錫杖岳合宿 day1(1ルンゼ・Little Wing)

 2014年 8月 2日(土)
 この週末は、所属山岳会の仲間と北アルプスは錫杖岳・前衛壁で合宿!前夜23:00頃に新穂高温泉に到着し、軽く前夜祭。翌朝は04:00に起床し、ワタシとおのちんは04:40に先発。錫杖に入るのはすんごく久しぶり。久しぶりの重いザックは、最初の急登をより急なものに感じさせてくれる。
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 渡渉して道が緩やかになってくると、じきにどどーんと聳(そび)える錫杖岳・前衛壁が目に飛び込んできた。初・錫杖のおのちんは嬉しそうだ。
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 06:05、錫杖沢出合のテント場に到着。まだ誰も幕営していなくて、快適そうなサイトを確保できた。テントを設営していると、じきに後発隊も到着。08:00、クリヤの岩小屋から行ってみることにするが、すぐに深い藪に覆われ、不意に藪漕ぎを迫られた。なんとかかんとか前衛壁の取り付きに辿りつくと、そこは3ルンゼ取り付き。周りに目をやると、焼岳が鎮座していた。
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 基部沿いに歩けるかと思えばそうでもなく、しばらく右往左往しながらトラバース。08:40、少し迷いながらも1ルンゼに到着。徐(おもむろ)に準備を始めていると、関西から来られた4人パーティも上がってきたので、ルートを譲る。ルートはクリーンナップされ、ノーピンで上がっていく。
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 ワタシ-sonoでダブルロープでアンザイレンし、先行ペアのフォローが登り始めたところで、1P目(5.8、25m)はワタシがトップで登攀開始(09:40頃)。

 「Little Wing」(9P、5.10c/NP)はフェイスを直上し、右側のルンゼに上がる。右側のカンテを左から回り込むと、コーナーにフィストよりも広いサイズのクラックが走っていた。って、「おっきいカム、持ってきてないし!」。びっくりしたのか、写真を撮り忘れた、笑。しけしけのクラックに加え、そこからのマントルがちょっとしびれた。終了点にハンガー2本有り。

 写真は、1ルンゼをリードするおのちん。
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 2P目(5.7、25m)はsono。草が生えたコーナークラック沿いに上がると、1ルンゼの1P目(昔の2P目らしい)終了点に合流。
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 3P目(5.5、45m)はワタシ。出だしのルンゼはノーピンなのでシビれた。一段、滝を上がると、1ルンゼのV字壁が眼前に迫ってきた。なかなかの迫力。
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 1ルンゼルートは途中から左のルンゼに入るが、「Little Wing」はそのままV字壁の基部までロープを伸ばすらしい。あまりクラックが発達していなくて、ピッチを切る場所に悩む。結局、50m一杯+αを伸ばしてピッチを切った。写真は、1ルンゼルートを辿る先行パーティ。
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 2P目をフォローするsono。
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 4P目(5.6、25m)はsono。クラックは水が走るからか草が生い茂げ、ちょっと登り辛い。
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 5P目(5.7、30m)はワタシ。徐々に傾斜は増し、かなり壁が立ってきた。見上げると、トポに「濡れたフェース」とあるとおり、濡れたスラブが待ち構えていた。ランナー取りを含め、ルートファインディングを誤るととんでもないことになりそうだ。
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 かなり慎重になりながら登る。半分くらいから振り返ったところ。ノーピンでヌルヌルのスラブを越えるところがシビれた。キライじゃないけれど、笑。
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 どこでピッチを切ってよいかわからず逡巡したが、次のピッチのビレイをしやすそうなテラスまでがんばって登ってみた。
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 6P目(5.9、25m)はsono。出だしの細かいパートから大きなクラックへ。少しカブり気味で、パワーとバランスが求められる、厳し面白いピッチであった、フォローなら。
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 フェイスを乗り越えると、そこで1ルンゼルートと合流。眼前に、本ルートの核心部が見えてきた。
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 1ルンゼルートをリードするおのちん。
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 6P目終了点から5mほどトラバースし、取り付きにあるハンガー2本で支点を構築。足元が草で覆われ、おぼつかない。中段までが7P目、後段の右上クラックが核心の8P目だ。
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 1ルンゼルートを見上げる。これだけ登って、まだ上部にこんなスケールの岩が続くんだ。
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 7P目(5.9、15m)はsono。出だしからいきなり悪く、途中もかなり苦労しながら少しずつ高度を上げていく。
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 フォローするも、なかなかに傾斜が強い。終了点の三角テラスへ行くパートがわからない。おまけに、終了点より上に支点が取られていて、登ったはよいが、今度は降りることができず苦戦。一息ついて、1ルンゼパーティを見下ろす。
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 なんとかかんとかカムを回収し、泣きそうになりながら三角テラスへトラバース。ここで15:30。これだけ苦労したピッチが5.9とすると、次の10cはかなり厳しそうなこと、取り付いてしまうとクリーンに撤退することが困難になること、時折ぱらつく雨、ここからの下降ですら5ピッチ必要なので、トータルに考えて継続は難しいと考え、退却することに。ごめんなさい、まだワタシには早すぎました><。

 とりあえず、1ルンゼと交差する地点まで懸垂で降り、みんなと合流。ひとまず、ほっとした。フォローが登り切ったところで、下降開始。
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 下降途中から、「Little Wing」(1ルンゼダイレクト)を振り返る。右側がV字壁で、その境のクラックラインを登るのだ。
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 2P目終了点から振り返る。ロープの流れが悪く、先行パーティは回収不能に陥ったらしい。リップを越える際に、ロープの流れを考慮した下降が求められる。
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 18:30に取り付きに帰還、お疲れ様でした!荷物をまとめ、行きと違う下降ルートなので、偵察を兼ねて先に降りる旨をトランシーバーで伝え、前衛壁を後にする。比較的歩かれている道を下り、錫杖沢に出たところで少し迷うが、テント場へ戻ることができた。荷を置いて、道案内をするため再び登山道を登り始める。

 じき、周囲は真っ暗に。一人、暗闇の中にいるとほんと怖い。聞こえるはずがない音が聞こえたり、ちらちらと光が見えたりと、道迷い遭難者の気持ちが少しわかった。じきに1ルンゼ隊も下山してきて、道を案内。テント場には20:05に到着、ほんと、お疲れ様でした!

 写真は、翌日に撮影したもの。核心を越えれば、上部の樹林帯までいけるみたいだ。修行を積んで、また来たいな。
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 それぞれ夕食を摂り、持参したお酒で祝杯と明日の好天を祈念して盃を酌み交わす。前日の寝不足と登攀疲れが重なり、22時にはそれぞれ寝袋の中に入っていった。 (つづく)
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by kanechins | 2014-08-02 22:03 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)


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