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by kanechin
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フィリピン旅行記 1.序章

 フィリピンは石垣島からわずか南方1,000kmに位置する、日本から一番近い東南アジア。日本に在住するフィリピン人は少なくはない。夜の街に繰り出せば、お会いしたことがある方もいるだろう。私としては偏見ばかりで、フィリピンのことは場所も含めて全くと言ってよいほど知らなかった。今となっては環太平洋の一員として恥ずかしい。

 一足遅い夏休みを頂き、9月の連休を絡めて15日からの9日間、山仲間48が活動するフィリピンを訪れてきた。48が元気にやっているか気になっている山仲間も多いようなので、この場を借りて報告したい。

 正式国名はRepublic of the Philippines(タガログ語ではRepublika ng Pilipinas)。スペインに統治されていた歴史があり、1542年にフェリペ皇太子の名からラス・フィリピナス諸島と名づけられたことに由来するらしい。複数形であることは、7,100を越える島々から成ることに関連あり?
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 国旗の青は理想、赤は勇気、白は平和と平等を象徴する。ボツワナもそうであったが、国旗の白に「平和」や「平等」の意味が込められるケースは多いし、考えさせられる。太陽は自由を、そして3つの星は主要諸島であるルソン、ミンダナオ、ビサヤを意味するらしい。
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 国土面積は日本の8割に相当する29万平方キロ、人口は日本の7割超に相当する8,900万人。首都マニラの人の多さには辟易するが、かといって地方で生まれて一生を地方で過ごす人の多さを考えれば、首都への人口集中度はそれほどでもないか。

 興味深いのは民族構成。国全体ではマレー系が95%を占めるというが、島によって微妙に異なる印象。島国なのだから、島によって民族構成が異なるのは当たり前か。
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 言葉はマニラのあるルソン島ではタガログ語が主。48が活動するパナイ島はイロンゴ語で、似て非なる言語らしい。例えば「おはよう」はタガログ語ではMagandang umagaであるが、イロンゴ語ではMaayon agaとなる。そもそも海で隔たれた島国なので、80前後の言語グループがあるとか。英語がほぼ通じる印象ではある。

 経済。2011年のフィリピンのGDP(国内総生産)は約2,130億ドル(日本は5兆8,700億ドル)。1日2ドル未満で暮らす貧困層は3,800万人(国民の40%)と推定されており、実際に都市部と地方を歩いてみてその格差は歴然。町中には銃を持っている人も少なくないみたいで、スーパーに入るだけでも荷物検査を受ける。事件も多く、特にマニラで無闇に出歩くのはかなりリスキーに感じた。
 「地方の若者はマニラに行きたがるの?」と聞くと「海外に行きたがる」とのこと。優秀な人材の海外流出も大きな課題になっている。かたや、マニラにはメガマートと呼ばれるショッピングモールも多い。店揃えや街行く人々の服装を見たり、普通にiPadやiPhone で写真を撮る若者も少なくなく、マニラだけ見ていればこの国に貧困層は無縁にすら感じる。

 気候。熱帯モンスーン気候に属するフィリピンの年平均気温は27℃前後。長野の年平均気温が12℃前後であることを考えれば、いかに暑いかがわかる。ところが南北に1,000km超と長く、また東西や内陸かでも雨の降り方が違うらしい。雨期ということもあるだろうが、毎日スコールが降る印象。

 物価。通貨単位はPHP(フィリピンペソ)、タガログではpiso。ペソというあたり、スペイン統治の名残を感じる。やたらとお札に種類があるので「なぜ?」と聞くと、偽札が出回って新札が出ているらしい。2015年には旧札が使えなくなるとか。
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 およそPHPを2倍すれば日本円になるので計算はしやすい。円に換算して考えると物価は安くは感じるが、年収などから換算すると「10倍換算」くらいが適当かもしれない。そうすると、どちらかというと日本よりもはるかに物価は高いな。

 食べ物。基本的に、3食お米を食べる。長粒米と日本の短粒米の間くらいで、さらりと炊きあげる。長粒米ほどサラサラしてないので、日本人には十分においしく感じる。
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 それに加えてミリエンダ(おやつ)。ボリューム少なめメニューが至るところにある。特にイロイロが発祥とされるバッチョイ(Batchoy)はポークとチキンだしのラーメン風で、汗をかいた後にはたまらなくおいしい。ということで、暑さと戦うために(?)、フィリピン人は1日5食が普通らしい。ちなみに、野菜はあまり食べないし、そもそもあまり売ってない。売っていても高い。

 携帯電話。町中を見る限りかなり普及しており、平面的な地形のせいか電波もかなりの田舎でも通じる印象。通話料は安くはないみたいで、メール(フィリピンではtextといい、動詞として普通に使われる)が流行している。Xperiaとかiphoneも売ってはいるが、高嶺の花と思われる。
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 実は、東南アジアは初体験。季節は雨期で、台風シーズン。PEXチケットは連休で高くて手にできず、台風で飛行機が飛ばなかったらアウト。つくばに身を置かせてもらいながら、デング熱やコレラ、マラリアや感染症などを患って帰国できないなんて事態に陥った日には、冗談抜きで洒落にならない。おまけに、1度死ぬかと思って2度と潜らないと誓ったダイビング。減圧症で帰国不能(飛行機に乗れなくなる)なんてなったら、クビになるかもしれない。けれど、これを逃すとフィリピンには2度と行く機会もないだろうと、ええぃと飛行機に乗ったまでだ。(つづく)
by kanechins | 2012-09-23 23:00 | 「旅」の独り言