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by kanechin
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民芸ミュージアム「匠の館」 (岐阜県高山市)

 高山からの帰り道。ふと、道端に気になる看板が。それは、「森の水族館」。
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 慌てる旅でもなし、寄ってみることに。深い山中の細い道を辿り到着すると、「併設・森の水族館」と!え?メインじゃないんだ!?
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 わくわくしながら敷地に入っていく。すると、にこやかな同世代の女性に「ご来館ですか?500円かかりますが、よろしいですか?1mのイトウもいますよ!」と。よろしい、よろしい^^。

 この施設、メインは「匠の館」という、飛騨を代表する伝統農家家屋として平成19年に高山市の文化財と指定された古民家を活用した施設らしい。「雨が降りそうなので、先に水族館へどうぞ!」に「え?なぜ?」と思いながらも、ガイドさながらに彼女が案内してくれる。行って納得、水族館の本体はビニールハウスに寒冷紗をかけた構造!す、素敵!(個人的に、ビニールハウスには思い入れがある)。入口には、手製ミストサウナが!水車は発電機につながっており、ジオラマの電源として供給されているらしい。
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 入ってすぐに、ドクターフィッシュがお出迎え。「よく有料体験がありますけれど、ここでは無料です!」と。ほうほう、確かに地元S温泉にもいるけれど、確か300円くらいしたような?手を入れてみる。すると、ちっちゃな魚が飛びついてきて、角質を食べはじめた!?岩で荒れた肌をついばむ彼らは実に愛しく、そしてその感触は微妙な心地よさ。
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 そして、イトウ(サケ目サケ科)とご対面!あれ?イトウって北海道の魚じゃなかったっけ?なんて話は置いておいて、人工飼育で1m級に育てるのは、実に大変らしい。なんと、今は飼い馴らしてドッグフードで育っているとか!?写真は、過去に飼育していてお亡くなりになったメートル級イトウの剥製。迫力あり!
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 地形を活かして水槽を配しており、野趣溢れていてなんか好きかも。山の清水を流し込んでいるので、水温が低いためにガラスが結露するのは自然。ガラス拭き用にタオルが置かれているのも、また自然^^。懐かしの手押しポンプ(小学校にあった)をぷこぷこしたり、マガモのガーコチャンと触れ合ったりと、手造り感溢れる自由な感じが妙に落ち着く。

 そして、本館「匠の館」へ。これがまた、素晴らしい!自分、実は土間が好き。靴を脱いで上がると、一尺角の大黒柱と、四間ものと呼ばれる松の巨木を使った豪快な梁に圧倒される。明治15年(1882)に着工、完成までに12年の歳月を要したとされる、かなり規模の大きな農家である。なにより、涼しい!
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 現役の振り子時計が時を刻む。
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 丸窓から望む庭。飾り細工が素敵。
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 御簾が垂れる一室。こんなところで昼寝が出来たら、至極だな。
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 隠し部屋の如き中二階に、本家屋の設計図やミノなどが展示。
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 2階には、当主の絵画作品が展示されていたり。森からの涼しい風が流れる屋根裏で、貫禄ある油絵を観賞できるのも、贅沢だな。
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 構造物としても実に興味深く、また静かな雰囲気が心地よい。なんでこんなに落ち着くんだろう。
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 ま、真っ黒クロスケが!
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 立派な神棚。山の清水を活用したコーヒーやお茶もサービスで頂ける。あら素敵。
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 富山に隣接するためか、富山の薬売りがそのまま展示。
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 そして、ジオラマ。な、なんと懐かしのNゲージ!自分、実は一時、Nゲージにハマっていたこともあり、このジオラマにはかなーり「ぐっ」ときた。このジオラマ、昭和9年の高山駅開業時を忠実に再現しているらしい。
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 盆踊りや境内のお祭り、中学校など、実に細やかな演出がされていて飽きない。
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 トトロに出てくるこんな電話と黒電話とで、会話できたり。使い方、知らんかったなー。
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 このイラストって、全国区?飛び出し注意!
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 手造り感溢れる内容だし、おもてなしのココロも感じられる穴場的な本施設。個人的にはドハマリで2時間は居たような気がする。深い森を背に心身ともに癒され、山に入れなかった残念な気持ちはどっかに行ってしまった。好き嫌いがわかれるところかも知れないが、高山~松本間をお通りの際は、いかが?

 民芸ミュージアム「匠の館」(高山市指定文化財)
 http://hida.net/
 岐阜県高山市丹生川町根方532
 電話 0577-79-2505
 08:00~17:00、年中無休(冬季は臨時休業あり)
by kanechins | 2013-07-13 06:29 | 「日常」の独り言