南アルプス(3日目 甲斐駒ケ岳 2連敗)
2007年 02月 12日
朝食はスペシャル雑炊。何がスペシャルかというと、ミズナにネギにカニに卵にと具が贅沢であったこと。
早々に荷物をまとめ、まずは双児山への急な登り。ヘッドランプに照らされるトレースを頼りに喘ぎあえぎ登る。体調がすぐれないメンバーにあわせ、ゆっくり歩みを進める。予定よりかなり遅れて双児山(2,649m)に到着。
写真の尖峰は去年の秋に登ったバットレスを擁す日本第2位の高峰「北岳」。すぐ右側は間ノ岳、さらに右側の丸いのがGWに敗退した塩見岳。
写真は宇宙色の青空をバックにInoue氏と筆者。
稜線を進み、駒津峰の登りに入る。硬くクラストしている部分を探しながら、少しでも体力を温存を図る。
駒津峰の斜面を登るInoue夫妻。奥が昨日敗退した仙丈ヶ岳と双児山。
写真は六万石から見上げる甲斐駒ケ岳・直登ルート。ちょうど下山してくるパーティーがいる。
この段階で私はヘロヘロ状態。振り返れば、巨大な駒津峰が聳えている。
ここを登り返して北沢峠にもどり、テントを担いで戸台まで下山!?時間はおしているし、途中でMさんを待たせているし、気持ち的にすっかり萎えてしまった。。。
それでも気持ちを新たにして直登ルートに入る。が、最初の関門である50cmくらいのチムニー状ですっかり腰が引けてしまった。高度感にのまれ、登れても下りれる気がしなかったので、自分はここで引き返す決断をする。2人に「Good Luck!」と声を掛け、慎重に六万石まで下りる。急峻な尾根を登る二人をしばし見守った後、こんなところでバテている場合でもないと引き返し始める。
写真は駒津峰への急な登り返し。片足を上げては深呼吸。わずか6、70mの登りなのに、えらい苦労した。
鞍部から見返る仙丈ヶ岳と双児山。双児山の上にMさんの姿を認め、色々な意味でほっとした。
双児山頂でMさんと合流。写真は甲斐駒ケ岳と駒津峰、そこを登り返してくる4人パーティー。
少し東側に下ると風を凌ぐことができ、360度の展望を満喫。思えば、こんなにゆっくり風景を見回すことなんてないなぁ。テルモス(魔法瓶)の紅茶を啜りながら、白銀に染まる南アルプスの峰々を眺め回した。
2人が無事に駒津峰まで戻ってくるのを目視で確認し、先にMさんと下山を開始。気温も上がり雪が腐り始めて歩きづらい。北沢峠に到着するころには、わずか1分ほどの差で2人も下りてきた!?なんちゅうpowerだ!しっかり登頂を果たしてきたとのこと、やったね!!
大急ぎでテントを撤収し、戸台を目指して歩き始める。ひたすら下る、下る。登りに6時間半かかった登山道を3時間半で下り、なんとか明るいうちに戸台の駐車場に戻ることができた。
振り返ると、ブルーバックに映える甲斐駒ケ岳、駒津峰、双児山が「またおいなんよ」と声をかけてくれているようだった。
仙流荘の温泉(500円)で3日間の汗を流す。ミックス・岩場のアイゼン歩行技術と十分な体力を備え、またいつの日か必ず再訪したい!!!
3日間を共にしてくれたみんな、素敵な週末をありがとう!!
【今回勉強になったこと】
(1)無洗米は山では美味しく使えるし、これで作った雑炊は糠臭くなくて美味い!
(2)ハヤシライスに「レモン汁」は実にあうし、疲れた体も癒してくれる(気がする)。
(3)お茶フィルターを使うだけで、溶かした雪がめっちゃキレイになる。
【自分の反省点】
(1)広い稜線を歩くときには赤布は必須。たまたまホワイトアウトにならなかっただけかもしれない。
(2)下界に雪がないからといって、山に雪がないと思ってはいけない。輪かんじきは常に必携。
(3)ペースが遅い人をセカンドに持ってこないと、パーティーの間隔がバラバラになってしまう。天気が穏やかであれば全体を見ることもできるが、天候不順で立ち止まっていると体温を奪われてしまう状況や体力がギリギリのときは自分のことだけで必死になってしまう。パーティーがばらけた状態でホワイトアウトになったらどうなるのか。
(4)携帯電話がほとんど圏外。基本的にパーティーは分割してはいけないが、そうせざるを得ない場合もある。小さいトランシーバーが欲しいところだ。もし3日目に2人か、Mさんか、私がひっそり行方不明になったとしたら、連絡手段がなかった。
(5)それでもやっぱり、できるだけ夏に下見&マーキング設置する余裕が欲しいし、それが冬山登山の「本スジ」か。なかなかできないけど。人のマーキング、トレースに頼ってばかりだと、ノートレースになった場合、道に迷った場合に対応できるのか。