三ツ峠
2007年 11月 18日
登山口の駐車場は、すでに満車。08:30、登山開始。
09:20、三ツ峠山荘着。キター!富士さんだっ!!広いすそ野に支えられた富士は、やっぱりかっちょいい!
左を見れば、三ツ峠の岩場が鎮座。で、デカい、予想よりも。。。それよりも、岩場の基部にものすごい人だかりが!?やば、出遅れたか!?
山荘から南側に10分ほど下ると、岩場の基部に降り立てる(09:30)。が、なぜかわからないが、手前側の岩場には人の気配がない。どのみち「中央カンテ」は行列ができているだろうから、空いている場所から登り始めることに。
雲一つ無い青空。日差しは暖かいが、標高が1,800m弱あり朝夕の冷え込みは相当なのか、つららが随所に見られる。日差しで暖められたせいか、頻繁に小石や氷が落ちてくる。
とりあえず、やさしそ~な名前の「亀ルート(4P、Ⅳ+、80m、★★★)」を登ることに。「ハーケンとかやたらと打ってあるよ~」と聞いていたので、カムは適当に5~6本、ナッツ一式、50mダブルロープで登攀開始!
1P目(トポでは0P目、以下カッコ書きはトポのピッチ)、師匠リード。階段状の場所を弱点をついて登る。
迫力ある巨岩をバックに、スケールを感じる登り。
1P(0P)目の終了点にて。
2P(1P、Ⅳ+)目は著者がリード。出だしから垂直のフェース。リングボルトはサビサビな上、びょ~んと楕円形に伸びきっている。まじ??結構シビレるピッチであった。。。写真は終了点から。
3P(2P、Ⅳ+)目は師匠リード。トラバース気味にバンドを登るが、支点が少ない上に腐っており、緊張感が絶えない。
まだ半分も登っていないのに、人がもうあんなにちっちゃく見える。すごい高度感だ。
バンド後のカンテを登る師匠。
終了点にて。支点は古く、シュリンゲも腐ったようなものが2本かかっているだけ!?わずか20cmほどの狭いバンドなので、高度感もすごい。。。
支点が崩壊すれば3人とも墜落する不安があったので、カムでバックアップ。
トポ上の3P目は八寸トラバースのはずだが、ルートが読めない。横トラバースは支点が皆無で厳しそうなので、弱点を目指して登ることに。4P目はKentaroがリード。斜めトラバース気味に上を目指して登っていく。すると、大きなテラスの右端に出た。
「さぁ、ここからどうするか??」「支点が見あたらないぞ??」。恐らく、ココを直上すると「鶴ルート(Ⅳ+)」のはず。弱点をつけばなんとか登れそうだったので、5P目(4P、Ⅳ+?)は著者がリード。一見、カンタンそうであったが、取り付くとかなり岩が立っており、アンカー(支点)もほとんどない(冷汗)。。。
カムを積極的に使ってグイグイ登る。ランナウトしてさぁマントリングという場面で突っ込むと、ホールド・ゼロな上に、テラスはザレザレ状態!?もはや降りるに降りられず、一か八かで突っ込む。その一手が、私にとっては核心となった。
進路が完全にわからなくなったこと、いずれのルートを選択するにしても大きく屈曲すること、カムが残り少なくなったことから、10数mでピッチを切る。ビレー用のアンカー無し。クラックからしかアンカーが取れない。カム2つにナッツでアンカーを取る。
写真は5P目の終了点から。ナチュプロだけでこんなとこにいるのが極めて居心地が悪いのは、まだ慣れていないせいか??
6P目(Ⅴ?)。師匠リード。チョックストーンでランニングを取り、カブッたところを乗り越える。写真はフォローするKentaro。
なんとか緩傾斜帯に入っって「ホッ」と一息。が、ザレザレの岩場であり、足跡もない。どうやら、ココはあまり人が登っていないようだ(って、ルートを誤ったから?)。コンティニュアスでザレ場を登っていくが、思えばここで誰かが滑落すれば、下は100m以上の絶壁。。。
なんとか尾根まで登ると、三ツ峠山頂(13:50)はすぐであった。岩場は80mと記されているが、ピッチ終了点から山頂までも同じくらいの高さがあるので、150m以上の登攀になった??
一般道を下って富士見山荘へ。そこでびっくり、諏訪のT橋さんをはじめ、青年小屋のT内さんら大きなグループとばったり!しばしお話をして、基部を目指して下っていく。途中、登ってきた岩壁を見上げる。こんなとこ登ったんだなぁ。。
14:20、基部まで無事に降り着いて、登った壁を見上げる。これだけでもスケールが大きいが、見えている部分は、まだ山頂までの半分ほど。。。
結局、ほぼ4時間かけての登攀となった。時間も時間なので、基部散策&ボルダーで遊んで帰路につく。写真は15:50、三ツ峠山荘からの富士。幸運にも一日中、好天に恵まれた。
登ってきた壁を振り返る。赤い点線が我々が登ったライン。結局、正解ラインはわからなかった。
16:30、登山口着。ここはトイレ、水場が完備されているが、車上荒らしに注意とのこと。
帰り道、御坂峠からの富士さん。
一日を通じて快晴に恵まれ、岩が冷たい風を遮ってくれたおかげでポカポカ陽気の本チャン(と言っていいでしょう!?)登攀となった。誰もルートを知らなかったので、冒険心と緊張感が溢れる楽しい登攀となった。楽しい時間を共有させてくれた二人に感謝!!