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by kanechin
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北ア縦走 day2(唐松岳~不帰ノ嶮~鑓温泉~猿倉)

 2013年 8月18日(日)
 03:30、起床。昨晩はテントを叩く風音で何度か目覚めたものの、いつになくぐっすり眠ることができた。湯を沸かすためにテントから頭を出すと、周囲は夜露でびったびたに濡れている。周りの幾つかのテントは明かりが灯っている、新しい朝の始まりだ。

 テントを撤収し、04:30に出発。山荘で朝のお勤めを済ませる。少しずつ空が白んで来たが、この湿度ではガスは仕方ないな。
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 04:45に山荘を出発。ヘッドライトもじきに要らなくなり、05:00に再び唐松岳山頂。御来光を待つ登山者。まだ日の出まで時間がありそうなので、早々に頂きを後にする。
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 風化してザレた花崗岩の道は、梅雨で濡れたおかげで歩きやすい。一下りしたところで、今日のお日様をお出迎えし、帽子を脱いで皆の安全登山を祈念。
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 手前に見えるが不帰嶮、奥が天狗ノ頭。 この道を歩くのは、実に22年振り。今のように装備が軽くない時代で、当時18才だったワタシは14日分の装備や食糧を担いで白馬から南下していた。なんか感慨深いな。
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 夜露に濡れるチングルマの実。
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 この急な登りが終わると、不帰嶮。
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 西側から吹き付ける風は湿っていて冷たく、顔の左半分だけ凍えてくる。不帰嶮を越えると、いよいよ核心。迷いやすい支尾根も少なくはないが、マーキングや鎖が程よく整備されているので、迷うことはないか。
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 東側で風が当たらないところは、猛烈な蒸し暑さ。大きく西にトラバースするところで、今日最初にすれ違う登山者。なんか、縦走ってこういうのもいいな。
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 時折ガスが晴れると、どどどーんと天狗ノ頭が!か、かっちょいいいけど、これからアレを登るのね!
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 岩も鎖もびっちょり濡れていて滑りやすいので慎重に。リッキーがリマークしてくれたマーキングは頼りになる。
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 岩は磨かれているうえに濡れているので、真剣に滑る。集中!
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 最後の最後まで気が抜けない下降が続く。
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 ガスが晴れて、これから向かう天狗ノ頭が見えた。なかなかの迫力に拍手!すれ違う登山者、何人かから「何時に出てきたんですか!?」と聞かれる。どうやら、うちらが唐松方面から来る最初の登山者らしい。
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 07:00、天狗の大下り(登り?)手前の2411点に到着。ここで最初のレスト。下ってきた不帰ノ嶮を眺めながら、パンを頬張る。北西に見事なクラック群が見受けられたが、ギアを担いでここまで上がってくるのが核心だな。
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 ここからは、ざっと300mの登りだ、わくわく。
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 冷房のような風がずっと西から流れてくるので、快適に高度を稼ぐことができる。
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 上の鎖場で、偶然にも逆ルートを辿る銀ちゃんパーティとすれ違う!また、どこかのお山でお会いしましょう!
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 大下りを登ったところで、再び深いガスに巻き込まれる。
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 なんか、コマクサに会うのはすごく久しぶりな気がする。
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 あれあれという間に天狗ノ頭を越え、08:30に天狗山荘着。静かそうな場所だなぁ。
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 なんと、お水は無料!?しかも雪渓の雪解け水なので冷たい!よし、今度はここに幕営して(ワインを冷やして)、逆ルートを辿りたいな。
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 20分ほど大休止して、08:50に天狗山荘を出発。再び稜線に上がり、カール状地形の稜線を巻く。写真は、鑓温泉へ下る登山者。
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 09:15、鑓温泉への分岐。さぁ、楽しかった稜線漫歩もこれで終わりかぁ、名残惜しいなぁ。そして、ワタシの大嫌いな下りの始まりだ。。。
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 分岐を振り返る。2年ほど前にスノーボードで下ったが、ここのカールはなかなかステキであった。
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 お花畑を縫うように下る。どんどんと面白いように高度が下がる。
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 鑓温泉手前はちょっとした岩場があるが、鎖が良く整備されていて感心。
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 雪渓沿いの登山道を下るが、ザレていて悪い。左上に見えるのが鑓温泉。グリーンシーズンに来るのは初めて!
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 10:30、鑓温泉に到着。「あぁ、これで今回の旅も終わりだなぁ」と思っていたら、とんでもなかった。ここからが今回の核心になるとは露知らず、15分ほどがっつりレスト。さようなら、鑓温泉。ここでも遭対協の方々にお会いできた。お勤め、お疲れ様でした。
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 夏道は積雪期と違い、すぐにトラバースに入る。右側に見える小日向のコルが、とてつもなく遠くに感じる。いや、実際に遠いのだ。
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 途中、幾つか雪渓のトラバースがある。よく踏まれているので、この時間帯であれば軽アイゼンは不要であった。
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 途中、尾根を巻く場所があるが、ココがすごくザレていて悪い。シュルンドが口を開けているので、疲れている足にはなかなかシビれた。実際、ここ周辺で滑落死亡事故が起きているらしい。雪渓で洗われるので、整備しようがないのかな。
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 途中には、こんなヤバそうなトラバースも。お互いに上部を監視しながら、ささっと抜けた。
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 そして、最大の核心は「蒸し暑さ」。そう、ワタシは暑いのが苦手で、一気にパフォーマンスが落ちる。それでもなんとかかんとか、小日向のコルへ。鑓温泉を振り返る。よくまぁ、歩いたものだなぁ。
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 積雪期にはコルのシンボルとなるシラカバ。雪がないと、こ、こんなに高い樹だったのかとびっくり!
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 そして、ここからも長かった、汗。正面に白馬主稜と右側に滑走ルートとして有名な金山沢が見えて癒された。
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 道は続くよ、どこまでも。
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 どこまでも続く、緑のトンネルを下る。雪がないと、こんなに植生が豊かで深いのだね。積雪量の多さにもびっくりである。そして、13:15に猿倉へ到着。久しぶりに登り(下り)応え十分の山行であった。頃良くバスに乗ることができ、八方で車を回収して帰路に着いた。下界のまぁ、暑いこと。
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 今回、あまり考えずに本ルートを採用。もっとカンタンに降りられると思っていたが、休憩時間を抜くとがっつり8時間行動となった。エアリアマップがないので白馬村観光局HPで標準コースタイムを調べたら、なんと12時間35分の行程。そりゃしんどい訳だ。

 GPSによる本日の歩行距離 15.96km、累積登高差 1,054m、累積下降差はなんと2,388m!?本ルートは、どうやら逆に取るのが一般的なようだ、納得。
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 最近はあまり肉に対する欲望がないのだが、今日ばかりはずっと頭の中を「焼き肉」という言葉が駆け巡っていた。なので、がっつり頂きました!
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 最近、ちょっとクライミングに対するモチベーションが下がっている。こんなときは、原点に立ち返って山に入ってみるかな。
by kanechins | 2013-08-18 11:07 | 「山」の独り言