黒部丸山・東壁「緑ルート」 day2

 2011年 8月28日(日)
 04:15起床。のはずが、ロープをFIXしてあるという余裕からかぐずぐずしてしまい、出発は05:50に。すっかり巨人に陽が射していたが、のちにこの余裕が仇、もしくは幸となるとは思いもしなかった。
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 およそのアプローチ行程がわかったので、小滝を越えたところからヤブに入りダイレクトに取り付きを目指す。FIXロープにミニトラクションとアッセンダーを組み合わせユマーリング(登高具を用いてのロープ登攀)。写真は1P目をユマーリングするsono。
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 2P目も続いてユマーリング。
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 3P目(Ⅲ+A1、30m)はワタシ。
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 傾斜が増したせいか草付きも少なくなり、比較的素直なボルトラダーに。トポ(ルート図)に従い、三日月ハング下でピッチを切る。ボルトが2列に並び、上下に居場所がある。が、スタンスはなく、かなりキツいハンギングビレー(完全にハーネスにぶらさがりながらの確保)となる。このあと、タイヘンなことになるとは露ほども知らず。
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 3P目をフォローするsono。
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 終了点まで来たものの、ハンギングポイントに3人居るのは辛いと判断し、先にsonoにハングを越えてもらって待機してもらうことに。(4P目、A1-20m?)
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 ハングを越えてしばらくの場所でセルフビレー(自己確保)を取ってもらい、組長のビレー。組長が追いついたところで、再びsonoのビレー。ハングを越えてから、かなり先までロープを延ばしてくれた。

 この頃から、カラダに異変を感じる。強烈な日射、岩の照り返し。完全にハーネスに体重を預けているため足腰は痛い。最初は血行が悪くなって手足がしびれてきたのかと思っていたが、終いには全身痺れが走り、いよいよめまいがしてきた。そう、この状態で実質2時間。軽い熱射病か脱水症状になり、うーうー唸り始めてしまうほど。さすがにヤバイと思った組長、水とブドウ糖を分けてくださる。すると、見る間に復活!久しぶりに過酷だった^^;。

 元気になったところで4P目をフォロー。ハングはボルトも近く容易に越えられるが、何より辛いのは強烈な陽射しと暑さ!!終了点を目指してがんば!
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 上から見下ろされたワタシ。
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 sonoが組長のビレーをしている間に、ミニトラクションを使って荷揚げに入る。荷揚げに入ることがわかってたら、もうちょっと水を上げればよかったと反省^^;。
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 5P目(A1-40m)はワタシ。ボルトラダーだが、ちょっと長め。リングが欠落してナッツのワイヤーをかけて登ったり。後半はギアが足りないかと思い、2本飛ばしとか。万一、墜落したらと思うとほんとコエー。およそ地上高200m弱、ビルなら60階くらいか?
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  組長は、ほんとにうれしそう^^。
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 6P目(A1-35m)はsono。ボルトラダーから右側ルンゼ、カンテへとつなぐ。荷揚げは困難かと思い、ザックを背負ってフォローする。
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 終了点も人がそんなに待機できる場所ではなかったので、7P目(Ⅲ-15m)はワタシがそのままトップへ。そして緩傾斜帯に入り、いよいよ大テラスへ。懸垂下降点までロープを伸ばす。写真は大ハングを見上げたところ。
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 勝手に「大テラスは楽園のような場所」と思い込んでいたので、あまりの草ボーボーさにちょっとがっかり。折角のホテル丸山には行く気も起こらなかった^^;。
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 そうこうして、3人が大テラスに到着したのは15:50!うーん、やっぱ3人は時間がかかるな~。ビバークして完登を目指すか、下降するか。わずかな時間に鬼のようにブヨに刺されまくり、すっかり戦意消失。大人しく下降することに。

 そうと決まれば、さぁ、下ろう。ロープをまとめ、まずはワタシがトップバッターで16:15、懸垂開始。些細なミスが大事故につながるので、慎重に下降。
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 また後で記述するが、やはり懸垂下降は危険だ。ヒヤリハットが続出。それでも慌てず、慎重に懸垂下降を繰り返す。
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 シングル60mのダブルユースだったので、4回の懸垂下降で取り付きに降り立つことができた。
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 下降終了、17:40。ギアをまとめ、うまく小滝の下に出られるようにヤブ漕ぎしながら下降。さすが組長!どんぴしゃで小滝下に出られた!霧が立ちこむ1ルンゼ。浮石も多いので要注意。
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  そんなこんなで、テント場に到着する頃にはすっかり陽が暮れてしまい真っ暗。本当にお疲れ様でした^^。
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 2人には悪いけれど、ワタシ的には「これが我々の実力なんだ。150ポイントというのはホントだったんだ」という気持ちが大きく、そんなに悔しさは残らなかった。そう、出し切れたのだと思う。登っている最中には「もう二度とクラシックはやらん!」と強く誓ったが、この頃にはもう「次はどこを登ろうか」と考えるほどに。全くもって、ビョーキだな。 (つづく)
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by kanechins | 2011-08-28 19:32 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(4)
Commented by ダイバーノーツ at 2011-09-02 12:12 x
もうホントにスゴすぎる…
Commented by y-yamatn at 2011-09-02 12:12
あそこはフライパンみたいになりますよね・・・
いつかいったときは、フラットソールのなかで足が低温やけどのようになりました。
緑はベタ打ちルートですが、京都府立大なんかいいと思いますよ。
Commented by kanechins at 2011-09-03 03:27
☆だいばー
 え?よっぽどだいばーの方が強いに^^。だいばーなら、アブミ不要のオールフリーでいけちゃうかも!?でも、絶対に堕ちれません^^;。
Commented by kanechins at 2011-09-03 03:29
☆daniさま
 コメント、ありがとうございます!
 ほんと、灼熱地獄でした。直射はもとより、岩の照り返しが強烈で、見る間に水分を失われていきました^^;。もしまた行く機会があれば、涼しい時期に行ってみたいです。
 府立大ルートは右岩稜でしたっけ?岩も安定しているので、フリーで登れたらさぞやステキでしょうね^^。


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