「李・藝(アート・リー)」の和太鼓コンサート
2006年 06月 24日
しかし、当日券は順番待ち。「ぶらいあん」と落ち合い、なんとかチケットを手に入れた。中に入ってびっくり、空席無しの200人を越える熱気で溢れていた。
勉強不足であったが、この「アート・リー」というアメリカ人はただものではないみたいだ。
1993年に和太鼓をはじめ、翌94年には来日し名門「鬼太鼓座(おんでこざ)」に入団。98年に長野に移住しソロ活動を開始。
2001年、日本政府から和太鼓アーティストとして初の「芸術ビザ」を取得。05年には世界で最も権威がある和太鼓イベント「東京国際和太鼓コンテスト」大太鼓部門で「最優秀賞」を受賞。外国人としては初の快挙とのこと。
腹にずしんと響く太鼓の音は大好きで、何度かコンサートにも行ったことがある。鹿児島時代には地元の太鼓軍団で2ヶ月ほどだがバチを握ったこともある。
今回はソロもしくはペアがメインのコンサートなのでどうかと思っていたが、かえって集中できたためか迫力に圧倒された。
途中、1週間のプログラムで外国人を対象にした合宿メンバーの発表ということで、12,3人の外国人が狭いステージにひしめき合い、太鼓を叩くシーンがあった。いやはや、もはや和太鼓は世界のものだなぁ、と感じた。
躍動的な音楽に触れながら、頭の中では別のことを考えていた。
自分って何でもかんでもやりたがるために「広く浅く」になってしまってばかりで、深く突き詰めているものがないなぁ、と。平凡な中にも、自分を形作るものはなにかなぁ、という考えが和太鼓のリズムとともに脳裏を飛んで回った。
そんなとき、彼が作曲した曲「existension」の説明が始まった。「そんな単語あったかなぁ」と思っていたら、これは「exist(存在する)」+「extension(拡張する)」という彼の造語らしい。なんだか、自分のもやもやとした考えを吹き飛ばされた感じがした。その意識があれば良いと。
始終、にこやかな笑顔で笑いを誘う彼のトークには観客もすっかり引き込まれ、和太鼓軍団特有の固い緊張した雰囲気が全くなく、それがかえって新鮮で存分に楽しめた。
コピーにあった「もっとも古く、とっても新しい和太鼓の世界」、うーん。なんだか今回は外国人を通して色々と考えされられたなぁ。