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by kanechin
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アバランチナイト。

 2014年12月12日(金)
 月曜から水曜日までの東京出張を終え、帰宅。なんか水曜の午後から「だるいなぁ」と思っていたが、「全ての会議が無事に終わったから、ホッとして疲れが出たのだろう」とあまり気にしなかった。が、部屋に戻るとものすごい寒気が。体温を測ると37.5℃ある。やばい。熱めのお風呂に入り、毛布に包まる。

 22時。あまりの寒気に、もう一度体温を測ると、なんと39.2℃!ま、まさか、インフル!?そうなると、解熱剤を飲むのも危険と思い、あちこち痛くて眠れない辛い夜をガマンして耐える。さすがに、木曜日はお休みを頂き、朝イチでお医者へ。あの痛いインフル検査をすると、まだ発熱から十分な時間が経っていないことが気になるが、インフルは陰性。漢方薬と鎮痛解熱薬を2日分だけもらい、大人しく寝る。半日、仕事を休んで看病してくれた相棒に多謝。

 金曜日。体温、36.2℃。あれま、一体何だったのだろう。ともかく、仕事に行けるのは助かる!早めに職場へ行き、丸1日の遅れを取り戻すべく(物理的にムリだが)、いつも以上に集中。そう、今夜は「アバランチナイト」があるのだ。

 17:15。ただでさえ追いついていない仕事が片付くはずもなく、ここで「アバランチナイトに行く=明日も出勤」が確定、ちーん。諦めて、小雪が舞う、長野市内を目指す。会場であるToigoに車で行くのは始めて。混雑する時間帯なのに、駐車場の入り口を見落とし、ぐるりもう1周、10分ほどのロス。早めに来てよかった。

 受付を済まし、会場へ。わ、若い人ばかり!随分とバックカントリーにスプリットボードが増えたから、これも自然か。参加費が無料ということもあって、とにかく人気ですぐに予約が一杯になってしまう。今年は早めに予約し、数年ぶりに参加できた。
アバランチナイト。_b0050067_2255551.jpg

 「アバランチナイト」は、先般、雪崩災害防止功労者として国土交通省から表彰された「日本雪崩ネットワーク」が主催する「雪崩についてのセミナー」。2時間という限られた時間なので、講習会と言うよりは「復習」や「気付き」の場といった感じ。何より参考になるのは、最近の雪崩事故の概況が詳しく聞けること。悲しくも、昨年に雪崩で亡くなった知り合いテレマーカーの事故の詳細も聞くことができた。パンフレットの巨大な雪崩の写真は、昨年11月に真砂岳で発生し、7名がお亡くなりになった事故当時のもの。お、恐ろしい。
アバランチナイト。_b0050067_2323071.jpg

 まず「積雪の不安定性」の察知。登る前に、そして登りながら情報を得る。地形や風、積雪状況を読み、「シューティング・クラック」や「ワッフ音」などの兆候を見逃さない。24時間以内の大量降雪や降雨は危険(晴天は積雪の安定を保証しない)、顕著な高温や急激な気温上昇、持続型弱層の推定(過去の気温や降雪推移などの調査)など、アンテナを広くし、そもそも危険な時・場所に入らないこと。

 そして、「安全な行動」。安全なルートの選択、間隔を空けての移動(真砂事故は、不幸にも休憩直後で間があまり空いていなかったらしい)、安全地帯から安全地帯へ移動(常に仲間を注視)、止まるときは安全地帯で(雪崩の走路と気付かず休憩して巻き込まれることも)、滑るときは一人ずつ、「地形の罠」の察知、コンプレッションテストは穴を掘る場所が重要など。

 もし「雪崩に遭遇したら」。瞬間に叫ぶ、動くスラブの中心から少しでも外へ逃げる、表層に留まれるよう努力する、テレマークやボードは板が外れずアンカーになるので特にリスクを避ける、やばいときはストックがすぐに離れるよう紐から手を外して滑る、エアポケットを確保する、埋まったら仲間を信じて静かに待つ。

 実際に起こった事故を振り返ると、「なんで?」という時や場所で起こっていることが少なくないとのこと。これは、わからないでもないなぁ。いざ、その場に入ってしまうと、わからない、気付かないものなのよね。だからこそ、より意識して注意していかないと。

 雪崩の基本事項の復習や、雪崩事故の恐ろしさを再認識できた。土曜日出勤してでも、参加する価値が十二分にあった素晴らしい内容であった。スタッフのみまさまも含め、ありがとうございました。皆様の安全登山を祈念し、自分も十分に注意して、今シーズンも楽しみたいと思います。
by kanechins | 2014-12-12 22:41 | 「日常」の独り言