体内にトゲ(煮干し)が残ったら。
2017年 02月 04日
少し前の話。仕事初めを控えた1月3日。普段通りに煮干しで出汁(だし)取り。
煮干しの頭を取り、ワタを取り除くため背開きにしようと、親指で「煮干しの背中」をぐっと押した瞬間。
イテっ、指先に激痛が!血の滴(しずく)が浮かんでいた。
傷はほとんど目立たず、すぐに治るかと思っていた。
が、何か物が触れる度に、電気が走るような痛みが残る。
「指先は神経が集まっているからかな」とも思ったが、数日経って傷が塞がっても痛みが取れる気配がない。
まだ指先にトゲが残っている可能性が高い。相棒に「やばい、心臓までトゲが移動して死んじゃうかも」と訴えると、「そんなのあり得ない」と一蹴。確かに、指先に密集する毛細血管内をトゲが移動するとは思えない。これって、迷信?しかし、ぱっと見でわからないちっちゃな傷の割に、痛いのだ。
普段、存在を気にも留めない「親指」。しかし、コンタクトの洗浄から扉の開け閉め、ガスの点火。玄関の鍵を閉めるのも、車のエンジンをかけるのにも、「親指」って思っていた以上に使う。
職場に着いても、ペンでの筆記にピンセット操作、顕微鏡のダイヤル、プレパラートを持つにも、マウス操作にも「親指」に電気が走る。クライミングに行けばピンチは勿論、カチ持ちするにも「親指」って大事なんだなぁ。
つい存在を忘れがちな「親指」だが、こんなにも大切な存在とは。しかし、「親指」とは良く名付けたものだ。
いよいよ困ってしまい、ネットで検索。
すると、あるある!五円玉の穴を押し当てる、針でほじくりだす、梅肉を塗る、ハチミツを塗る、ネギの汁を塗ってラップを巻くとか、実に多様。
不意にヤフーで「トゲ 煮干し」と検索してみたら、な、なんと世の中には煮干しが指に刺さった人がたくさん!ワタシだけではなかったのだ!
しかし、傷が塞がった今、流血覚悟で針でほじる勇気もないし、お医者に行っても「なんで、すぐに来ないの?」と怒られた上に、メスで切開されるのも怖い。
結局、トゲが指先に残ったまま放置。
一体、体内に残ったトゲはどうなるのであろう??
受傷から10日すると、傷の周囲が硬く盛り上がってきた。
受傷から2週間すると、直径2mmほどの範囲で色が黒紫色に変わった。
受傷から19日後。味噌汁を作るべくネギを切ろうと包丁を強く握った瞬間、激痛が指先に!!
見ると、血の滴が再び浮き上がっていたので、思いっ切り指先をしごいてみた。すると、キラッと輝く針状のものが一緒に飛び出てきた!?
こんな大きなトゲ(煮干し)が指先に残っていたんだ。思わず定規で計ったら、4mmもあった。そりゃぁ、物に触れれば痛いワケだ。
これで終わりかと思ったら、どうもトゲ周辺の組織は死んでしまっているようで、壊死した部分が取れ、真皮まで陥没状態。
受傷24日後。陥没した部分に肉が盛り上がってきた。
受傷1か月後。ほぼ元通り。
体内に残った異物は排出され、元通りに。すごいな、この機能!
ごめんなさい。今まで、出汁を取った後は煮干しを捨ててた。きっと、罰が当たったのかな。
以来、煮干しの頭とワタ取りは包丁を使い、出汁を取った後の煮干しは捨てずに食べるようになった。出しガラなのでマズいかと思っていたが、柔らかくなる上、ほんのり塩味がして意外に美味しいことを知った。煮干しよ、今日もありがとう。
注)本日記は、煮干しが指に刺さって放置した結果であり、雑菌が入ったなど化膿しているような場合は、速やかに外科的処置などを受けるべきで、放置をお勧めするものではございません。