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by kanechin
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恒例のレスキュー講習会 in 小川山

 2011年10月 1日(土)
 県山岳協会主催のレスキュー講習会に今年も参加。忘れている事項も多く、やっぱり年に1度は参加したい。そして毎年思うが、レスキューはほんとに大変っ!やはり「山で事故を起こしてはいけないな」としみじみ再確認。

 初日は恒例のフェニックスが既に貸し切られていたので、ガマスラブへ。「マルチピッチ講習」と「レスキュー研究」の2組に分かれる。
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 ワタシはレスキュー組へ。先日、たまたま奥又白で一緒になった指導員のM谷氏、R君も一緒。
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 想定は「ダブルロープで登攀中に、ロープが半分以上出たところでトップが落石を受けて墜落し動けない場合」のセルフレスキュー。短めの30mロープを使い実践。まずはビレーの脱出から。
 (1) 確保器の仮固定
 (2) 支点の再構築
 (3) マッシャーなどで加重ロープと支点を連結(マリナーノット)
 (4) 確保器の仮固定をゆっくり解除
 (5) テンションが移行したらロープにエイトノットを作り支点と連結(バックアップ)
 (6) 確保者のハーネスから両方のロープを解除(テンションがかかってない側は末端も解除)

 脱出に成功したら、テンション側のロープにオートブロックやマッシャーで登る。傾斜があれば自己脱出の要領。ここまでは何度もやっているのでできるだろう。
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 問題はここから。下降させる練習はほどんどしたことがない。遭難対策委員長のT橋さんも交え、みんなで検討しながら行う。
 (1) 要救助者(通称、要救)の安否確認、応急手当
 (2) カムやナッツなどで下降支点を補強。困難なら長めのシュリンゲで上下の支点を連結し固定分散。
 (2) テンションが掛かっていないロープを回収し、下降支点に通して末端を処理。
 (3) 救助者はそのロープに下降器をセットし、バックアップを取る。
 (4) 要救と救助者のハーネスを流動分散で下降器とセット。
 (5) 要救と救助者のハーネスをクイックドローで連結。
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 (6) テンションを掛けたら、もう1本のロープを切断。
 (7) カウンターラペルを開始。ロープスケールの半分しか降りられないので、途中で支点を構築できる場所で一旦セルフを取り、同様に繰り返して取り付きへ。
 (8) 要救のセルフを取ったらもう1本のロープを回収して1本を結し、同様に下降を開始。

 間違いがあったら、ご指摘いただきたい。3人パーティなら、救助者が要救に到達してカウンターラペルの準備が整ったらもう1本のロープを解除し、上部で連結すれば1回で下降できる。

 そんなこんなで、時間はあっという間に過ぎる。今日はJFAの清掃クライミングも開催されていて、広場は賑やか^^。
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 毎年、この講習会で再開できる人も増えてきた。これもまた、楽しみのひとつ。
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 今回は豪勢なキノコ豚汁!いよいよ、秋だなぁ~。
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 夜は恒例のキャンプファイアー。毎年、大量に薪を手配くださるS崎さんには感謝。呑みつ呑まれつ、山の話には終わりがない。今回の収穫は、伝説のK藤姐さんといっぱいお話できたことだな^^。
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 2011年10月 2日(日)
 午前7時には目覚めてしまう、健康的だ。朝食を摂り、コーヒーを頂いて出発し「フェニックスの大岩」へ移動。

 先日の事故を受け、ロープを使った搬送訓練から。50mロープ1本で担架を作るのだ。
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 結び方の名前がわからないが、あの引っ張ったらほどける結びかたでロープを結っていき、4隅をビナで固定したら内側へ編みこんでいく。すごーい!使いたくはないが、使えるな。
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 このように、周辺のロープもつかめるので4~6人での搬送が可能となり、交代しやすい。寝ている人も快適であったとのこと。
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 さて、再度「マルチピッチ講習」と「レスキュー研究」の2組に別れる。
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 上部テラスへ上がり、今日の設定は「ダブルロープ登攀時にロープの半分より下部でフォローが落石を受けて負傷し動けない場合」の対応。
 (1) オートロックデバイス以外の確保の場合はロープを仮固定。
 (2) 下降用の支点を構築。必要に応じて補強する。
 (3) 1本のロープにマッシャーやオートブロックをセットし、マリナーノットで支点と連結。
 (4) 確保器を徐々に解除しテンションを支点へ移す。確認したら、エイトノットで支点と連結しバックアップ。
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 (5) トップはシュリンゲなどでセルフビレーをセット。
 (6) 両方のロープを解除し、下降支点にテンション側のロープを通して2本を連結し投げる。
 (7) 下降支点を通したテンション側のロープに下降器とバックアップをセット。
 (8) カウンターでテンションを保持できたら、固定したロープをゆっくりと解除。
 (9) 要救まで懸垂下降するが、途中でコブに遭遇したら「コブの通過」を行う。
 (10) 要救に到達したら安否の確認と応急処置を実施。
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 (11) トップと要救のハーネスをクイックドローで連結してカウンターラペル。
 (12) 取り付きまで下降できたら、要救のセルフを取ったらもう1本のロープを回収して1本を結し、同様に下降を開始。
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 やっぱり、不死鳥は青空が映えるなー。
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 コブの通過は、やっぱり怖いし大変だ。
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 マルチピッチ組は実際にマルチで登って下降。
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 そんなこんなで、昼過ぎに一旦締める。やっぱりレスキューは大変だ。ワタシ自身はもちろん、皆さん安全第一で登りましょう~。お世話になった皆様、ありがとうございました。また来年!
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 さて、午後は有志でクライミング。T橋さん、K藤姐さんらとマガスラブへ移動。久しぶりに「オーェウンの祈り」をマスターで触ったが、下部のあのランアウトがそれほど怖くなかった!?うーん、これぞインスボン効果か^^;。このルート、なんだか楽しいぞ。
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 核心を越えるK藤姐さん。
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 うーん、やっぱスラブは怖いけれど、瑞牆や不動を登るならやっぱり避けては通れないな~。ということで、今年のレスキュー講習会も事故無く、盛況に終わった^^。

 【 注 意 】
 記載の内容が正解とは限らないので、練習する場合には熟練者のもとでバックアップを取るなどしながら安全に留意し行って下さい。今回は両日とも、別のロープを張ってバックアップを取りながら訓練を実施しました。事故の際の責任は負いかねます。

by kanechins | 2011-10-02 23:51 | 「岩」の独り言