠目だったけれど、何の躊躇もオブザベもなく普通に突っ込んでいき、OS/m。こりゃ、強くなるなぁ。
b0050067_22193196.jpg

 終了点は、ケミカル3本のチェーン連結とゴージャス!
b0050067_22202593.jpg

 さぁ、下るか。複数ピッチの懸垂下降について確認しながら、結局、4ピッチで取りつきまで下ることができた。
b0050067_22211472.jpg

 大阪組は既に岐路についたみたいで、南壁は完全に貸切状態となった。本当に指皮がなくなり、またGW最終日とあって帰り道の混雑も気がかりであったので、これにて伊豆合宿は幕引き。登山道の入口にはジオパークの新しい看板が。
b0050067_2224293.jpg

 三島までは思いのほか道路が住んでおり、「村の駅」で小休止。「しめさば」ならぬ「しめあじ」寿司が手ごろな価格。うまうま。
b0050067_22243112.jpg

 東名も新東名ができたからかガラガラで、あっという間に朝霧高原へ。思ったよりも早く帰ってきたので、音無の滝や白糸の滝を見物しながらマイナスイオンに癒される。
b0050067_22264176.jpg

 さようなら、富士さん。どうも最近、ゴキゲン斜めのご様子。怒りが爆発する前に、一度くらいは登っておいたほうがよいのかな?
b0050067_22281252.jpg


 東北ツアーは残念ではあったけれど、転戦したお蔭で4日間とも天候に恵まれ、予想外に人がいなくて静かに岩と戯れることができた。きっと、例年のGWはもっと暑いんだろうけれど、寒気のお蔭で快適であった。グレードは大したことはないが、ずっと憧れであった「シャックシャイン」「ゼルダ」「エキスカーション」を登れたことも嬉しかった^^。

 信州に帰れば、仕事はいよいよ忙しさを増す。たっぷり充電できたので、明日からまた頑張ろう!これで伊豆はホントに当分はおあずけだな。また、涼しい季節が訪れたら行きたいな。
[PR]
by kanechins | 2013-05-06 22:30 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

瑞牆・不動沢合宿 day3

 2013年 4月29日(祝) 昭和の日
 いよいよ不動沢合宿、最終日。今朝も明るくなると目覚めてしまった。これって、ま、まさか!?sonoが持ってきた「ホットサンド焼き器」(正式名称不明)に朝から独りテンションが上がり、焼かせてもらう。これは楽しく、香ばしく、美味しい!ちなみに、パンは「高原のパン屋さん」のゴマ入り食パン。
b0050067_23522188.jpg

 今日は手頃なマルチを求め、コズミック・サーフィン壁にある「果てありの岩稜」を目指す。カーテン状岸壁で小休止。いつみても、なかなかの迫力。
b0050067_154690.jpg

 以前、ぶらいあん、sonoと3人で登った○友ルートが懐かしくもある。あの頃は元気だったなぁ、遠い目。
b0050067_162619.jpg

 丸木橋を渡り、不動沢の右岸へ。さらに登山道を進むと、トポにある丸木橋が!?そこから左手奥を目指して森の中を彷徨う。しかし、登れども登れども岩は出てこないし、傾斜が増して歩きづらい。ここで1時間以上、ルートを探して右往左往することに。

 結局、登れそうな場所が見つからない。「もっと上流なのでは!?」ということで、一旦登山道まで戻り、不動滝を目指して登っていく。すると、登山道にかかる丸木橋が次々と現れる。一体、どれがトポの丸木橋?
b0050067_184035.jpg

 全体像を把握すべく、一旦、不動滝まで上がってみる。おぉ、これが不動滝か!なかなかの迫力である。溢れるマイナスイオンが森に漂っているのか、心地よい空間。
b0050067_19022.jpg

 不動滝からトポと岩を照らし合わせながら下る。大阪から来たというクライマーがトライアングルフェースに取りついていた。うーん、悪そうなスラブだ。
b0050067_1102621.jpg

 こんなに広大なスラブは見たことがないなぁ~。次回、トライしてみたい。
b0050067_1105626.jpg

 ザックを置いて、再び偵察に。コズミック・サーフィン壁の位置はおよそ推定できたが、トポに合致するクラックが見つからない!?しかも、落ち葉や苔で岩肌は覆われどんどん自然に還っているようだ。周りをぐるっと回ってみるが、これも結局わからず仕舞い。
b0050067_1114082.jpg

 さぁ、いよいよどうするか?カモシカ岩にある「カモシカルート」に行ってみよう、ということになった。しかし・・・これまたよくわからない。カモシカ岩は前回、武田菱ルートを登っているので場所は間違いない。しかし、周囲を彷徨うが、どうしてもトポに合う取り付きが見つからない。写真は武田菱ルートの取り付き。
b0050067_1215886.jpg

 このとき、既に午後1時を回っていた。これ以上ウロウロしても埒もないので、屏風岩・エンペラータワーの「寒々ルート」へ。1P目は5.7のレイバックらしく、ワタシがリードで取りつく。取りつきは湿っていたが、そんなに嫌じゃないのが不思議。下部はレイバックではカムセットを含めて厳しいなぁ。
b0050067_1233773.jpg

 トポには「F2.5~4」(フレンズの2.5~4番)って書いてあったし、見た感じ上部は閉じているように見えたし、グレードは5.7だし、キャメロット1セット+3.5番、4番を担いで取りつく。が・・・登れば登るほどクラックの幅が広くなっていく!しかも、上部は閉じるどころかどんどん開いていく。4番ですら、下部1/3くらいのところまで。傾斜も落ちてくるし、多分、突っ込めば手は悪くないんだろうなとは思うものの、やっぱり未知のパートに突っ込むのは度胸がいる。

 脚もぱんぱんになってきたのでテンションを入れ、ロープを垂らしてキャメロットの5番とフレンズの6番を上げてもらう。その6番ですら、ルートの半分位のところにキメられ、あとは突っ込むしかない。結果的には、傾斜も落ちて手の効きも悪くはないのだが、やっぱりランアウトは怖いなぁ。でも、とても面白い1本であったので、また次回、取りついてみたい。

 sono、fukuちゃんもトップロープで登る。sonoは2P目のチムニーの下見。すんごくきれいなチムニーらしく、思わずワタシも見に行ってしまった。「まさかこんな場所に!?」という隠れた場所に、太陽の光を浴びて輝くチムニーが。これは次回、ぜひ登ってみたい。

 GWで高速も混雑するかもしれないので撤収。松本のKスポーツ、豊科の「きまはち」経由で岐路についた。極太麺が2玉入った「きま八郎」を頂く。
b0050067_1232283.jpg

 さて、GW後半戦に向けて、また明日からお仕事がんばろー! (つづく)
[PR]
by kanechins | 2013-04-29 01:24 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

瑞牆・不動沢合宿 day2

 2013年 4月28日(日)
 ほんと最近、明るくなると目が覚めてしまう。まだ寝ている2人を他所に、昨晩の鍋を活用して「うどん」を作り始める。外はド快晴、キンと冷えた空気が心地よい。2人も徐に起き出し、朝食。

 今日は不動沢・前絵星岩を目指す。いつもの徒渉点が消失していたので、カサメリ用の徒渉点まで回り込んで「天然の橋」を渡る。
b0050067_2320229.jpg

 前絵星岩の基部まで上がり、ワタシ-fukuちゃん-sonoのオーダーで50mシングルロープでアンザイレン。久し振りの前絵星はギアがどれだけ必要かわからず、あるだけ揚げて後で大変なことに^^;。
b0050067_23204224.jpg

 1P目(Ⅲ級)はワタシ。出だしに#3を決めたら、一気にバンドへ。難しくはないのだが、切り立ったバンドを歩むのは相変わらず落ち着かない。
b0050067_232275.jpg

 フォローするsono。ほとんどノープロなので、フォローも落ち着かないであろう。
b0050067_2321435.jpg

 2P目の「ジキル博士」(5.10aに格上げ)はsono。出だしのオフィズスでしばし苦闘。
b0050067_23222127.jpg

 フォローするfukuちゃん。
b0050067_23223529.jpg

 ワタシはといえば、#4以上のおっきなカムを幾つもぶら下げて登ったからか、後ろに引かれてかなりの苦戦を強いられた。何年か前にRPしたのがウソのようだ。2P目終了点にて。
b0050067_2323718.jpg

 3P目はⅡ級のチムニー、荷が重いと苦しい。
b0050067_23241338.jpg

 4P目は「新緑荒野」(5.10a)に合流。何を誤ったか、ワタシがトップ。「今度こそオールフリーで抜けてやる!」と気合十分だったのも束の間、ボルトが打ってあるところでA0が入ってからぐだぐだに。。。
b0050067_23492713.jpg

 写真は、フォローするfukuちゃん。
b0050067_23274655.jpg

 リーチもタッパもあるfukuちゃんでも、ここはやっぱりお手上げだったみたい!?
b0050067_23282463.jpg

 それにしても、チムニー寸前のオフィズスってホントに大変だ。
b0050067_23291887.jpg

 5P目はsono。ほどなくして、前絵星岩の山頂。
b0050067_23305541.jpg

 十一面に触れるのはまだまだ先のようだ。
b0050067_23303820.jpg

 2回の懸垂で中間テラスへ。
 
b0050067_2331557.jpg

 もっと修行を積んで、再訪したい。
b0050067_23322878.jpg

 大して登ってもいないのに、全身ばきばき。慣れないワイドに体が悲鳴をあげているようだったので、「増富の湯」で疲れを癒す。 (つづく)
[PR]
by kanechins | 2013-04-28 23:34 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(2)

瑞牆・不動沢合宿 day1

 2013年 4月27日(土)
 年度替わりの慌ただしさに追われるうちにGW。前半戦は瑞牆・不動沢でワイド&マルチ中心の合宿。「GWだからキャンプ場は激混みに違いない!」とめっちゃ早くから瑞牆イン。ところが、予想に反して閑古鳥が鳴いていた。な、なぜ?
 理由は多分、寒いから。とにかく風が冷たく、強い風は見る間に体温を奪っていく。テントを設営したところで、寝不足とその暖かさに惹き込まれて眠りにつきたいくらいであった。
b0050067_1361939.jpg

 初日。まず向かった先は、不動沢の門番である「屏風岩正面壁」。もともと「午後のエリア」で涼しいのがウリの屏風、今考えたら「なぜ?」なのだが、「んなもん、寒いに決まっとるやないかっ!!」。sonoが「おしん」(5.8)をアップがてら登る。
b0050067_148086.jpg

 後ほど回収で登るが、岩はキンキンに冷え首筋で掌を温めながらのクライミングとなった。「不動沢愛好会ルート」の1ピッチ目にTRをセットし、交代でワイド修行。写真はスクイズチムニー(5.7)を登るsono。
b0050067_1513161.jpg

 ワタシの1本目。前回の教訓「背中側のギアラックには何も付けない」を活かし、チョークバックを前に回しておく。が、今度は何気に付けていたギアラックが妙に引っかかる。前回はすっぽり全身が入った記憶があるのだが、今回は体半分しか入らず!?ま、まさか腹囲に異変が、笑!?ワタシにはチムニーではなく、オフィズスである。
b0050067_1535135.jpg

 今回は「動きの意識」(必死にもがくのではなく、動かす部位を1個所に絞ってみる)、「レスト体勢の意識」(力まなくても体が安定するポジションを探す)を頑張ってみた。結果、まだリードするほどの度胸はないが、「TRであれば」ワイドが楽しいと思えるようになってきた。

 上部のハンド(5.9)を登るsono。さすが、上手やわぁ。
b0050067_154375.jpg

 ワタシは上部のハンドでもひと苦労。1回目はかなり足ジャムを意識したが、そうすると前傾したラインを辿るようになってしまう。2回目はsonoのマネしてステミングを意識していったら、まぁなんとか登れる感じ。リードするには、まだ修行が足りない感。

 普段使わない筋肉を使うためか、肩周りや大腿部の内転筋などが悲鳴を上げている。時間も時間だし、いい加減寒さにも耐え難くなってきたので撤収し、お決まりの「増富の湯」へ向かう。ちょっと謎だったのが「11回で7.000円の回数券」(通常1人700円)。普段、1回入浴すると紫色のポイント券がもらえ7枚集めると次回無料。って、こっちのほうがお得なのでは!?節電のため、今年度も19時までの営業らしいが、やっぱりちょっと忙しいなぁ。

 テントに戻り、今夜は「鍋」。だが・・・「か、カセットコンロがない!」。普段は車に積みっ放しだったので、積載してると思い込んでいたのだ、汗。幸い、ランタン用のガス2本と無意識に持ってきた山用バーナーで事なきを得てよかった、汗。
 
 こんなに冷える夜なのに、不思議とすすむのが発泡酒。fukuちゃんは最近すっかり呑めるようなってきた、うん、頼もしい。ん?もしかして、うちらいけない人?
b0050067_156535.jpg

 寝不足もあり、22時を回ったところで寝袋にくるまる。すぐ近くでエンジンを掛けっぱなしで車中泊している音が寝込みを妨げていたのだが、気がつけば朝を迎えていた。 (つづく)
[PR]
by kanechins | 2013-04-27 01:57 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(2)

子持山・獅子岩(7P-5.8)

 2013年 4月13日(土)
 午前03:30、起床。今日は所属会のメンバーと、群馬県にある「子持山・獅子岩」へ。写真右側のきれいな逆層スラブに、フリーのマルチルートが築かれている。
b0050067_23525838.jpg

 高速で渋川伊香保インターへ向かい、7号橋の駐車場へ。アプローチの詳細は「日本マルチピッチ」を参照頂きたい。登山届けを提出し、ギアを装着して07:40に歩行開始。
b0050067_23553437.jpg

 すぐに屏風岩という、屏風状の巨岩がお出迎え。
b0050067_2357977.jpg

 沢伝いに谷を進むこと40分程度で分岐へ。「この先危険」と記された方向へ左折すると、すぐに獅子岩がどーんと眼前に聳え立つ。
b0050067_23583427.jpg

 今日は9名と大所帯。Keita-sono、Fukuchan-お父さん-Ponchan、44-Ruby、そしてMeg&ワタシのオーダーで取り付く。写真は、1P目(5.7)を行くKeita。先頭パーティは08:45出発。
b0050067_011659.jpg

 逆層のスラブは、ちょっといやらしそうだな。
b0050067_034916.jpg

 フォローするsono。TOPは一気に2P目までロープを伸ばした。
b0050067_05641.jpg

 フォローするFukuchan。一つ手前の終了点でピッチを切る。支点は2ヶ所用意されていた。渋滞しても安心!?
b0050067_061766.jpg

 最終パーティである我々の出発は10:10、トップから遅れること1時間25分だ。1P目はMegが、2P目(5.7)はワタシがトップ。写真は2P目終了点から見下ろすMeg。新たに、基部に別パーティも到着。人気が伺える!?この1~2P目はスラブなのにムーヴが続いて、実に面白かった!
b0050067_074389.jpg

 3P目(5.7)はMeg。巨大フレークの横をすり抜ける、印象的なピッチ。
b0050067_08316.jpg

 余裕があったので、フレーク横でパチリ。このフレークを上手に使って乗り越えよう。写真左上は核心部を登るRuby。
b0050067_01052.jpg

 核心部を進むRuby。
b0050067_0115072.jpg

 核心の4P目(5.8)はワタシ。途中、頭をひねるような場所が幾つかあったが、よーく探せばホールドもスタンスもありムーヴが楽しめる。スラブに慣れていない人には、全体的にグレードは辛く感じるかも。写真は核心部をフォローするMeg。
b0050067_0141450.jpg

 5P目(5.7)をフォローするRuby。ここからはハイキング気分^^。一気に6P目も登れるようだが、今回はマルチトレの意味合いもあるので細かくピッチを切っていく。
b0050067_0152181.jpg

 5P目をフォロー。快適できれいなスラブだ。
b0050067_0173161.jpg

 6P目(5.7)はワタシ。高度感が溢れるものの、スタンスがあるスラブは快適で楽しい。
b0050067_0182674.jpg

 不意に登山道へ。最後となる7P目(5.7)はボルト2本のショートルート。ここを抜ければ獅子岩山頂だ。
b0050067_0202100.jpg

 そして、13:00に獅子の頭へ。途中で待ちがかなりあったが、およそ3時間の登攀となった。沼田の向こうに白く聳える武尊山に向かって吠える44(獅子)。
b0050067_0232449.jpg

 獅子の頭で記念撮影。
b0050067_0235536.jpg

 空気は澄み、遠く尾瀬の峰々まで望むことができる。
b0050067_025152.jpg

 下降は一般道なので早い。駐車場に14:00帰着。渋川へ続く道は、葉桜になりかけていた。
b0050067_0295110.jpg

 みなさん、お疲れ様でした!大所帯ではあったけれど、わいわいと楽しくマルチが登れて、笑いが溢れる実に楽しい1日でした^^。

 【装備】
・ロープは各自シングルの60m(ピッチを飛ばすことを想定。細かく切るのであれば50mでも十分)。不安があるなら、ダブルロープだと撤退しやすい。各終了点には下降用のビナが残置されていた。
・クイックドロー 各パーティ14~5本。ピッチを飛ばすのであれば、これくらいは必要。カム類は不要。
・ボルト 比較的しっかりしているが、ガルバナイズされサビが浮いていて不安な箇所もあり。確認しながら登ること。
【グレーディング】
・スラブに慣れていないと、ちょっと難しく感じるかも。
【岩質】
・安山岩。逆層スラブでスタンスが見えづらい。それが面白さでもある。岩は硬く安定しているが、小さな落石は何度かあったので、ヘルメットは必須。
・すっきりしたスラブで高度感もあり、ムーヴも新鮮かつ多彩で実に楽しい1本であった。
[PR]
by kanechins | 2013-04-13 00:40 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(2)


【 Facebook、Twitter、mixi からご訪問の方】  最新の投稿を見るには、タイトル「旅鳥の独り言」をクリックしてみてください。


by kanechins

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

最新のコメント

クラさん、ご訪問&コメン..
by kanechins at 12:47
 自分も12月に遠山郷へ..
by クラ at 23:37
 T様、御訪問&コメント..
by kanechins at 20:35
★Nonさん  初めて..
by kanechins at 00:40

カテゴリ

全体
「日常」の独り言
「山」の独り言
「岩」の独り言
「アルパイン」の独り言
「滑り」の独り言
「人工壁」の独り言
「沢」の独り事
「料理」の独り言
「旅」の独り言
「走り」の独り言
「氷」の独り言
「潜り」の独り言
「映画」の独り言
「本」の独り言
「音楽」の独り言
「釣り」の独り言
「農業」の独り言
未分類

ブログパーツ

登山について

クライミング、沢に限らず「登山」は体力、技術、経験、ルート状況、気象条件、装備などによりリスクを伴う活動です。本ブログに起因するいかなる事象についても責任は負いかねます。皆様の安全登山をお祈りします!
 ★ 記事下部にある「comments」をクリックするとコメントできます!

以前の記事

2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
more...

記事ランキング

フォロー中のブログ

iron日記
おなかがすいたら登れない(旧)
デブまっしぐら!ツッキー編

ファン

ブログジャンル

アウトドア
登山

画像一覧