東北ツアー day1:山寺(山形県)
2012年 10月 06日
折角つくばに住んでいるのだからと、3連休は「東北クライミングツアー」に。今回のパートナーは「つくばスポーレ」でNonさんにご紹介頂いたU家氏。すっごく強い方なので色々な技を盗めたらいいな。
普段は岩遠征というとプレッシャーが勝ってそれほどモチは上がらないのだが、今回は念願のルートを触れるということに加え、スポーレで強力なロープパートナーMEGを得てロープを2,3回触れられたこと、そしてつよつよクライマーとご一緒できることが重なって、いつになくモチが高い=前夜に眠れないという状況であった。
午前4時半につくばまで迎えに来てくださり、常磐道、磐越、東北道を快適に乗り継いでいく。が、白石インターのすぐ先から10km超の工事渋滞が。ほとんど車が動かない状態であったので、思い切って白石インターで降りる。前にスキーツアーで通った県道12号からすずらん峠を越え、宮城川崎インターから山形道に入る。そこから山形はあっという間。
山形北インターで高速を降り、山寺(立石寺)を目指す。なんだか、空はどんよりしているが気にしない。およそ370km、4時間半ほどの旅となった。キャンプ場とは名ばかりの広場に車を停め、黒岩へ続く登山道を歩く。
まずは御前岩の山寺らしいルート「奥の細道」(5.10a★★)へ。松尾芭蕉にちなんだだけでなく、登って納得の秀逸なルート名であり、ルートもアルパインチックで面白い。
続いて、名前もそのまま「逃げまくってしまいました」(5.10a)へ。写真はU家氏。
前傾壁のアップをしつつ、ラペル(下降)しながら念願のルート「壱番」(5.11b★★★★)にヌンチャク(クイックドロー)を掛ける。右に左に行くルートなので、ヌンチャクの長さに気を配る。
まずはU家氏がオンサイトトライ。初めてのルートはホールド、スタンスの位置だけでなくルートそのものが判然としない(中間部がちょっとわかりづらい)が、上手にレストしながらさすが、オンサイト(初見での完登)!丁寧な脚置き、腕の伸ばし加減、レストなど学ぶ部分は多い。
そして、ワタシの1便目。普段はインドアも外も前傾した壁はほとんど触らないのでドキドキ。4ピン目くらいからムーヴが出てくる。最初はちんぷんかんぷんであったが、ちゃんと必要なところにホールド、スタンスがある。途中迷子になりつつ、またレストポイントもよくわからず、中盤から各駅停車でトップアウト。このときの率直な感想は「今回は正直、無理っ ><」。
連休とあって、クライマーが次々に上がってくる。と言っても、静かでいいな。やはり「壱番」は4つ星だけあって、次々にトライ。すると、一見して強そうな地元女子登場。どうやら国体選手らしい。彼女がアップで「壱番」を登るみたいなので、がっつり見学。
上手な人ってなんだろ、まず登りが美しい。剣道をやっていた頃に「美しい動きとは、『脱力に近いほどの究極の力加減』と『完璧な動き』により生まれる」と言われたことがある。クライマーも同じで、上手な人が前傾壁を登っていても全く必死感はなく、湖面を歩く白鳥が如く静かに、そして優雅に舞う。これって、テレマークも一緒かも。
すごく冷静で、ムーヴを起こすとき以外は上手にレスト体制に入っている。ムーヴが始まると、クリップを含めて流れる水の如し。そして、盗んだぞ、私向けのレストポイント!みんなレストしている場所ではどうしてもニーが決まらないのだが、彼女と同じあそこなら!!
当初は「撤収モード」であったが、一気にモチアップ。そして、2便目。ホールドもスタンスもわかっているので、前半は信じられないくらいスムーズにこなしてレストポイントへ。わ、ニーが決まる!そうは言っても両腕のパンプは激しい。落ち着いて、100数えるまで動かないことに。息も落ち着いてきた。そして核心部へ。
正念場を越え、なんとかリップを取ってクリップ。あとはマントルを返すだけなのだが、ここも悪くいつ墜ちてもおかしくないパンプさ。普段ならテンション入れてるが、登りたい一心で突っ込みマントルを返す。
終了点までのトラバースも油断ならないが、十分レストを交えながら終了点にクリップ。やった!こんな嬉しい気持ちは、本当に久しぶり!いやぁ、ツアー直前にロープトレに付き合ってくれたMEGと、力を抜いて落ち着いて登ること&レストポイントを盗ませて頂いた地元のかわいいクライマーのお陰です、ありがとー!(写真は地元クライマー)
U家氏は、すぐ隣の「大行進」(5.11d★★)にトライ。見るからにカブリ、そして細かい。なかなか悪いみたいだ。そして、回収には先ほどの地元クライマーが、なんとヌンチャクを間引きながらリードし、あっさり再登!?ど、どんだけ強いの??(彼女たちとは3日間同じ岩場になり、最終日は5.13c/dとか触ってた、失礼しました^^;)
続いてU家氏は直角ハングにある「さくら」(5.11a★)へトライ!中間にクラックが大きく口を開ける印象的なルートだが、地元ではあまり登られていないみたい。そして・・・やっぱりクラック以降はものすごく悪かったみたい><。クールダウンのはずが、がっつり登ることになってしまった。お疲れ様でした^^;。
初日なので、今日はこれくらいに。もし次回があれば、今度は「キャメル」(5.11c★★★★)辺りを触ってみたいな。
当初は初日と2日目は山寺の予定であったが、とりあえず明日は三崎海岸へ行ってみて、最終日はどちらか良いほうを登るということに決定。一旦、山形市内まで下って、寒河江から再び山形道に入る。そして馴染み深い月山、湯殿山、鶴岡、坂田を経て三崎海岸のキャンプ場へ。初めての岩場は、どきどきだなー。
今夜の酒は、妙にうまい。
(つづく)
★本日の結果★
「奥の細道」(5.10a ★★)○(RP、再登)アルパインチックで、登るほどに名前に納得の楽しい1本。
「逃げまくってしまいました」(5.10a)○(FL/m)名前のとおりだが、核心は最後のトラバースだったりする。
「壱番」(5.11b ★★★★)×○(RP)ルート取り、ムーヴ、傾斜、スケール、絶妙なホールドとスタンス。全くと言ってよいほどムダがない、「4つ星」も納得のとっても素晴らしい1本。