カテゴリ:「アルパイン」の独り言( 102 )

瑞牆山「調和の幻想」。

 2015年10月 4日(日)
 2時間ちょっとの睡眠を経て、04:30に起床。
 05:30にRicky、sonoと合流して、一路、瑞牆山を目指す。

 午前9時に末端壁に到着。まだ太陽光が谷底まで届かず、肌寒い。
 何パーティーかが、正面壁か奥壁を目指して登っていく。

 ギアを整え、じゃんけんでオーダーを決めて09:45に登攀開始。
 右側のラインが「調和の幻想」(5.10a、5P、145m)である。
b0050067_13103239.jpg

 1P目(5.9+、30m)はワタシ。出だしのテラスまでが濡れており、及び腰に。出だしのワイドは入るに狭く、しかし、トポにあるように右側のフレークだけで突っ込む技量も度胸もない。ワイドに挟まり6番を入れる。

 決まったところで、右側のフレークも使いながら、ずりずり上がっていく。が、ワイド技術が未熟なワタシに登れるほど甘くはなく、早速1テン><。とにかく抜けないことにはお話しにならない。なんとかかんとか上がっていく。ワイドパートが終わり、一段乗り越すが、支点が取れずに汗が噴き出す。

 慌てて5番を上のクラックに入れようとするが、狭すぎてボトミングになってしまった。そうこうしているうちに腕がパンプしてきた。回収しようとした瞬間、おっきな5番カムが顔面を直撃して前歯を欠損><。とにかく、テラスへ上がる。
b0050067_13105385.jpg

 2P目(5.8、20m)はRicky。出だしはワイドっぽい感じ。クラックの奥にフィンガーがあってそれで体を上げる。フィンガーの感覚が未熟なワタシには、体を上げるのに四苦八苦。その後はスラブを越え、左側のテラスへ上がる。
b0050067_13262898.jpg

 3P目(5.9、20m)はsono。カンテの右下のテラスへ上がり、左上の木の生えたテラスを目指してフェースを直上。そこから右に迂回して上に抜ける。
b0050067_13265891.jpg

 ふと横に目を送ると、巨大な垂壁を登るクライマーが。
b0050067_1329939.jpg

 4P目(5.10a、30m)は、再びsono。立木とスラブの間をバック&フットで登り始める。スラブ面に移ってからダイクを右にトラバース。リングボルト1本にクリップ。
b0050067_13314838.jpg

 さらにスラブを上がり、左へトラバース。見ているほうもシビれるムーヴメント。左のクラックにカムを入れてからは、水を得た魚のように登るsono。やるなぁ!
b0050067_13333475.jpg

 そして、5P目(5.9、45m)はRicky。ノーピンのままオフィズスに入る。登りは安定感バツグンであるが、見ているほうがヒヤヒヤするピッチである。
b0050067_1334560.jpg

 持ち弾を上手に使い、上部のオフィズスも越えていく。
b0050067_13371489.jpg

 フォローは上からロープが垂れているので、素直に楽しむことができる。
 と思うのも束の間。ここを越えると、このピッチの本当の核心が現れた。5.8はここに付いている。
b0050067_13384767.jpg

 ここを越えると、いよいよ終了点である。
 Ricky、お疲れさまでした&ありがとう!強いわ、あなた!
b0050067_13393229.jpg

 捨て縄2本で支点を補強。
 古いシュリンゲを整理しようとしたが、ナイフを5P目取り付きに置いてきてしまっていた。
b0050067_13405165.jpg

 5P目取り付きで、一旦ピッチを切る。
b0050067_13413676.jpg

 荷物を回収し、ここの下降点も捨て縄で整理する。リップにダイクが走っており、ロープの回収に苦労しそうだったので、コブをずらしながら下降し、3P目取り付きへ。ここから取り付きまで下降できたので、下降は3ピッチである。

 取り付きはすごく賑わっていた。
b0050067_13454390.jpg

 未熟さが痛いほどわかった一日。
 それでも、天候に恵まれ、静かで豊かなクライミングを共有させてくれたお二人に、心から感謝。

 使用ギア:50mダブル、スモールカムを含む2セット+5番、6番
[PR]
by kanechins | 2015-10-04 20:39 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

瑞牆合宿 day2(十一面岩・錦秋カナトコ)

 2015年9月6日(日)
 午前6時起床。「午後から雨」という予報のなかで未知のマルチルートに行くのは憚られたが、合宿の目標でもあったので、行けるところまで行ってみることに。
b0050067_0251760.jpg

 7:00に植樹祭広場を出発。
 7:30には十一面岩・末端壁。さらにルンゼを登り、正面壁基部に7:50到着。燕返しのハングを過ぎ、取り付きを探す。

 左岩壁の左端に「逆くの字」のフレークを発見。Fukuちゃんとダブルロープで結びあい、8:20に登攀開始。
b0050067_0553391.jpg

 1P目(5.8、30m)はワタシ。フレークを叩くと軽い音がし、カムをセットするも墜ちられない。丁寧に足を拾ってフレークを越え、ルンゼ状を左上。
b0050067_0574119.jpg

 ガスが少しずつ上がってきた。
b0050067_058942.jpg

 クラックをつないで、最後はスラブ。
b0050067_059136.jpg

 2P目(5.10a、25m)はFukuちゃん。出だしがシビアっぽく、体重差があるだけにビレイも緊張。上手にスラブ面に入り、ボルト2本をつなぐ。その先も数手が難しそうであったが、無事に越えた、ぱちぱち。
b0050067_11195.jpg

 3P目(Ⅲ、30m)はワタシ。歩きだと思っていたが、途中からルンゼ状の草付き。先が読めなかったので、念のためにランナーを取ってビレイしてもらうが、なんてことはなかった。

 4P目(20m)はFukuちゃん。屏風状の岩まで歩き、左端にある岩を乗っ越すとテラス。

 5P目(5.8、40m)はワタシ。
b0050067_142230.jpg

 残置されていたナッツをスルーし、2度ほどマントルを返すとテラス状。
b0050067_15503.jpg

 そこからは幾つかルート取りできそう。弱点をついて、クラック&スラブを越えていく。
b0050067_16208.jpg

 短いオフィズスを越えると、肩のテラスへ。結局、おっきいカムを持ってはきたけれど、使う場所がなかった。ザックが引っ掛かりそうだったので、取り付きに置いてくるよう指示(後で後悔)。時折、霧状の雨が舞ってきて焦りを隠せない。
b0050067_171735.jpg

 6P目(5.7、10m)はFukuちゃん。リングボルトに支点を取り、カンテを上手に使ってスラブ面をあがる。10:10、カナトコ岩の頂上へ!
b0050067_182279.jpg

 天候悪化は必至。写真を撮って、10:20に速やかに下降開始。支点は新しめのリングボルト2本+残置ビナ2枚。
b0050067_1105213.jpg

 チムニー状をダイレクトに下降し、木が生えた広めのテラスへ。
b0050067_1112695.jpg

 テラスからの下降支点を探すが、木からシュリンゲで伸ばした残置ビナ2枚が。延長してあるものの、リップから遠く、ロープ回収はシビアそうだ。
b0050067_112387.jpg

 困ったことに、5P目の取り付きにザックを置いてきたので、回収に。そこから、できるだけ右に回り込むが、木がうるさくてロープの取り回しに苦労する。
b0050067_1133828.jpg

 かなりロープは重かったものの、無事に回収できてよかった。4P目は歩きで下降し、3P目は残置シュリンゲを使って懸垂。

 宴会テラスには、頑強な立木に立派な下降支点が構築されていた、感謝。
b0050067_114501.jpg

 そこからは、50mロープダブルで1回で取り付きまで下降することができた。
b0050067_1161422.jpg

 11:10、ルート基部に帰着。グレードは低くとも、2人とも未知のルートをオンサイトできたことは素直に嬉しく、Fukuちゃんとグータッチ。

 喜ぶのも束の間。いつの間にか南アルプスはすっかり雲に覆われ、雨足が届くのも時間の問題。
 ギアを分け、パッキングしなおして11:30、下山開始。

 ノンストップで降り、12:10には植樹祭広場へ帰着。
 車に到着すると同時に、ざーっと雨が降ってきた。ぎりぎりセーフ!
b0050067_118390.jpg

 グレードはさておき、未知のルートを登るという行為は、先が読めないだけに冒険的であった。
 天候悪化の兆しもあり、久しぶりに緊張感をもって登ることができた。どきどきしながらも、素晴らしい時間を共有してくれたFukuちゃんには感謝。実際に使用したギアは、C0.5~3まで1セット。

 帰り道。お決まりの「天鳳」にて「安養寺ラーメン」。うーん、安定のおいしさ。
b0050067_1203745.jpg

 佐久平駅でFukuちゃんと再会を誓って別れ、帰路についた。
[PR]
by kanechins | 2015-09-06 23:07 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

セルフレスキュートレーニング。

 2015年 5月10日(土) day1
 この週末は、所属山岳会で毎年行っている「セルフレスキュートレーニング」で大町へ。最近、周りで立て続けに事故が発生している。今一度、しっかりと確認しておきたいと思っていたので、タイミングはばっちりだ。

 まず、朝のKY。他のパーティも大勢いるので、ギアなどの落下に気をつける。
b0050067_15384784.jpg

 早速、事故の対応から。想定は、「ダブルロープで、明星山のマルチピッチを登攀。2ピッチ目で1ピン取ったところでリードがビレイヤーよりも下に墜落し、意識不明。下は川になっていて降ろせない」という状況で、どうするか。

 事務局のsono、遭難対策委員のワタシでペアを組んで、早速開始。まずは、sonoがリード。
b0050067_15404857.jpg

 ワタシはフォローし、テラスでツルベに入る。1ピン目をかけたところでフォールし、ビレイヤーよりも下で意識を喪失。(安全のために、セルフを取る)
b0050067_15414884.jpg

 sonoは引き上げを試みるも、体重差がありすぎて引き上げ不可能と判断。携帯で留守宅へ連絡。留守宅は会長であるお父さんへ連絡。会員へはメーリングリストを実際に使って連絡し、事務所へギアを持って集合する想定。

 救助隊として、44&Hidekiが。44がリードし、テラスへ。そこへ、登ったロープをFIXする。
b0050067_15433685.jpg

 レスキューに必要なギアを担いだHidekiは、川の対岸から引いたロープを引きながら、アッセンダーでフォロー。
b0050067_15444749.jpg

 その間に、44は1/3引き上げシステムを構築し、2人でワタシの引き上げに入り、テラスまでの引き上げに成功。吊り下げの準備に入る。対岸の救援隊は、斜張りのロープテンション確保と搬出の準備。
b0050067_15465777.jpg

 斜張りを介して、ムンターでワタシを対岸へ降ろす。
b0050067_15492171.jpg

 下部でも誘導。
b0050067_15494759.jpg

 ブルーシートを使い、ヘリがアプローチできる場所まで搬出。
b0050067_15504110.jpg

 この一連の動作を、順々に行う。全てがこれで対応できる訳ではないが、一連の流れを反復することで、対応手段のイメージが固まった。

 夜は、山岳総合センターへ。遭難対策委員で作成した緊急時対応マニュアルと救援要請チャートの内容確認。幾つかの修正ポイントを指摘いただき、より良いものに仕上げたい。お父さんからは、ヘリが到着したときの対応や、事故が多い懸垂下降について、資料を交えて教授くださった。

 医療委員であり、看護師でもあるえりちゃんからは、傷病者評価システムの説明。まず、自分とパートナーの安全を確保し、ついで第3者、傷病者の順に安全を確保する。救命のために、神経系の確保(AVPUや脊椎の損傷確認)、呼吸器系の確保(気道、呼吸)、循環器系の確保(脈、止血など)など。

 また、先日、えりちゃんと一緒にウィルダネス医療の講習を受けてきたsonoからは、ボリュームショック(血液損失によって引き起こされる還流圧不足)とその処置、呼吸器系トラブルの対応、脳機能の評価、体温調節や、熱疲労、熱射病、低ナトリウム血症とそれらの対応について講義してくれ、非常に勉強になった。

 21時過ぎまで及んだ講義を追え、お酒も入ってフリートーク。お父さんは、ネットで調べた様々な事故の記録を持ってきてくださり、今までの事故やヒヤリハット経験について語り合う。事故は起きないに越したことはないが、起きてしまってからどう行動するか、考えるよい機会となった。


 2015年 5月10日(土) day2
 朝のKY。シーズン前だからか、今日も人工壁は3つの会で大賑わい。
b0050067_1624798.jpg

 昨日の復習を行う班と分かれ、お父さんと44にボルト打ちについて。改めて見ると、リングボルトの軸の細さと短さには驚かされる。しかし、実際に打ってみると、それも仕方がないこともわかる。
b0050067_1643788.jpg

 手打ち用のギア。
b0050067_1644779.jpg

 持参した石に、ハンマーで実際に穴あけ。こ、これは大変!
b0050067_1654792.jpg

 センターの許可を得て、支点構築の練習に使える支点打ち。実際にハンマードリルを使って、ハンガーを打たせて頂く。RCCボルトも、実際に手打ちで穴を開けて打たせてもらったが、柔らかいとされるコンクリートですら、1本打つのに20分くらいかかった。これを、アブミに乗りながら延々打ち続けるだなんて。クラシックルートの開拓者に、改めて敬意を表したい。
b0050067_16213995.jpg

 懸垂下降時にロープが足りなくなり、あとほんの数m降りたいときにどうするか、を検討。シュリンゲの継ぎ足しで降りる方法を確認。
b0050067_1684645.jpg

 斜張りを使ったロワーにも、みんな随分と慣れてきた。
b0050067_16104434.jpg

 sonoと、斜め懸垂。今年、もし丸山東壁に行くとすると、必須の技術となる。
b0050067_16122546.jpg

 ランナーの位置や長さ、最初に下降した人のロープの張り具合など、実際にやってみてわかることも少なくなかった。
b0050067_16131674.jpg

 人工登攀もやっておく。ボルトが近いので、それほど極端な立ちこみは要らない。もう少し、ボルトが遠いルートもあったらよいな。以前は考えなくても体が動いたものだが、やっていないと手順を考えながらでないと登れない。
b0050067_16144532.jpg


 まずは、事故を起こさないこと。山で事故がひとたび起これば、その対応は厳しく、そして大変であることも再確認できた。これから本格的なシーズインを迎える。事故なく、笑顔溢れる山行が続くことを祈り、今年のトレーニングを終えた。
[PR]
by kanechins | 2015-05-10 19:29 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

八ヶ岳・石尊稜(1級上・Ⅳ-)

 2015年 3月14日(土) day1
 この冬は本当に忙しく、ろくに山に入ることができないまま3月を迎えてしまった。これはイカン!と、久しぶりにsonoと雪稜に行くことに。「北西稜?」「・・・ごめん、自信ないわ。(もちろん、ワタシ)」。

 ということで、まだ二人とも行ったことがないルートを探してみると、石尊稜が残っていた。某ガイドブックを見ると「初心者同士でも楽しめる」と、おお!

 金曜も早く帰れないのがわかっていたので、土曜日は移動日に。午前8時にウチに集合し、久しぶりの八ヶ岳山荘へ。そういえば、sonoと山に行くのはいつ振りだろう。お互いに話題が尽きることがなく、危うく諏訪南ICで降りそびれるところであった。

 八ヶ岳山荘には午前10時過ぎに到着。1日500円の駐車料金を八ヶ岳山荘で支払う。駐車券はシールになっており、車のダッシュボードに置く仕組みに変わったのね。裏を読むと、「コーヒーをサービスします」って、ほんと?帰りに検証だ。

 10:50、八ヶ岳山荘を出発。久しぶりの冬装備は重い、けど嬉しい!
b0050067_23122669.jpg

 11:35、やまのこ村着。美濃戸口の駐車場も満杯。当初は赤岳鉱泉でテント泊する予定であったが、この分だと相当の混雑が予想されたため、急遽、南沢を辿り行者小屋を目指すことに。
b0050067_23173487.jpg

 美濃戸山荘。ダブルアックスを持った団体さん。流行っているのね、アイス。
b0050067_23183527.jpg

 南沢は静か。雪が舞う道を歩む。肩に食い込むザック、沈むつぼ足、上がる息。下界の雑事を忘れることができる、よい。しかし、3月中旬にしては、雪が多い。
b0050067_23192824.jpg

 14:10、行者小屋着。例年、この時期はテント村になるはずなのだが、予報が芳しくなかったためか、この週末は静かそうだ。出発が遅かったが、良い場所にテントを設営できた。
b0050067_2321388.jpg

 雪が多いので水場を心配して水を担いできたが、杞憂であった。
b0050067_23215088.jpg

 冬の装いの行者。
b0050067_23224065.jpg

 持参したワインを飲みながら、早めの夕食。やることもないので、早々に寝袋に入る。風の音、隣のテントの談笑が子守唄に。山って、やっぱいいな。
b0050067_23251623.jpg


 2015年 3月15日(日) day2
 03:45、起床。テントの内側、シュラフカバーには霜がしっかり降りている。3月とはいえ、気温はかなり下がったと思われる。ガスを点け、お湯を沸かして朝食。

 05:40、出発。ちょっと、出遅れた感あり。
b0050067_23262826.jpg

 中山峠を越え、急な斜面を下る。すぐの沢はニセモノ。さらに下り、明るい沢に入る。今日、踏まれたばかりのトレースが雪面に延びていた。
b0050067_23272434.jpg

 07:00、下部岩壁の取り付きへ。既に下部岩壁の左側に4人パーティ、右側に3人パーティが取り付いている。さらに、2人組みが並んでいた。この隙に、ギアやロープを整える。
b0050067_2330129.jpg

 じきに、阿弥陀が朝陽に照らし出される。
b0050067_23302878.jpg

 さらに後ろに3人パーティが到着。その後ろに、さらに3人パーティが到着したが、この混雑振りを見て諦めたのか、下山していった。07:45、登攀開始。いつもは1P目はワタシと決まっていたが、今日のオーダーは珍しくsonoから。
b0050067_23311086.jpg

 思ったよりも悪そうで、苦戦を強いられていた。姿が見えなくなってからも、なかなか終了点に着く様子もなく、ロープは45m以上出た。コールすると、近くでピッチを切ってくれた。どうも、まっすぐに登り過ぎたっぽい。

 フォロー。氷が融けきった後にがっつり雪が積もった感じで、ピックがことごとく岩に弾かれる。下部の出だしから中間部が悪い。えらい難しいトコを選んだなぁ。これだから、登れる人は。
b0050067_2355192.jpg

 2P目はワタシで、カンタンな雪稜。ピナクルっぽい岩は左に巻いた。ロープ一杯伸ばし、シラカバでピッチを切る。3P目はsono。
b0050067_2358187.jpg

 徐々に高度が増し、一連の北アルプス連峰が望める。
b0050067_23584362.jpg

 4P目はワタシ。コンテで行こうと思っていたが、草付きはグサグサに腐っており悪く、再びロープ一杯伸ばしたところでピッチを切る。
 
 5P目はsono。この辺りから、雪は安定してきた。ロープが半分位出たところで解除し、ロールアップ。ここからコンテ(同時登攀)に入る。
b0050067_015143.jpg

 気持ちの良い雪稜を辿ると、じきに上部岩壁が近づいてきた。
b0050067_024357.jpg

 阿弥陀方面。中央下の稜線が、以前に登った中山尾根。その上の顕著な尾根が文三郎尾根。
b0050067_035311.jpg

 10:40、上部岩壁。左側の顕著な尾根の、下部のルンゼに支点があった。
b0050067_063556.jpg

 後続が迫っていたので、すぐに取り付く。6P目はワタシ。ホールド、スタンスは豊富ではあるが、どこまで行ってもピンが見当たらない。雪に埋まってる?風は冷たく強いし、まぁ落ちる気もしなかったのでぐいぐい登っていく。さすがにヤバイなぁ、というところで、やっとハーケン発見。ほっ。そこから右側のルンゼに入り、頂点のピナクルでピッチを切る。
b0050067_08597.jpg

 sonoと阿弥陀。風が吹くたびに雪煙が舞う。
b0050067_085627.jpg

 7P目はsono。ピナクルからは裏側のルンゼに入り、すぐに姿が見えなくなる。ロープはゆっくり伸び、一杯になったところで解除し、そのままコンテに入る。sonoは、まだ上部を登っていた。もしブルーアイスだったら、支点も取れずかなり嫌な感じになりそうだ。
b0050067_0113951.jpg

 11:45、石尊峰の山頂へ。これ以上、高い所がないのって気持ちいい。
b0050067_0134579.jpg

 ロープとギアをまとめ、主稜線を南に辿る。左が赤岳、右が阿弥陀岳。
b0050067_0144997.jpg

 日ノ岳を振り返る。かっこいいなぁ~。
b0050067_0163321.jpg

 12:30、地蔵分岐。
b0050067_0151129.jpg

 尾根にはしっかりと雪が乗っていた。
b0050067_0171438.jpg

 一面つるんつるんに氷化すると、かなりしびれるルートに豹変することも。しっかり雪が付いているので、比較的安心できた。
b0050067_0215837.jpg

 13:00、行者小屋。テントでお湯を沸かし、予備食として持ってきたカップラーメンを頂く。うーん、ただのインスタント麺なのに、うまいなぁ。周りの景色と一緒に、コーヒーの香りも愉しむ。贅沢な時間である。
b0050067_0242567.jpg

 時間だ。テントを撤収し、14:20に美しき白銀の八ヶ岳連峰を後にする。
b0050067_025492.jpg

 16:20、八ヶ岳山荘。お疲れ様でした!
b0050067_0261074.jpg

 荷物を積み込み、駐車券を持って八ヶ岳山荘へ。そして、駐車券があるとコーヒーサービスというのは本当であった!ありがたく、挽きたてのコーヒーの香りを楽しめた。
b0050067_0274941.jpg

 帰り道。豊科ICで降り、相棒も合流して「きまぐれ八兵衛」へ。久しぶりの「きまはち長浜ラーメン」は、やっぱ美味しい!迷わず、替え玉も注文!
b0050067_0312153.jpg

 好天に恵まれ、3月にしては雪の量も豊富で、久しぶりの雪稜登りを愉しむことができた。石尊稜は初めてであったのでわからないが、岩のコンディションがあまりよくなかったのかもしれないが、とてもガイドブックにあるように「初心者同士でも楽しめる」という気はしなかったなー。

 しかし、ルートは変化に富み、人気も頷けるコンパクトにまとまった楽しい1本であった。

[装備]
・50mダブルロープのシングルユース(懸垂に備え1本は背負った)
・アルパインヌンチャクは2人で10本(十分に足りた)
・アイススクリュー1本、TCU1セットを持参したが使用せず。
・各自、シングルアックス。他のパーティは、ほとんどがアックスを2本所持していた。
・グレードは、1P目はⅣ+付けても良いと思う。個人的には、中山尾根1P目のほうがカンタンに感じた。上部岩壁1P目はⅢ+程度だが、ランナーは取れないつもりでいたほうがよいか。
[PR]
by kanechins | 2015-03-15 19:11 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

明星山・西壁 P2西稜末端壁「風ルート」

 2014年10月11日(土) 
 連休は台風19号の来襲により計画変更を余儀なくされ、明星山へ行くことに。今までに2度来たのだが、予報は悪くなくてもなぜか雨に祟られてきた。3度目の正直となるか。

 おのおの仕事の都合で前夜発が叶わず、05:30amに長野を出発。明星展望台に到着したのは07:30。好天が約束された週末。当たり前だけど、既に南壁は多くのクライマーで大賑わい。ざっと見ただけでも、左岩稜に3人、クイーンズウェイに4人、JADEに2人、そして当初計画していたフリースピリッツには、な、なんと8人!?人気なのね^^;。
b0050067_1248571.jpg

 急いで準備をしても取り付きに08:30。時間も遅く、先行パーティも多く、また先日のOちんのクィーンズウェイでの事故(上部岩壁で剥離した岩と一緒に墜落)もあったので、今日の南壁登攀は潔く諦める。

 代替案は、明星西壁はP2西稜末端壁にある「風ルート」(5.11a、7P フリー化1994)。トポには「春の息吹」(5.10d、7P)の不快な部分をクリアすべく、大凹角のスラブのど真ん中を貫いたとある。橋の近くに車を停め、ギアをまとめて08:15に歩き始める。
b0050067_13244545.jpg

 クマが多いとのことであったので、クマ鈴をうるさいほどに鳴らしながら歩くこと50分で、P2西稜末端壁大凹角の基部へ。前は濡れて真っ黒な印象であったが、今日はパリッと乾いて石灰岩らしい白さが輝いていた。
b0050067_13255470.jpg

 時間も時間なので4人でロープを結び、ワタシとsonoが交代でリードすることに。09:50に登攀開始。1P目(5.10d、25m)はワタシ。久しぶりの石灰岩はスタンスがシビアでシビれる。下半分は岩は硬く、薄かぶりのルートはムーヴもあり楽しい。が、ハンガーが「お手製」(切断したアングルに穴を開けてボルトで固定したもの)なうえサビサビで、あんまり衝撃加重をかけたくはない。

 上部に右トラバースしてからがムズい。斜めに傾いた前傾壁はホールドの向きが絶妙に悪く、核心ではスタンスを置きたいカンテ沿いがボロボロと崩壊しておっかない。これが硬い岩でしっかりした支点があったら、楽しいピッチだと思う。終了点は狭く、ほとんどハンギング状態。
b0050067_13271321.jpg

 2P目(5.10d、20m)はsono。出だしの垂壁~ハング越えが悪そう。途中のスラブもなかなか悪そうであったが、上手く弱点を突いて右巻きに登り切ってくれた。ミョウジシンパク(ミヤマビャクシン、以下シンパク)はショボく見えてもかなり強度があるみたいで、タイオフしてうまく支点にしていた。
b0050067_13274496.jpg

 ビレーを解除し、サードのmegを引き上げる。到着したところでワタシが2P目をフォロー。出だしからシビれたが、探せば弱点があって面白い。途中、「ぶぅん」という音が聞こえ、「お、鷹でもいるのかな?」と思った瞬間、今度は「びゅーん!」という音とともに、大きな岩が墜ちていった。落石は多いと聞いてはいたが、そのスピードが半端ない。当たればひとたまりもない。

 うまく弱点を突いて終了点へ。そこでmegのロープをアップし、今度はmegが4番手のお父さんをビレイ。1P目、2P目とも終了点は2人までと狭く、また支点強度も怪しいので、できるだけ支点にインパクトを与えないよう注意する。

 続く3P目(5.10b、20m)はワタシ。「春の息吹」は凹角沿いに直上するが、「風」はまず右方向に斜上。ピンの間隔は欲しいところにある感じで好感。が、ホールドが悪いというか、欠ける!丁寧に押しつけるように持っても剥がれるのでおっかない、汗。ムーヴそのものはなかなか面白いのに、岩が脆いのが珠に瑕。

 「やれやれ、リップまで来たぞ」と思ったら、次のピンが遠い!!石灰岩スラブのランナウト、まじか。行くしかないので自分の足を信じて突っ込む。(後で聞いたら、以前はリップの上に手製ハンガーがあったらしいが、下降時に確認したら折れて無くなっていた)。まぁ、花崗岩の5.9のスラブが登れれば大丈夫。

 12:35に3P目の終了点へ。大凹角のスラブが眼前に。う、美しい。美しい岩は難しいのだが。ほぼ中央を上がり、見ていてる最上部まで上がるようだ。
b0050067_13324728.jpg

 少し広いテラスではあるが、いつまた落石が飛んでくるかわからず、うかうかもしていられない。ビレイを解除してもらい、ロープアップ。セカンドのsonoがサードのmegを2P目終了点まで上げるまで、しばし休憩。天気も良く、風も穏やかで眠気を誘う。写真は3P目をフォローするsono。
b0050067_1334519.jpg

 写真が3P目の終了点。手製ハンガーはサビサビ。(後に、新たにリングボルト1本と捨て縄を追加)
b0050067_1333311.jpg

 セカンドのsono、サードのmegが上がって来たのは13:30。megのロープを束ねて渡し、4P目(Ⅲ、20m)はsono。ろくに支点はなく、ミョウジシンパクで支点を取りながら高度を上げていく。

 ロープはどんどん伸び、予定の20mを過ぎてもまだ登っていき、そのまま核心の5P目(5.11a)へ入ってしまった!?ロープは半分の25mを過ぎてしまったので、とにかく抜けて貰うしかない。
b0050067_1335214.jpg

 傾斜が変わるパートからすごく悪いみたいで、苦戦を強いられるsono。それでもなんとか1ピンずつ高度を上げ、14:30に終了点へ到着。よく頑張った!

 ワタシもフォローする。下部は支点を取れる場所が少なく、見た目以上に立っている。おまけに、かなり大きい岩まで不安定で、1手、1歩をすごく慎重に進む。核心部は薄カブリのスラブ(?)で、おまけにホールドスタンスがここでも脆い!フォローだからと、吹っ飛ぶのを覚悟で登っていく。終了点に到着したら、15:00に。
b0050067_13355943.jpg

 ここでお父さんから「残りのピッチは二人で行っておいで~」と声が。時間も残り少ないので、残りの2ピッチ、先を急ぐことに。写真は次のピッチ。グレードは下がるが、岩が剥がれた跡が目立つのが気になる。
b0050067_1338422.jpg

 5P目(本来の6P目、5.10b、15m)はワタシ。出だしいきなりのトラバースで、右手でピンチしたホールドが簡単にもげた。高いところが苦手な自分はかなり「いっぱいいっぱい」な上、脆いホールドはほんとメンタル的にもキツい。自分的には降りても良かったのだが、sonoに「また来るのイヤでしょ!!」と(今思えば)なんともわからん理論で説き伏せられ、「うん、イヤ!」と答えて登攀を継続する。

 トポには「出だしが悪い」と書いてあったが、個人的には始終悪かった気がする。写真はフォローするsono。
b0050067_13462652.jpg

 15:50にsonoが到着。sonoの中には「降りる」という選択肢はないみたいで、すぐに6P目(本来の7P目、5.8-25m)に入る。これまた、体くらいの大きさの岩が浮いている感じがして、悪そう。
b0050067_13473528.jpg

 ナチュプロはTCUしか上げてこなかったので岩の間で支点が取れないまま登っていく。途中、右壁にハーケンを見付けたみたいで一息。
b0050067_134806.jpg

 なんとか登り詰めるが、今度は終了点が判然としないらしい。「春の息吹」と合流する場所に下降点があるはずなのだが、あるのはサビサビの手製ハーケンとRCCボルト2本だけ。時間がないので支点を構築してもらい、16:25にフォロー開始。とうとう、太陽が尾根に隠れてしまった。先を急がねば。
b0050067_13482890.jpg

 下降途中にランナーの回収があり、ヘッドランプは3P目終了点に置いてきたので焦りを隠せず、フォローだからとゴイゴイ登っていく。登りそのものは確かに5.8くらいかもしれないが、岩の不安定さを考慮したら、やっぱりⅤ+という表記のほうがしっくり来るなぁ。つくづく、アルパインルートにデシマルは似合わない気がする。

 そうこうしながらも。16:35に終了点に到着!いやぁ、本当にしびれたなぁ。捨て縄を残置ハーケンに通すが、薄めの手製ハーケンは穴が面取りしていなくて、シュリンゲが角に当たって嫌な感じ。しかも、かすかに動く。。。
b0050067_1350591.jpg

 念のためにTCUで下降支点のバックアップをセットし、sonoから下降開始。sonoの体重がかかる度に、ハーケンがかすかにしなる。衝撃が加わらないよう静かに下降し、なんとか本来の5P目の終了点まで降りることができた。
b0050067_13514732.jpg

 ワタシの番。TCUを回収し、静かに支点に体重を掛ける。じわじわと少しずつ下降し、5P目の終了点(ココも決して良くはいないのだが)に到着してセルフを取った瞬間、無事に感謝してしまうほどであった。次の下降はワタシ。4&5P目のヌンチャクを回収しながら下降し、3P目終了点まで。お父さんとmegは待ってくれている間に新たにリングボルトを1本打ち足してくれており、新しい捨て縄も掛けてくれていたので安心。

 そこからは1回で取り付きまで下降することができた。下部は空中懸垂になったので、いかにカブっていたかがわかった。
b0050067_13524688.jpg

 sonoが取り付きまで下降し、ロープを回収したのが17:30。夜の帳はほとんど閉じつつある。朝にはなかった激しい獣臭が漂い不気味。荷物をまとめ、ヘッドランプを点灯し、クマ鈴を激しく鳴らしながら17:45に下山開始。

 すぐに暗闇に包まれ、獣臭から逃れるように下山を急ぐ。下りは早く、18:15に無事に車に戻ることができた。みなさん、本当にお疲れ様でした。
b0050067_1415832.jpg


 【使用ギア(4人)】
 50mシングル1本、60mシングル1本、50mダブル2本(2人なら50mダブル2本でOK)、ヌンチャク類(含むアルパイン)30数本(2人なら10数本でOK)、TCU1セット(さらにキャメロットの#1~#2が1つずつ有ったら7P目は安心か)。捨て縄、ハンマー&ハーケン&ジャンピング。(捨て縄2本、リングボルト1本設置)

 【トポ】 『岩と雪』 1995年4月号 P63~65
b0050067_14394988.jpg

 全ての支点と岩が強固であったなら、人気ルートになったであろうなぁ。が、この不安定な要素があってこその「明星山」とすれば、素晴らしい1本なのは間違いないと思う。ルートを開拓してくださった広瀬さん、愛瀬さん、ありがとうございました。岩が不安定な部分が少なくなく、上に山を抱えているので自然落石のリスクもあるので、トライの際は十分にご注意ください。
[PR]
by kanechins | 2014-10-11 23:50 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

穂高・屏風岩「雲稜ルート」 day2

 2014年 9月28日(日)
 夜半、1ルンゼの激しい崩落音で何度か目が覚め、そのたびに身を丸めてヒヤヒヤする。標高が2,000m前後あるT4でのビバークは、シュラフカバーとツェルトだけだと寒さが身にこたえる季節となってきた。

 朝5時に一旦目覚めたものの、まだ暗くて2度寝。次に気付いたときは外は明るく、寝坊!午前5時半過ぎに起床。夜露か結露か、ツェルトはびしょびしょに濡れていた。お湯を沸かし、軽く朝食を摂る。ツェルトなどを撤収しパッキングしたり、ギアを整えたりしていると、あっという間に時間が過ぎていく。

 一緒になったパーティは今夜も泊まりというのでトップを譲って頂く、多謝。さっさと出たいところであったが、06:40に登攀開始。遅すぎる。このロスは痛いな。1P目(V:5.7、45m)はワタシ。出だしから落ちられないスラブフェイス。凹角へ入ると思ったよりも傾斜が強い。ここは支点の取り方(延長の仕方)がポイントで、ロープの流れ注意しながら慎重にオールフリーで登る。登りの技術よりも、支点取りの技術が求められる感じ。
b0050067_2375359.jpg

 ハング下に終了点があったが越え、その上のテラスにあった終了点でピッチを切る。時間は07:00。ほぼロープ一杯。07:30にフォローも1P目終了点へ。
b0050067_23112984.jpg

 2P目(Ⅴ+:5.8、40m)はsono。テラスを3、4mほど上がって右にトラバースすると終了点があった。ピナクルもあるし、ここが正規の1P目終了点っぽい?けど、多分50mロープだと届かない?そこから先のルートが判然としないらしく、ロープが出たり戻ったりを何度か繰り返す。

 すぐに次のパーティが終了点まで上がってきた。sonoはカンテの向こう側に行ってしまっているので、状況がわからない。が、じきに意を決したようにロープが伸び始めた。頭の中で、上まで抜けるには時間が足りないことを、うすうす感じ始めていた。

 ワタシが2P目を登り始めた時間は08:30。最初の垂壁が少し手強い。焦っていたのでホールドを見逃したのかもしれないが、5.10はあると思う。後続も待っているし味わう時間的余裕もなくA0で越え、ピナクルを目指して右上する。下が見える垂壁を登っていくため高度感がすごく、難しくはないのだがビビる。ピナクルから扇テラスまではバンド状を左上。ここは歩きに近いのだが、支点がないのでしびれる。
b0050067_23155484.jpg

 2P目を登っている最中、またも1ルンゼから大きな崩落音が。写真の白い煙はガスや雲ではなく、落石により生じた岩の粉が舞っているところ。
b0050067_0255743.jpg

 08:38に扇テラスに到着。当初はフリー化された5.11cのピッチをトライするつもりでいたが、後続も来ていること、いきなり5mほどノーピンであることなどからさっさと諦め、アブミを取り出す。08:50に、3P目(A1)はワタシで登攀開始。
b0050067_23162828.jpg

 幸いなことにボルト間隔は近めで、リングが欠落しているボルトにかかっているシュリンゲも比較的新しめで、慎重に1ピンずつ高度を上げていく。途中、人工からフリーになる場所が2箇所ほどあったが、悪くはないのだが怖い。次のピッチのトラバースが眼前に迫ったところで、09:15にリング3本の終了点着。09:20にsonoがフォローを開始し、09:45に終了点へ。
b0050067_23171654.jpg

 フォローが登ってくる間、時間計算。4P目は悪そうなうえ、大きく右にトラバース。一旦取り付いたら、下降するためにはもう1~2ピッチは登らないといけなそうで2時間かかる可能性。12:00に下降開始、素直に降りられるかもわからずT4に13:30。荷物をまとめて5ピッチの懸垂下降+歩きで横尾15:30、上高地18:00かぁ。大丈夫な気もするけれど、明日はアサイチから抜けられない仕事があることも気になり、ここで撤退することに。

 そうと決まれば、後続パーティに意思を伝えてすぐに準備に入り、09:55に下降開始。
b0050067_10718.jpg

 3P目を登る後続パーティ。折角譲って下さったのに、ごめんなさい。
b0050067_103761.jpg

 同じく、3P目を登る後続パーティ。
b0050067_134512.jpg

 扇岩からは一旦、2P目のピナクルに向けて一旦下降し、扇岩の縁まで来たらまっすぐ下ると2P目の取り付きピナクルへ。そこから、最初にピッチを切った部分まで短く懸垂しようかとも思ったが、そのまま下降し取り付き方面へ下っていくと、1P目の取り付きに降りることができた。岩沿いの踏み跡は、下降跡だったのね。
b0050067_14735.jpg

 10:50にT4へ帰着。
b0050067_142255.jpg

 ギアを分け、パッキング。11:15にT4尾根の下降開始。落石を誘発するような道を下るので要注意。狭い林の中を下降するので、ロープを丁寧に束ねて、少しずつ出しながらの下降を繰り返す。
b0050067_154785.jpg

 途中、どなたか設置してくれたのかわからないが、ありがた~い下降リングが各ピッチに設置されていた。感謝。
b0050067_162490.jpg

 暗い1ルンゼ方向への下降。時折、落石の音が聞こえるたびに身を丸めてしまう。
b0050067_17422.jpg

 2P目取り付きにも、立派な下降支点が。本当にありがたいなぁ。
b0050067_173013.jpg

 雲稜、T4尾根を継続して8ピッチの懸垂下降を繰り返し、12:35にT4尾根の取り付きへ。
b0050067_18289.jpg

 いつまた1ルンゼが崩落するのかわからないので、手短に荷物をまとめて、12:45に下降開始。1ルンゼは危険なので、草付きの踏み跡を辿る。意外によく踏まれている。途中、小さな落石が発生して焦る。岩の粉で全身真っ白に染まりながら安全地帯まで進む。さようなら、屏風。また、いつの日か。
b0050067_19770.jpg

 渡渉は靴を脱がずにいけた。13:35に登山道。荷物をパッキングしなおし、14:00出発。横尾で15分ほど休憩し、一気に上高地まで歩く。河童橋周辺は、紅葉に染まる穂高連峰を眺める人々で賑わっていた。
b0050067_19519.jpg

 上高地BTには16:30に帰着。ちょうど沢渡行きのバスが待っており、17:10に沢渡着。平年よりも紅葉が早く始まっていたためか、意外にBT周辺は空いていて助かったなぁ。

 写真の赤線が、今回登ったルート。
b0050067_1134833.jpg

 1泊で雲稜を抜けるのであれば、下降するにしても「屏風の頭」に抜けるにしても、扇岩でビバークするほうが確実と思われた。またいつの日か、今度はちゃんとコンディションを整え、まだ2daysでトライしてみたい。
[PR]
by kanechins | 2014-09-28 14:50 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

穂高・屏風岩「雲稜ルート」 day1

 2014年 9月27日(土)
 このところ天候が安定している。「こんなチャンスはそうないゾ」と思い、meg&sonoと3人で屏風へ行くことに。が、直前にmegは風邪を引いてしまい断念。この状況で選んだルートは、ミーハーだけど、クラシックの名ルートである「雲稜ルート」(4級上、V+A1)に。一般的には2泊で入るルートであるが、T4でビバークして1泊でトライすることに。

 午前6時、沢渡から乗り合いタクシーで上高地BTへ。登山届を提出し、06:30に上高地を出発。明神に07:10着。トイレが混雑しており、かなり待たされる。07:30に再び歩き始め、横尾には08:40着。ここのトイレも大賑わい。いよいよ屏風岩が見えてきた。
b0050067_041517.jpg

 ゆっくり朝ごはんを摂り、9:10に横尾発。樹林帯の中を歩くことしばし。木樹が開けると、これから登る屏風岩・東壁が見えた。かっこいい。
b0050067_0421323.jpg

 岩小屋跡から梓川の河原へ。時期も遅いだけに梓川の水温は暖かめとは言え、足を水に入れた瞬間、冷たいを通り越して痛いくらい。要領が悪く、2回も渡渉するはめに。渡渉点はよく考えよう(帰りは靴を脱がずに渡ることができた、笑)。
b0050067_0432545.jpg

 1ルンゼの押し出しから水無沢に入る。
b0050067_0441684.jpg

 そういえば、熊鈴を持ってこなかったな。今年は熊が多いらしいので、時折、声を上げながら登る。沢が開けたところで、いよいよ東壁が近づいてきた。
b0050067_046894.jpg

 T4尾根の取り付きに近づくと、なぜか辺り一面は真っ白に染まっている。細かい粉が一面を覆い、まるで新雪のようだ。気無しにそのまま沢を詰めて取り付きへ。後で知ったが、1ルンゼは崩壊が進行中で、時折、あほみたいに大きな岩雪崩が発生。沢を詰めているときにデカイのが来ていたら、やられるところであった。草付きに踏み跡があるので、ここは迂回すべし。
b0050067_04856.jpg

 10:50、T4尾根取り付き。落石により生じた砂が、口や目に入ってきていやらしい。念のためにダブルロープでアンザイレンして、11:20にT4尾根の登攀開始。1P目(Ⅳ、30m)はワタシ。Ⅳだからとナメていたら、荷物はそこそこ重たいし、砂がホールドやスタンスを覆っていてヒヤヒヤする。写真は振り返ったところ。白ッぽいのは、落石により生じた岩の粉が堆積した跡。
b0050067_050246.jpg

 2P目(V-、40m)はsono。アンカーからすぐの垂壁は、荷物があるとなかなかパワフルなムーヴを強いられる。ルンゼに入ってからが意外にいやらしかったな。
b0050067_0521272.jpg

 3P目からはコンテと書かれていたが、悪そうなのと様子がわからないのでスタッカートで。登りはともかく、ここを荷物を背負ってノーロープで下るのは怖いな。距離は40mほど?3P目をフォローするsono。
b0050067_0542910.jpg

 4P目はsono。このピッチはロープがなくても良い感じ。距離は30mほど?5P目(Ⅲ、40m)はワタシ。チムニーからスラブへ上がる。難しくはないのだが、荷物が重いと後ろに引かれてなかなか苦労する。
b0050067_0561568.jpg

 そして、13:50にT4着。思ったよりもフラットで、快適そうだ。ロープを解除し、明朝に出発しやすいようギアを整理する。
b0050067_0565429.jpg

 ここから先が「雲稜ルート」である。
b0050067_0573411.jpg

 振り返れば、青空をバックに常念や大天井が佇んでいる。こんな静かな場所でビバークできるだなんて、幸せだなぁ。
b0050067_1154.jpg

 早速、ツェルトを設営。時間はたっぷりあるので1P目の偵察に行っても良かったけれど、なんか今日はお疲れモード。まだベルジュの疲れが完全に抜けてはいないようだ。
b0050067_1233.jpg

 じきに、もう1パーティがT4まで上がってきた。他にも、ソロクライマーがT4取り付きまで来ていた。明朝からソロで取り付くらしい。
b0050067_13667.jpg

 16時過ぎ、夕食の準備。T4はdocomoは圏外。久しぶりに、スマホから開放される時間だ。ゆっくりと日本の屋根を動く白い雲を眺める。これほどまで、無心でぼーっとできる時間が取れたのなんて、久しぶりだ。

 ご飯を食べてしまえばやることもなく、持ち上げたワインをくいっとやれば眠気が襲ってきた。18時前にシュラフカバーの中へ潜り込むと、そのまま寝入ってしまった。(つづく)
[PR]
by kanechins | 2014-09-27 23:53 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

瑞牆山・十一面岩「ベルジュエール」。

 2014年 9月23日(祝)
 今年の夏はあまり天気に恵まれず、ほとんど登れてない。が、やっと好天に恵まれた休日が!今日はsonoと、往年の課題となっている瑞牆山・十一面岩の「ベルジュエール」(5.11b、10P)へ。

 午前06:00に植樹祭広場を出発。振り返れば、植樹祭広場は今年初。小川山は今年はまだ一度も行っていないな><。06:40、誰もいない末端壁着。
b0050067_713341.jpg

 さらに歩みを進め、ベルジュエールの取り付きに07:05着。ハーネスを装着し、ギアを確認。水や食糧、前半は不用な大きなカムなどをザックに詰め、07:45に登攀開始。
b0050067_7154720.jpg

 1P目(5.11b)はワタシ。気温は低く、岩は結露でしっとりと冷たい。体も十分に温まっていない中でのこのピッチは未熟な自分にはやはり厳しく、凹角上部、ハングの乗っ越し、カンテへの乗っ越しでテンションが入る。それでも、フリーでトップアウトできたので良しとし、先を急ぐ。チョーク跡が酷くてびっくり。
b0050067_7172497.jpg

 2P目(5.10a)はsono。相変わらず悪そうだ。小ハング下を左にトラバースし、凹角を上がっていく。ランナーの長さか鍵。苦労している声は聞こえてくるが、姿は見えず。じきに解除コール。
b0050067_7224413.jpg

 3P目(5.7)はワタシ。前回の反省を活かし、下部は直線的にロープが流れるようノープロテクションで上がっていく。
b0050067_1383062.jpg

 後半、立木で2個所ほどランナーを取って、クラック直下へ。ロープの流れは悪くはないが、40m以上スラブ面を這わせてきているので、めっちゃ重い。手繰りながら、リングボルト1本だけのコワイスラブを登って、クラック下部の終了点でピッチを切る。コワイスラブをフォローするsono。
b0050067_1393097.jpg

 4P目(5.9)はsono。あれから湯川や不動沢で修行を積んだだけあって、クラックはより洗練された感じ。余裕で抜けた。ココはワタシは前回、フォローでも大変に苦労した記憶があるが、今回は足が見えるようになってきて、苦労しながらもノーテンで抜けることができた。
b0050067_1403955.jpg

 そして、10:30に白クマのコルへ。早くはないけれど、少し時間に余裕を感じて大休止。

 今回は山頂まで抜けるつもりでいたが、白クマのコルに荷物を置いておいて回収できるのかわからず、フォローが持ち上げることに。そして後に、これが大変なことになる。

 5P目(5.10a、大フレーク)はワタシ。
b0050067_141563.jpg

 中間部の横に走るクラックにハーケンが打ってあった気がしたが、無くなっていた。今回はキャメロットの#4~6まで1つずつある。上手に使いわけながら上がるが、やっぱりオフィズスは修行が足りない。背に腹は変えられず、カムエイドを交えながらフレーク上部へ。途中からレイバック体勢に入ろうとするも、「圧倒的な高度感」と「自信の無さ」からオフィズス登りを続け、本当に上部だけレイバックに入る。テラスにあったボルト2本でピッチを切る。フォローするsono。
b0050067_1435373.jpg

 小ヤスリ岩を登るクライマー。
b0050067_1471489.jpg

 6P目(5.7、チムニー)はsono。前回はかなり苦労して登った感があったが、今回はスムーズに抜けてくれた。sonoにとっては、このチムニーサイズはぴったんこみたい。
b0050067_1475074.jpg

 そしてフォロー。ザックを背負ったらチムニーに入れず、自分の上のロープにクローブヒッチで荷物をセット。押し上げながらチムニーに入る。2、3mほどずり上がったところで消耗していることに気付くが、テンションを入れようにも荷物と自分の間のロープがたるんでいてテンションできず焦る!チムニーをクライムダウンしてテンションをかけレスト。

 sonoから「荷物は自分の下にぶら下げたほうがいいんじゃない?」と言われ、60cmのシュリンゲで下げてみる。が、今度は自分の体を上げようとしても下から引っ張られているので登れない、汗。結局、余ったロープを下げて貰い、プーリー効果で荷物を上げてもらう。最初からこうすればよかった。

 しかし、チムニーは自分には狭すぎてやはり苦戦。ヘルメットは引っかかるし、必死のパッチだ。それでもなんとか抜けることができた。
b0050067_1484173.jpg

 7P目(Ⅲ級、チムニー)はワタシ。ブッシュの中の踏み跡を右上に向かって進むと、チムニーが現れた。ここをバック&フットで乗り越える。ここから未知の領域だ。左上に向かってクラックが走っているので、ここからが8P目に違いない。

 8P目(5.10b、ハンド)はsono。一段上がると、すぐに姿が見えなくなった。そこから先に、ルート取りできそうなクラックがいくつかあって、どれかわからないらしい。しばらくロープが出たり戻ったりした後、意を決したようにロープが伸びていく。苦戦している様子はロープを伝ってきた。しばらくしてロープが流れるようになり、解除コール。

 フォローすると、一段上がったところに終了点があった。7P目はチムニーを登ったあと、この終了点まで来てピッチを切ったほうが、8P目のリードのロープの流れも良さそうだ。
b0050067_151620.jpg

 9P目(Ⅲ級)はワタシ。巨岩がごろごろと積み上がった場所をノープロで歩いて行く。高度感はそれほどではないが、ふと足下を見ると、穴の中はどこまでも深くぽっかり穴が空いていて、落ちたらヤバそうだ。松の木が生えたテラスまで行く。腰がらみでsonoをビレー。
b0050067_1514072.jpg

 そして、花道である10P目(5.10a、ハンド~スラブ)はsono。出だしのクラックは少しかぶっており、体力が尽きた感がある我々にとってはなかなか手強かった。個人的には、8P目よりもニガテ。
b0050067_125288.jpg

 sonoは根性でマントルを返し「やっと終わったか!?」と思っていたら、どうも最後のスラブがコワ悪いらしい。かなりの時間を逡巡した後、意を決したかのようにロープが伸び、解除コール。写真は、最後のスラブを登るワタシ。疲れたカラダに鞭打って、最後にノーピンのスラブかぁ。最後まで楽しませてくれる。
b0050067_225824.jpg

 そして、15:30。8時間弱もかけて、憧れであった十一面岩の頂きへ。すごい。言葉に詰まる360度の風景。ずっと思い描いていた光景が眼前に広がっている。久しぶりに、感動した。写真は小ヤスリ岩。
b0050067_23442367.jpg

 植樹祭広場も、こんなに小さく見える。
b0050067_23451924.jpg

 不動沢も、上から眺めるとちっちゃく見える。
b0050067_23453481.jpg

 16:00、下降開始。リングボルト、RCC、アルミハンガーと、支点の歴史が組み合わさった下降点。
b0050067_23475817.jpg

 まず、10P目を懸垂下降。上に向かって、テラスを右側へ回りこみ、瑞牆本峰方面へ歩く。暗くなったら、特に滑落注意。広場の奥の藪の中に踏み後があるので、本峰とのコル(鞍部)を目指して降りていく。コル直前は右手から回り込むと、コルに到着。
b0050067_23522929.jpg

 右側に巨岩が連なっており、穴が3つ。一番右側の穴の木に白いマーキングがあるが、穴への下降が悪い。穴の上を過ぎると立ち木がある。それを使って左回りに下ると、右側の穴の中へカンタンに降りれる。そこから写真の三角形の穴をくぐる。
b0050067_2353376.jpg

 そこからルンゼを歩いて下る。途中、残置ロープで懸垂下降。ロープはかなり傷んでいるので、不安であれば自分のロープを出したほうが安心か。
b0050067_235430100.jpg

 2ピッチほどの懸垂下降で「白熊のコル」へ続く広場へ。コルへはすぐであったので、ザックはココに置いておけば、6P目のチムニーはラクである。下降を始めて1時間後の17:00に取り付き。かなり迷ったので時間が掛かったが、わかっていれば3~40分ほどで降りられると思う。

 ギアを整理し下降開始。末端壁の辺りでヘッドランプを点灯。昔に比べて踏み後がしっかり付いており、安心して下ることができる。そして、18:20に植樹祭広場へ帰着。アプローチを含めると12時間を越えた。まだまだ実力が及ばないルートではあったが、でもこうやって少しずつ経験値を上げていくしかないな。それにしても、素晴らしいルートだなぁ、と改めて実感。もっと実力をつけて、またトライしたい!

 念願の登頂を果たしたということで、久しぶりに鮮味館へ。定番の油淋鶏定食で、体重はすぐに戻ってしまったかな?
b0050067_084095.jpg

 往年のクラシックルート、人気も頷ける素晴らしい1本であった。もっと修行を積んで、いつかちゃんとレッドポイントできたらいいな。
[PR]
by kanechins | 2014-09-23 00:32 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

錫杖岳合宿 day2(注文の多い料理店)

 2014年 8月 3日(日)
 午前4時起床。のはずが、一旦目覚めはしたものの、体じゅうがバキバキで二度寝。次に気が付いたのは4時半!?飛び起きてお湯を沸かし、朝食。新穂高温泉から続々とクライマーが上がってくる。予報が変わり小雨の心配があったので、sonoと先に上がることに。

 合宿2日目は、sono-ワタシ、おのちん-おじMAXは「注文の多い料理店」、Fukuちゃん-お父さん-megは「左方カンテ」へ。先に、昨日1ルンゼでお会いした関西パーティに先に上がって頂く。準備を整え、07:15に登攀開始。

 1P目(Ⅳ、40m)はワタシ。終了点がある大テラスを目指し、凹角沿いに直上。出だしいきなり、ノープロで少し外傾したホールドでマントルを返すところでヒヤヒヤ。凹角のクラックは意外に幅広で、おっきいカムをフォローに預けてきたのでちょっと苦戦、笑。Ⅳ級とはいえ、あまり支点が取れないので慎重に登る。
b0050067_6563539.jpg

 2P目(Ⅴ+、30m)はsono。クラックというよりは、カンテ奥にカムを決めながらフェースを登る感じ。
b0050067_745758.jpg

 1P目をリードするおのちん。
b0050067_75317.jpg

 2P目のポイントは、登り詰めたところから右上すること。フェース上部のでっかい割れ目に3番が入っていて、回収しようとしたらカムが黒い!?な、なんと直径1cmサイズのヘビがカムに絡まりついていた!!ビナ伝いに振動を与えると逃げてくれたのでよかった。狭い枯れ木テラスへ。

 3P目(5.9、20m)はワタシ。ビレイヤーを乗っ越し、4番、5番をキメて、ワイドルーフを越えていく。抜け口が悪く、A0が入ってしまった、涙。ハングを抜けてから上部クラックに入るパートも悪いが、それを越えれば快適な幅広クラックが待っていた。今回、6番を持参した。無くても登れるが、4番か5番のどちらかは2本あると安心して登れるか。
b0050067_795086.jpg

 つよつよのおのちんは、苦闘しながらもフリーで抜けた、ぱちぱち!おのちんの必死な姿と、ブヨにやられて腫れてきた瞼が重なり、まるでボクサーのようでかっちょよかった。
b0050067_7113045.jpg

 4P目(Ⅴ+、20m)はsono。出だしの小ハングがちょっとやらしい。その上の幅広クラックは快適だが、どん詰まりのハングから右上のテラスへ移るパートが怖い!カラダがおっきい人には窮屈で、苦戦を強いられるかも。やるな、sono。
b0050067_714431.jpg

 何度か小雨がぱらついたので終了にしようと思っていたが、空が明るくなってきたのと、左方カンテ組は登攀を継続するようなので、我々も継続することに。

 5P目(Ⅴ+、40m。結局、上部スラブも継続し45m?)はワタシ。出だしのダブルクラックは濡れているうえ、写真中央のカムを決めてある岩は浮いており、落ちたら多分はがれそうな中、だましだまし登る。右側のクラックは安定しはいるが、浮石も多くひやひや。
b0050067_7182784.jpg

 「リップを越えたら終わり」と思って、あまり考えずに潅木に左側ロープをクリップし、後に大変なことに。「後は鼻歌ハイキング」かと思っていたら、ぼろぼろに風化したコーナーはカムを決めづらいうえ、くそ重たいロープ(自業自得)を数m分を手繰って持ちながら、冷や汗満点で登っていく。

 「もう終わり?」というのを2、3度繰り返したら、追い討ちをかけるようなスラブが!半分やけになり、愚痴りながら登っていったら、終了点に1パーティが、恥ずかしい。汗だくゼーゼーしながら、支点を分けて頂き、ビレイ解除、ほっ。sonoも順当に上がってきて、11:20頃に登攀終了。

 一安心して周りを見渡せば、錫杖本峰がまだ高いところに望めた。スケールでかいなー!
b0050067_2246586.jpg

 じきに、左方カンテ組も上がってきた!お疲れ様でした!
b0050067_7244093.jpg

 天気がいつまで持つのかわからないので、下降はロープを共有することに。支点をセットし、落石を起こさないよう、ロープを腕に掲げながら懸垂。結局、おのちんらは4P目終了点から下降することに。50mロープで一気に1P目終了点まで降りることができた。
b0050067_7264327.jpg

 終了点から3ピッチで下降、ロープを回収して下山に入る。念願のルートを登って、満足げなおじMAX!
b0050067_7271116.jpg

 テント場まで戻り、テントを回収して下山。登山道から錫杖を振り返る。
b0050067_728538.jpg

 下山して、ありきたりではあるが、平湯温泉「ひらゆの森」(http://www.hirayunomori.co.jp/)で汗だの虫よけスプレーだのを落とす。同時に、かなりの降雨に見舞われた。ナイスタイミングだったなぁ。食堂でご飯を食べていくことに。お父さんがノンアルコールビールを振舞ってくださり、みんなで合宿の成功を祝って乾杯!ごちそうさまでした!
b0050067_7323072.jpg

 ほんと、お父さんが見守ってくれるだけで、ものすごく安心できる。まだまだ、これからもご一緒させてください!素敵な時間と場を与えてくれた錫杖の神様、適度な気温を与えてくれた天気の神様、そして共に汗を流した仲間たちに心から感謝!合宿を企画してくれたおのちん&おじMAX、オブザーバーのsono、また錫杖に来る機会を与えてくれてありがと!修行を積んで、またトライしたいね!
[PR]
by kanechins | 2014-08-03 22:50 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

錫杖岳合宿 day1(1ルンゼ・Little Wing)

 2014年 8月 2日(土)
 この週末は、所属山岳会の仲間と北アルプスは錫杖岳・前衛壁で合宿!前夜23:00頃に新穂高温泉に到着し、軽く前夜祭。翌朝は04:00に起床し、ワタシとおのちんは04:40に先発。錫杖に入るのはすんごく久しぶり。久しぶりの重いザックは、最初の急登をより急なものに感じさせてくれる。
b0050067_034243.jpg

 渡渉して道が緩やかになってくると、じきにどどーんと聳(そび)える錫杖岳・前衛壁が目に飛び込んできた。初・錫杖のおのちんは嬉しそうだ。
b0050067_03579.jpg

 06:05、錫杖沢出合のテント場に到着。まだ誰も幕営していなくて、快適そうなサイトを確保できた。テントを設営していると、じきに後発隊も到着。08:00、クリヤの岩小屋から行ってみることにするが、すぐに深い藪に覆われ、不意に藪漕ぎを迫られた。なんとかかんとか前衛壁の取り付きに辿りつくと、そこは3ルンゼ取り付き。周りに目をやると、焼岳が鎮座していた。
b0050067_05660.jpg

 基部沿いに歩けるかと思えばそうでもなく、しばらく右往左往しながらトラバース。08:40、少し迷いながらも1ルンゼに到着。徐(おもむろ)に準備を始めていると、関西から来られた4人パーティも上がってきたので、ルートを譲る。ルートはクリーンナップされ、ノーピンで上がっていく。
b0050067_073110.jpg

 ワタシ-sonoでダブルロープでアンザイレンし、先行ペアのフォローが登り始めたところで、1P目(5.8、25m)はワタシがトップで登攀開始(09:40頃)。

 「Little Wing」(9P、5.10c/NP)はフェイスを直上し、右側のルンゼに上がる。右側のカンテを左から回り込むと、コーナーにフィストよりも広いサイズのクラックが走っていた。って、「おっきいカム、持ってきてないし!」。びっくりしたのか、写真を撮り忘れた、笑。しけしけのクラックに加え、そこからのマントルがちょっとしびれた。終了点にハンガー2本有り。

 写真は、1ルンゼをリードするおのちん。
b0050067_09173.jpg

 2P目(5.7、25m)はsono。草が生えたコーナークラック沿いに上がると、1ルンゼの1P目(昔の2P目らしい)終了点に合流。
b0050067_094790.jpg

 3P目(5.5、45m)はワタシ。出だしのルンゼはノーピンなのでシビれた。一段、滝を上がると、1ルンゼのV字壁が眼前に迫ってきた。なかなかの迫力。
b0050067_0125518.jpg

 1ルンゼルートは途中から左のルンゼに入るが、「Little Wing」はそのままV字壁の基部までロープを伸ばすらしい。あまりクラックが発達していなくて、ピッチを切る場所に悩む。結局、50m一杯+αを伸ばしてピッチを切った。写真は、1ルンゼルートを辿る先行パーティ。
b0050067_0135585.jpg

 2P目をフォローするsono。
b0050067_0141223.jpg

 4P目(5.6、25m)はsono。クラックは水が走るからか草が生い茂げ、ちょっと登り辛い。
b0050067_015160.jpg

 5P目(5.7、30m)はワタシ。徐々に傾斜は増し、かなり壁が立ってきた。見上げると、トポに「濡れたフェース」とあるとおり、濡れたスラブが待ち構えていた。ランナー取りを含め、ルートファインディングを誤るととんでもないことになりそうだ。
b0050067_0193958.jpg

 かなり慎重になりながら登る。半分くらいから振り返ったところ。ノーピンでヌルヌルのスラブを越えるところがシビれた。キライじゃないけれど、笑。
b0050067_0203526.jpg

 どこでピッチを切ってよいかわからず逡巡したが、次のピッチのビレイをしやすそうなテラスまでがんばって登ってみた。
b0050067_0215363.jpg

 6P目(5.9、25m)はsono。出だしの細かいパートから大きなクラックへ。少しカブり気味で、パワーとバランスが求められる、厳し面白いピッチであった、フォローなら。
b0050067_0234890.jpg

 フェイスを乗り越えると、そこで1ルンゼルートと合流。眼前に、本ルートの核心部が見えてきた。
b0050067_025628.jpg

 1ルンゼルートをリードするおのちん。
b0050067_0252389.jpg

 6P目終了点から5mほどトラバースし、取り付きにあるハンガー2本で支点を構築。足元が草で覆われ、おぼつかない。中段までが7P目、後段の右上クラックが核心の8P目だ。
b0050067_0261175.jpg

 1ルンゼルートを見上げる。これだけ登って、まだ上部にこんなスケールの岩が続くんだ。
b0050067_0264745.jpg

 7P目(5.9、15m)はsono。出だしからいきなり悪く、途中もかなり苦労しながら少しずつ高度を上げていく。
b0050067_0262010.jpg

 フォローするも、なかなかに傾斜が強い。終了点の三角テラスへ行くパートがわからない。おまけに、終了点より上に支点が取られていて、登ったはよいが、今度は降りることができず苦戦。一息ついて、1ルンゼパーティを見下ろす。
b0050067_0263059.jpg

 なんとかかんとかカムを回収し、泣きそうになりながら三角テラスへトラバース。ここで15:30。これだけ苦労したピッチが5.9とすると、次の10cはかなり厳しそうなこと、取り付いてしまうとクリーンに撤退することが困難になること、時折ぱらつく雨、ここからの下降ですら5ピッチ必要なので、トータルに考えて継続は難しいと考え、退却することに。ごめんなさい、まだワタシには早すぎました><。

 とりあえず、1ルンゼと交差する地点まで懸垂で降り、みんなと合流。ひとまず、ほっとした。フォローが登り切ったところで、下降開始。
b0050067_02732.jpg

 下降途中から、「Little Wing」(1ルンゼダイレクト)を振り返る。右側がV字壁で、その境のクラックラインを登るのだ。
b0050067_0273576.jpg

 2P目終了点から振り返る。ロープの流れが悪く、先行パーティは回収不能に陥ったらしい。リップを越える際に、ロープの流れを考慮した下降が求められる。
b0050067_027415.jpg

 18:30に取り付きに帰還、お疲れ様でした!荷物をまとめ、行きと違う下降ルートなので、偵察を兼ねて先に降りる旨をトランシーバーで伝え、前衛壁を後にする。比較的歩かれている道を下り、錫杖沢に出たところで少し迷うが、テント場へ戻ることができた。荷を置いて、道案内をするため再び登山道を登り始める。

 じき、周囲は真っ暗に。一人、暗闇の中にいるとほんと怖い。聞こえるはずがない音が聞こえたり、ちらちらと光が見えたりと、道迷い遭難者の気持ちが少しわかった。じきに1ルンゼ隊も下山してきて、道を案内。テント場には20:05に到着、ほんと、お疲れ様でした!

 写真は、翌日に撮影したもの。核心を越えれば、上部の樹林帯までいけるみたいだ。修行を積んで、また来たいな。
b0050067_5263681.jpg

 それぞれ夕食を摂り、持参したお酒で祝杯と明日の好天を祈念して盃を酌み交わす。前日の寝不足と登攀疲れが重なり、22時にはそれぞれ寝袋の中に入っていった。 (つづく)
[PR]
by kanechins | 2014-08-02 22:03 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)


【 Facebook、Twitter、mixi からご訪問の方】  最新の投稿を見るには、タイトル「旅鳥の独り言」をクリックしてみてください。


by kanechins

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

最新のコメント

クラさん、ご訪問&コメン..
by kanechins at 12:47
 自分も12月に遠山郷へ..
by クラ at 23:37
 T様、御訪問&コメント..
by kanechins at 20:35
★Nonさん  初めて..
by kanechins at 00:40

カテゴリ

全体
「日常」の独り言
「山」の独り言
「岩」の独り言
「アルパイン」の独り言
「滑り」の独り言
「人工壁」の独り言
「沢」の独り事
「料理」の独り言
「旅」の独り言
「走り」の独り言
「氷」の独り言
「潜り」の独り言
「映画」の独り言
「本」の独り言
「音楽」の独り言
「釣り」の独り言
「農業」の独り言
未分類

ブログパーツ

登山について

クライミング、沢に限らず「登山」は体力、技術、経験、ルート状況、気象条件、装備などによりリスクを伴う活動です。本ブログに起因するいかなる事象についても責任は負いかねます。皆様の安全登山をお祈りします!
 ★ 記事下部にある「comments」をクリックするとコメントできます!

以前の記事

2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
more...

記事ランキング

フォロー中のブログ

iron日記
おなかがすいたら登れない(旧)
デブまっしぐら!ツッキー編

ファン

ブログジャンル

アウトドア
登山

画像一覧