ブナの聖地、鍋倉山(BCボード)
2011年 04月 03日
今週末も栄村に向けて待機してはいたものの、要請なし。というのも、「結いのしょ」に対するニーズが目に見えて減っているらしい。これまでの主たるニーズであった「家の片付け手伝い」「ごみの搬出手伝い」は大きなヤマを越したからとのこと。
「栄村ネットワークの当面のボランティア要請方針」
「いま必要なもの―復興の知恵、長期戦ボランティア、復興基金の3つ」
こんな話も。「忘れられた上に、水は徹底的に取られる」(全て、栄村ネットワーク記事より)
徐々にインフラの復旧も進み、「片付け」から「復興」への転換を迎えようとしている。当分はニーズは少ないようであるが、4月中旬からは復興に向けた支援が始まるとのこと。お手伝いしてみたいという方、ぜひご連絡ください。
ということで、ぽっかり空いた日曜日。
3・11以来離れていた山に再び目を向け、折角なので栄村の隣「飯山市」にある大好きな「鍋倉山」に行ってきた。「被災地」という面だけではなく、美しい自然を擁する地域であることもご紹介したい。
長野県の最北部、新潟県境に連なる関田山脈に聳える鍋倉山(1,289m)は、ブナが山全体を造っていると言ってもいいほどブナ樹林が発達した山。過去に何度か来ている中で「ボードは厳しいなー」という印象を持っていたが、敢えてボードでトライ。
温井の集落には、既に多くの車が。天気はびみょーであったが、まぁ大丈夫ら。
09:15に集落末端(標高550m)を出発。気温の低下によりカリカリに締まっている。セットバックしたままだが、大丈夫か!?
あちこちに雪崩の痕跡が散見される。
谷を渡り、急峻な尾根に取り付く。ブナたちがお出迎え。
徐々に青空が広がってきた。
天候の回復に伴い、気温が急上昇。ブレードが食い込む快適だった雪面が腐り始め団子に。尾根まで登ると、ブナの巨木がお出迎え。
残雪に新緑が映える景色に、また来たい。
地震による影響を心配してはいたが、ブナの聖地はいつもと変わらず。
なぜに、ブナの森にこんなにも癒されるのだろう。
眠っていながらも、この存在感。
ブナの森から眺める、栄村。
ブナ林は、やっぱ青空が似合う。
尾根と尾根に挟まれ守られてきたブナ林。
山も生きているんだな。
隣の尾根を登ってきたスキーヤー。
山頂は、すぐそこ。
11:45、鍋倉山頂。右上が野沢温泉スキー場。
ぐるり360度の大展望。
おにぎりを持ってきてが凍らない。春だな。大展望を前に紅茶を啜りながら、自然の美しさと怖さを考える。12:15、ボードを装着して黒倉山とのコルを目指しドロップイン。
弛み始めた雪面を刻む。コルからは快適なブナの疎林帯。
標高800mくらいから下は雪が腐り始めボードのワタシはびびったが、なんとか越えて再び温井の集落へ。12:55着。山頂からわずか40分^^;。
下界は暑いくらい。濡れた装備を乾かせるのも春山ならでは。
里の雪も、見る間に解けていく。もう少しすれば栄村の田畑も顔をのぞかせ、状況がわかってくるであろう。自分ができることは限られているが、美しき里山に少しでも早く笑顔が戻ってくることを今はじっと祈りたい。