映画 「岳」
2011年 05月 26日
山ヤの皆様がオススメされるとおり、観に行ってホントによかった。
なんと言っても、まずはその映像美。日本が誇る美しき峰々が、青空の下、夕焼け時に反対の稜線から、空からスクリーンに映し出されるだけでため息が出てしまう。大好きな山々を、こんなに美しく撮ってくれてありがとー!ってスタッフにまず感謝。
漫画を知っているだけに「どう2時間にまとめるのか?」と結構ドキドキしていたが、キレイによくまとまっていたと思う。キャスティングも良く、素直に存分に映画を楽しめた。
同時に、色々と考えさせられた。
「山は楽しいこと半分、辛いこと半分。でも、その割合は自分で変えることができる」
山だけじゃない、仕事も人生も然り。
山と死。
つい、「まー、自分は大丈夫」って思いがちだが、そんなことは決してない。
リスクの認識と回避。雪崩に落石、滑落、墜落、落雷、凍傷、高山病など。考えたらキリがないくらいリスクはある。まずは、自分は大丈夫という意識は捨てないといけない。
以前、山で滑落し亡くなられた遭難者を発見したことがある。全身が凍りついた、あのときの衝撃は今でも忘れられない。いや、忘れてはならない。
山で亡くした友のことも、色々と考えてしまった。
自分自身はもちろん、もう仲間を山で失いたくない。そのために、自分はこれから何ができるのだろうか。そして、自分自身が山でトラブルに遭わない努力も怠ってはならない。
たった一つの些細なトラブル。下界ではなんでもないことが、山では命取りになる。
最近、何かたるんでいないか?セルフレスキューを含め、今一度色々と復習しておこう。
それでも、山に行くのか?
くみちゃんの「山ってなんだろー?」の問いには、いまだに快活に答えることはできない。
いや、わからないから、今までも、そしてこれからも登り続けるのかもしれない。
山にも色々あるし、スタイルも多岐に渡る。求めるもの、目指すものいろいろ。季節、天候、体調、仲間。同じ山でも、登る度に違う。
そう考えたら、一言で答えようとするほうが間違っているのかもしれない。「なぜ山に登るの?」という質問は、「なぜ生きるの?」という質問に近いくらいなのかも。
山で亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、
皆様の安全登山を心からお祈り申し上げます。
http://www.gaku-movie.jp/index.html
【自己評価 ☆☆☆☆★】(意外にキャスティングが良かったこと、音楽も良かったこと、山好きなことも加味して)