雪上訓練 on 八ヶ岳 (2日目)
2007年 12月 16日
A班、アタック開始!我々も準備を整えて出発!
地蔵尾根もサラサラの新雪。途中の岩場直登ルートを行くが、岩の上はすぐサラサラ雪でアイゼンは雪を全く噛まず、ミックス感覚で登る。
練習も兼ねてロープを出し、後続のA班をビレイ。
その上部、トラバース部に差し掛かる。滑落が許されないポイントだ。
FIXロープの設置とプルージックによる通過の練習にはもってこいの場所であった。
高度を稼ぐに連れ、風は強く、トレースは跡形も無く消されていく。時折ホワイトアウトとなり、尾根と谷の区別がつかなくなるときも。
深いところで膝下くらいのラッセル。尾根を外さないように慎重にトップを行く。そして、不意に稜線に飛び出た!Ichiroと師匠。稜線上は、体を持っていかれそうになるほどの極寒の強風が吹き荒れていた。うーん、訓練らしくって、いいなぁ。
休業中である展望荘の裏に回り込むものの、あまりの強風で寒さを凌げる場所がない。各自で行動食を摂り、早々に出発!ここから山頂までは風が吹き荒れる中の登り。あまりの寒さにゴーグルを装着するも、ものの数分で内側は凍りつき役立たずに!?
トレースもほとんど無く、西側の絶壁に入り込まないよう注意しながら主峰・赤岳の山頂を目指す。目を開けられないほどの吹雪の中、小屋が見えた!山頂だ!写真は筆者。(photo by Brian)
温度計はマイナス10℃を振り切り、どれほど寒いのかわからない。まつげだけでなく、体温があるはずの「まぶた」の水滴まで凍る寒さだ。寒いというより、痛い!?「マイナス10℃でもOK」がウリの自慢のカメラも、この寒さでは全く動作しなかった。。。左から師匠、筆者、ぶらいあん。(photo by Brian)
早々に山頂を後にする。そこに独りの登山者が。文三郎尾根を登ってきたが、下り始めたら来た道がわからなくなって引き返してきたとか。視界はきかず、トレースは瞬く間に消える状態。確かに悪いなぁ。慣れた道ではあるが、夏道とは様子がガラリと変わり全く別のルートを歩いているかのようだ。
トラバースに入り、文三郎の分岐が見えた。ここまで下ると、風が弱まるせいか暖かくすら感じた。写真は主稜へ向かうポイントで。また近いうちに来るに。
尻セードを交えながら、文三郎尾根を一気に下る。じきに行者小屋が見えた。ここまで下ると風はほとんど皆無で、冗談抜きで暑いくらいに感じた!?それでも、小屋の温度計はマイナスス13℃を示していた。
N嬢と一緒に。お疲れ様~。
中山峠を越え、赤岳鉱泉まで戻ってきた。ぼちぼち荷をまとめ、テントを撤収~!
すると!急にガスが流れ去り、青空がっ!!やっと高気圧が乗ってきたようだ。遅いよぉ~!?
巨大なクリスマスツリー。
日が射すと、ほんわか暖かい。テントを乾かすチャンス!
去年、師匠たちと登った「大同心」が、突如現れた!なんたら、神々しい。
さっきまでの荒天がウソみたいだ。(photo by Brian)
さぁ、残念だけど、下ろう~。
橋の上で。(photo by Brian)
天気は一気に好転。それでも、最後に白銀の峰々を眺望できてよかった~。(photo by Brian)
駐車場まで戻ってきた。下でも雪が舞った様だ。インプ君も寒かっただろうに。。。
硫黄に入っていたアンブレラ師匠、K下さんとも無事に合流!阿弥陀岳をバックに。
八ヶ岳温泉「もみの湯」(500円)で冷えた体を温める。天気はイマイチであったが、久しぶりに八ヶ岳の寒風に当たることで余裕が少しは生まれたかな?
今回の訓練で2名が軽い凍傷を受けてしまった。すぐに快復されることを祈っている。晴れて風が無ければ陽気な冬の八ヶ岳も、ひとたび天候が悪化すればいかに厳しいかを再確認できた、内容ある訓練となった。
さぁ、これからシーズンイン!自分もそうだけど、みなさまの安全登山&交通安全をお祈りします。