八ヶ岳・大同心「雲稜ルート」

 2012年 8月25日(土)
 信州に帰る用事あり「折角なのでどこか登りに行きたいな~」と思っていたら、手首を傷めてしばらく壁から遠ざかっていたsonoが遊んでくれることに、さんきゅ!「で、どしたい?」って聞くと「大同心に行く」と。「お、シブいね!」って言ったら、前にワタシが提言していたらしい。ホントに覚えてない。

 職場で用事を済ませて帰宅すると午前2時過ぎ。ぱぱっと山の準備をし、3時間ほど仮眠してsonoと落ち合い一路、八ヶ岳を目指す。八ヶ岳って久し振り、こんにちは!美濃戸口に駐車し(1日500円)、ここでパッキング。10:10に出発。久し振りにキスリングを見て感激!
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 美濃戸山荘に11:00。北沢沿いに進む。なんか気分は夏山JOY!右上に「ぴょこん」と飛び出るのが大同心。
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 拡大すると、こんな感じ。念仏を唱えるお坊さんに見えることから名前が付いたと聞く。よくよく考えたら、そのお坊さんの背中から肩に抜けて頭まで上がるなんて罰当たり?ガリヴァーが実在したら、こんな気分なのかな?
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 今日は赤岳鉱泉までなので、のんびりハイクで13:00着。寝不足&運動不足なので、アップにちょうど良い。はい、知ってました、ここで生ビール(800円)を売っているということを。赤岳にかんぱーい!
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 夏の週末は大賑わい!大学生もいっぱいいて賑やか!自分にもこんな時代があったんだよなー。テントを設営(1人1泊1,000円、トイレ無料に)。景色も良いし、水は豊富だし、最高だなここは。続々と人が上がってくるが、ぎりぎり良い場所に設営できてよかった。
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 取り付きが悪いのを知っていたので、ロープがすぐに出るようほぐしたり、ギアをチェックしたり。午後はガスに覆われたものの、夜の帳(とばり)が降りる頃には星空に。寝不足もあってすぐに眠れるかと思ったら、久し振りの山で緊張していたのか寝付きが悪かった><。
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 2012年 8月26日(日)
 気温は下がり、かなり夜露が降りた様子。ちょっと遅めに06:15に赤岳鉱泉発。硫黄岳方面に5分ほど進んだところに「大同心稜」分岐。登山者が迷い込むことが多いらしく、注意書きの札が。明瞭な踏み跡を辿る。
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 登るほどに傾斜は増し、大同心が拝めるところまで来る。
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 赤岳鉱泉から1時間弱で取り付きへ。思ったよりもデカいな、汗。

【動画】 大同心基部から見上げる大同心・雲稜ルート

リンク:http://youtu.be/vYtGNHJOlRQ

 阿弥陀岳が静かに見守ってくれる。
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 大同心稜から左下に40mほど草付きをトラバース。sonoが居る場所が取り付き。
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 07:55、登攀開始。1P目はワタシというのが定番になっていたが、今日は逆。グレーディングはワタシの体感。1P目(Ⅳ)はsono。写真の部分がかぶった部分。ホールドは豊富だけど、ボコッて外れやしないかでひやひや。リングボルトの終了点は飛ばし、ペツル支点でピッチを切る。
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 フォローするワタシ。
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 2P目(Ⅳ)はワタシ。登りはじめてすぐに、リーチものと聞いていた核心の凹角部。得意系ムーヴで難なく越えたが、この後に真の核心が!?

 はるーか上部にリングボルトが見えるが、途中に支点が見えず。「ま、行けばあるだろう」と突っ込むと、支点はないし登りもシビア。岩ははがれそうだし、普段以上にスタティックに動いてクリップ、しびれた。写真は振り返ったところ。
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 フォローで登ってくるsono。「左にボルトラダーがあったよ」と。まじっすか。4、5本は飛ばした感じ?もっとルートをよく見ないといけないな。ペツルのハンガーが落ちた支点があったとのこと。
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 3P目(Ⅳ)はsono。マントル部分の岩がぐらぐらして悪そう。
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 右上のピナクル目指して登るが、おっきな岩もぐらぐらし、プロテクションを含めて慎重な登りを強いられる。sonoはどのハーケンも甘そうに見えたらしく、TCUで支点を取っていた。リングの終了点を越えるとペツルの支点があり、そこでピッチを切っていた、ナイス判断。
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 4P目(Ⅲ)はワタシ。出だしは濡れていて岩が脆そう。右上すると「お往きなさい」と言わんばかりのルートが。いよいよ、大同心の首筋まで上がってきたようだ。
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 フォローするsono。
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 5P目(Ⅲ)はsono。思ったよりも長くて声が届き辛い。風があるときは声が届かないかも。難しくはないのだが足下が切れて見えちゃうので、ワタシはニガテ><。写真はフォローするワタシ。
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 6P目(Ⅳ+)はワタシ。岩は硬そうだし、わくわくしながら取り付く。
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 まず薄いハングが2つ続くが、スタンス・ホールドも探せば良いのがあり、快適で楽しい!が!途中でヌンチャクの数が足りないことに気付く。わくわくし過ぎてギアを十分にもらわずに登り始めたらしい><。支点を間引き、カンテを回り込むと横岳をバックに快適なフェース。そして登攀終了。空身で花道を登らせてくれたsonoに感謝。

 写真は終了点間際のsono。同時に、横岳から拍手喝采を頂く。振り向けば、20人くらいがこっちを見ていた、恥ずかしい^^;。11:05、登攀終了。登攀時間は03:10。
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 頂きでロープとギアをまとめ昼食を摂り、大同心を後にする。植生を傷めないよう気をつけながら稜線を目指す。
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 横岳(2,829m)~地蔵尾根経由で降りることに。大同心を振り返ると、なかなかかっこいい。6P目は肩からのスカイライン。
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 主峰、赤岳。
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 地蔵尾根から行者小屋経由。中山峠を越えると、登ってきたばかりの大同心は、いつも通り背中を見せてじっと佇んでいた。ありがとうございました、一礼。
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 ルート図。フリーグレードで示すなら、ワタシの体感だと5.9・5.8・5.8・5.7・5.6・5.10a程度と感じるが、ルートファインディングや岩&支点の不安定さ、支点構築、天候要素などを加味すると、やっぱりⅣ・Ⅳ・Ⅳ・Ⅲ・Ⅲ・Ⅳ+と表記したほうがしっくりくる。思ったよりも岩は固く、山目的でフリーを始めた方にはよい目標になると思う。
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【持参ギア】
・アルパインヌンチャク5本、クイックドロー12本(各自の支点構築用含む)程度、余裕あり。
・120シュリンゲ+環付きビナ5セット、余裕あり。
・TCU(スモールカム)1セット程度。ルート通りに行けばカムは不要だが、ルートミスや支点がなくなっている可能性もあるので、ハーケンセットかスモールカムがあれば心強い。
・50mダブルロープ。シングル50mでも登攀そのものは問題ないが、撤退を考えるとダブルが安心か。

 実は、このルート。ろくにフリーをやっていない時代(6年前)にオールフォローで登ったことがある。そのときは「こんなところをリードするなんて考えられんっ!」と思ったものだが、多くの方々のお力添えを頂き、こうやって自分たちの力でリスク管理しながら登れるようになったのが感慨深い。
 ここまで育ててくださった皆様に、心から感謝申しあげます。
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by kanechins | 2012-08-26 23:58 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(2)
Commented by NON at 2012-08-29 17:22 x
凄い! 凄い! 大同心ってこういう岩場なんですね~お坊さんの姿に見える
5p目なんか、高度感あって怖そうだけど、面白そう~
登ってみたい~けど、登れるかな私の技量で???

登りながら、これだけ写真撮れるって、これまた凄くないですか
詳細な情報って参考になって有り難いです。いつか登ってみたいです^^
Commented by kanechins at 2012-08-30 07:43
★NONさん
遠めで見るとちっちゃなお坊さんなんですけど、いざ腰まで行くと巨大神そのもの。正直、腰にまとわりついたときには帰ろうかと思いました^^;。
登りの技術的には、NONさんはあれだけ登れるのだから問題ないと思います。ただ、スポーツルートとは異なるので、ルートファインディング能力とか支点構築能力とか、万一の際の自己脱出能力のほうが重要ですかね^^;。
参考になるとよいですが、目標としては良質な1本だと思います!


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