剱岳・源次郎尾根 day2

 2017年9月10日(日)
 午前2:50起床。昨晩は隣のテントから0時過ぎても話声が聞こえた気がする。テントを打ち付ける雨音にも何度か起こされ、眠い目を擦りながらバーナーを点火し、目覚めのコーヒーを淹れる。

 朝食を作りながら、テントを撤収しやすいように荷物をまとめる。 
 03:40、ヘルメットにヘッドランプを装着し、テントを残して出発。剱沢小屋脇から剱沢に入る。下見をしていたので、迷わずにぐいぐい高度を下げていく。

 このルートだけは先行者を許したくなかったので、周囲にヘッドランプの灯りが見えずに、心底ほっとした。

 雪渓に入り、6本爪アイゼンを装着。早朝の雪渓はカリンコリンに凍結していたので、軽アイゼンを持参して正解。ザクザク降りれるので速い。右岸から離れすぎないよう下降し、平蔵谷出合いへ。

 明るい時とは全く雰囲気が異なる。「取り付きには蛍光テープの目印があるかも」と言われて来たが、そんなものは存在しなかった。よかった。

 およその見当をつけてガレ場を登ると、1発で取り付きの踏み跡に。いや、ほんと下見しておいてよかった。
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 04:35、登攀開始。踏み跡は比較的に明瞭だが、真っ暗闇なので、所々、迷いの踏み跡に悩まされる。初登者の気持ちになって弱点を狙っていけば、自ずと正しい道にたどり着く。明るければなんともない道なのだろうが。
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 05:00、東の空が白み始める。
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 じきに、ハーケンが打ってある垂直の岩場。昨晩の小雨で濡れていて、ちょっと悪い。墜ちれば、後ろの巨岩に打ち付けられそうな恐怖感もあったが、わくわくしている自分もいる。短いがⅣ級以上あると思われ、岩登りに慣れていないメンバーがいる場合は、迷わずロープを出した方が良さそう。
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  右手から対岸の尾根が迫ってくる。
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 尾根上は、所々岩が露出している。支点はなかったと思う。墜ちるような難しさはないが、不意にホールドやスタンスが取れれば墜落の危険もあるので、一手、一手慎重に登る。
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 眼下に剱沢が望める。
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 露出した岩尾根は硬く、なかなか快適。
 天気が悪い時にはあまり登りたくないなぁ。このような場所が点在するので、いざ撤退となると、かなり面倒なことになりそう。
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 剱沢キャンプ場がある、剱沢源頭を振り返る。
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 堕ちるような難しさはないが、墜ちればひとたまりもない。
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 05:55、ルンゼルートと合流。上部は崩落が進んでおり、ブッシュを高巻く。写真左上がⅠ峰。
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 05:45、稜線に太陽が上がる。
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 朝陽に照らし出される剱沢源頭。
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 尾根上を忠実に辿ると、ふと壁に行き当たった。
 あちこちに踏み跡が散在し、右と左のルートを確認。直登する踏み跡もあるが、上に行くほど壁が立ってくる様子。ろくに支点も取れなそうで、行き詰るのだけは避けたい。尾根全体を俯瞰し、右手が弱点と判断。
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 踏み跡を辿ると、大きなスラブ壁が。まるでココを通ってください、とばかりに右上する溝が走る。右下は数百メートルの崖となっており、滑落は許されない。
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 慎重にスラブをトラバースするはねとん。「ルート違うんじゃね?」と何度も言われるが、もう戻ることはできません。
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 地形図から、右手の尾根に上がるのが正解と判断し、右側のスカイラインに沿って登る。踏み跡も多々残っているので、あながち間違いとも思えない。
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 じきに明瞭な踏み跡へ。もしかしたら、もっと楽なトレースがあったかもしれない。都度、弱点を突いてベストのルートを選択してきたと思うので、良しとされたい。
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 07:00、源次郎尾根Ⅰ峰(2,709m)山頂。
 剱岳山頂、Ⅱ峰が眼前に聳える。圧巻である。
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 07:15、Ⅰ峰とⅡ峰のコル。Ⅰ峰の下降は歩きで、なんら問題なし。
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 Ⅱ峰の登りは傾斜が強そうに見えたが、右手にハイマツ、左手に硬い岩をホールドできるので、むしろ楽しいくらい。
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 07:35に、あっけなくⅡ峰山頂に到達。冷たい風が強く当たる。
 下降地点には、頑丈な鎖が。が、下を見て愕然とした。
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 「これ、50m位あるんじゃね?」「もしかして、50mが2本必要だった?」と焦る。ハングしており、ロープを投げても下の様子がわからない。ロープ1本と思い込んでいて、ろくに確認してこなかった、反省。

 最悪、登り返してシングルで降りることも覚悟し、空身で下降。周囲のスケールが大きすぎて目が錯覚したらしく、50mロープ折り返しでテラスまで降りることができた。はねとんにザックを降ろしてもらう。
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 08:00、下降終了。恐らく、これで核心は全てクリアしたと思われたので、ゆっくりブランチを摂る。右手に八ツ峰が迫る。中央の巨岩が「熊の岩」っぽい。下の雪渓にはテントが3張。
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 08:15、剱岳本峰を目指して登り始める。
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 核心を過ぎたといっても、過信は禁物。迷い道も多いので、先を見て慎重にルートを取る。
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 そして、09:05に多くの人で賑わう剱岳山頂(2,999m)に初登頂!
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 名残惜しいが、09:25に下山開始。まずは、カニの横這い。隠れて見えづらいが、スタンスは豊富。
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 下から見上げたところ。
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 アンカー3本に鎖が6本、さすが。餓鬼岳の針金1本と対照的。
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 登りルートの、カニの縦這い。
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 ここを越えれば、平蔵の頭(へいぞうのずこ)。
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 登りルートと下りルートが分かれている。
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 ガスが退くと、富山の街並みまで一望できる。
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 源次郎尾根が一望できる場所から。
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 前剱への登り返し。
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 09:55に前剱(2,813m)をスルー。ここの下りも事故が多いらしい。
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 下降途中から前剱を振り返る。なかなかの傾斜である。
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 下が武蔵コル。一服剱(2,618m)へ若干の登り返し。
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 一服剱を越えると、剱山荘が見えてきた。
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 剱沢小屋から剱沢へ延びる道。雪渓が融けるに従い道が下がっていくので、これだけ多くの道ができるのかな。左下に黒ユリの滝が望める。
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 11:20に剱山荘着。ここもスルー。
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 剱沢源頭まで来ると、源次郎尾根の全容がわかる。中央右がⅠ峰。
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 拡大。Ⅰ峰に突き上げる14ピッチのルートがあるらしい。
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 11:45、剱沢キャンプ場に帰着。テントをひっくり返して、床を干しながら昼食。出来ることなら、帰りたくない。
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 最終トロリーバスに遅れる訳にはいかない。テントを撤収して、12:30に出発。
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 さようなら、剱岳。
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 なんだろ、別山乗越が遠く感じる。フィジカルなものなのか、メンタルに起因するのか。歳か、いんや違う。
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 13:00、剱御前小屋。
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 いつか、今度は八ツ峰へ。素晴らしい1日をありがとう、剱さん。
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 13:20、雷鳥沢に向けて下降開始。
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 14:10、雷鳥沢キャンプ場。15分休憩。
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 14:25、出発。写真は雷鳥沢キャンプ場と、左が別山、右が真砂岳。
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 15:05、室堂着。みくりが池越しの雄山。
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 15:40のトロリーバスに、無事に乗車。お疲れ様でした。

 初めての山域、初めてのルートは、難易度が高くなくても冒険心を満たしてくれる。また、尾根を詰めて頂きに上がるルートは、とても楽しい。ルート内容も充実し、初登者には頭が下がる。

 登りそのものの難易度的には、一部難しい岩場があるものの、高くはない。しかし、絶対に滑落が許されないパートがほとんどであること、標高差も高いこと、撤退が容易ではないことから、気楽に取り付けるルートでもないと感じた。

 もし紐付きでガイドされていくのであれば、体力のある中学生なら登れてしまうだろう。しかし、初見で自らルートや天候判断していくとなると、なかなかに経験と体力が必要となる、手応えのある素晴らしいバリエーションルートと思う。

 忘れかけていた剱岳。共に歩いてくれたはねとんには心から感謝。

(参考コースタイム)
2017.9.9
9:00 室堂
9:45 雷鳥沢キャンプ場(0:45 CT不明)
10:50 剱御前小屋(1:05 CT2:00)11:00発
11:30 剱沢キャンプ場(0:30 CT0:40)
12:10 偵察開始(1:50)
14:00 帰着
~実行動時間 4:10

20017.9.10
03:40 出発
04:35 取り付き(0:55)
07:00 Ⅰ峰山頂(2:25)
07:35 Ⅱ峰山頂(0:35)
09:05 剱岳山頂(1:30)9:25発
09:55 前剱(0:30)
11:20 剱山荘(1:25)
11:45 剱沢キャンプ場(0:25)12:30発
13:00 剱御前小屋(0:30)13:20発
14:10 雷鳥沢キャンプ場(0:50)14:25発
15:05 室堂着(0:40)
~実行動時間 9:45(2日間計 13:55)

(標高差データ)1/25,000図から算出
初日(偵察無し)累積登高505m、下降477m
初日(偵察含む)累積登高815m、下降787m
2日目 累積登高1,656m、下降1,684m
合計(偵察無し)累積登高・下降2,161m
合計(偵察含む)累積登高・下降2,471m
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# by kanechins | 2017-09-10 11:54 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

剱岳・源次郎尾根 day1

 2017年9月9日(土)day1
 永いこと山を登り続けているが、剱岳は未踏。北アルプス連峰の中でも、剱岳の存在感は格別。どうせならバリエーションルートから登りたい山、と思っている内に機会がなく、この歳になってしまった。

 そんな折り、お盆にはねとんから「源次郎どうよ?」と言われて二つ返事。しかし、天候に恵まれず延期。
 そして、この週末がやってきた。天気予報は好天を告げ、申し分ない。二人とも剱岳は初めてなので、心地よい緊張感もあってなお良い。偶然にも今日は剱岳の日らしく(H29.9.9)、お膳立てはばっちり。

 7:00に改札集合だったのでのんびり出発するが、忘れていた。扇沢の混雑振りを。
 06:45に扇沢着。市営第一は既に満車、第二は閉鎖。第三駐車場に戻っても駐車できる保証はなく、時間も迫っていたので有料駐車場(1日1,000円)へ。

 チケット売り場には長蛇の列。WEBチケットという窓口があった。事前にネットで予約すれば、並ばずに済むのかな?
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 無事にはねとんと合流し、始発である7:30のトロリーバスに乗車。黒部ダムを渡る。
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 この時期は毎日、観光放水しているらしい。
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 ケーブルカーに乗車の際、ロープウェイの整理券を頂く。
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 黒部平駅で、最初のロープウェイに乗車。グリーンシーズンのたんぼ平を眺めながら、大観峰まで空中移動。
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 再びトロリーバスに乗車。トレラン風の方が数名。
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 9:00に室堂(標高2,432m)着。左が雄山、右は浄土山。
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 みくりが池と別山。
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 雷鳥荘が見えてきた。
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 下が雷鳥平キャンプ場、コル(別山乗越)にあるのが剱御前小屋。来シーズンは、滑りに来たいな。
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 9:45、雷鳥沢キャンプ場(標高2,260m)。
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 休まずに足を進める。雷鳥沢沿いに高度を上げ、途中から尾根に。振り返ると、右手に奥大日岳が見えてきた。
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 箱庭のような、室堂。
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 10:50、剱御前小屋(標高2,755m)着。間近に迫る剱岳が。はじめまして、だ。
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 20分ほど休憩し、11:00発。カール右手の裾を巻くように進む。
 じきに、色とりどりのテントがひしめく剱沢キャンプ場が見えてきた。
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 11:30、剱沢キャンプ場(標高2,460m)着。始発で来たためか、スペースは一杯空いている。水場にも近い好適地にテントを設営することに(これは失敗)。
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 野営場管理所の建物には、診療所と剱沢警備派出所(山岳警備隊)も併設。特にルートに問題は無さそうだ。
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 テントを設営し、12:10に源次郎尾根の偵察に向けて出発。
 逆さ剱が映える小池に寄ったり。
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 写真中央右の双耳が源次郎尾根Ⅱ・Ⅰ峰のようだ。剱沢へ下る道は踏み跡だらけ。明日は真っ暗の中で行動するので、歩くルートを決めておく。
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 黒ユリの滝を過ぎて5分位で雪渓末端に。この時間帯は雪渓表面が腐っており、アイゼン無しでも歩けた。
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 雪渓中央を避けてぐんぐんと下る。左手から平蔵谷が入り込むところに、巨大な岩が。その対岸に、源次郎尾根の踏み跡を見つける。
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 見上げると、巨大な源次郎尾根が天に向かって伸びていた。なかなかの迫力。
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 再び、キャンプ場に向けて300m以上の登り返し。写真は黒ユリの滝。
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 14:00にテント帰着。受付(1人1泊500円)を済ます。「初めて」と言ったら、消毒して飲用可の水道と冷たい沢水が汲める水場(共に無料)、トイレ2カ所を説明してくれた。振り返れば、別山が。なんという素敵なロケーション。
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 時間がたっぷりあるので、持参したワインを開けて剱岳に向かって乾杯。いつもながら、贅沢な時間を過ごす。夕ご飯を食べ終える頃には、深い霧に剱岳は包まれてしまった。
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 明日は早いので、18時前に就寝。しっかり休めそうだ。

 ところが、どこから歩いてきたのか、18:30過ぎにヘッドランプを点けたパーティが到着し、すぐ横にテントを設営。遅い夕食の後に宴会が始まった、汗。テント泊の登山者が随分と増えた感があるが、もう少しマナーに気を配って頂きたいところである。(つづく)

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# by kanechins | 2017-09-09 23:33 | 「アルパイン」の独り言 | Comments(0)

餓鬼岳~燕岳縦走 day2

 2017年8月27日(日)
 午前3:40、起床。外に出ると雲海は消え去っており、安曇野方面の夜景がきらきら輝いていた。お湯を沸かしてコーヒーを飲み、ゆったり朝食を摂る。
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 うっすらと空が白み始めた頃からテントを撤収。
 全天に光が届いた4:50、ヘッドランプを点けて出発。
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 またいつか、来ることができるといいな。
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 縦走路をゆっくり歩を進め、剣ズリに差し掛かったところで朝日が昇り始めた(5:15頃)。
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 見た目どおり、剣ズリは岩場が幾つも出てくる。ルートはよく整備されており、慎重に進む。
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 そうこうしていると、お日様の光が裏銀座を照らし始めた。
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 細やかなアップダウンが続く。どこが剣ズリの頭かわからない。
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 飛騨側を巻くように樹林帯の中を下る。ここはそんなに急ではなく、難なく剣ズリを下りきる。コルまでの部分で、崩落地帯あり。歩いている最中も、ぱらぱらと小さな落石が続く。上部に注意しながら、一人ずつ渡りたい。
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 2,430m付近から、剣ズリを振り返る。
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 左上の緑色の三角山が、東沢岳。そこから右側の尾根を下り、右上の稜線まで登る。
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 7:00に東沢岳(2,497m)。軽く食事を摂りながら、15分休憩。
 ここから西側のトレイルに入り下る。

 7:35、東沢乗越(2,253m)。奥秩父を想わせる、良い雰囲気。
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 休まずに、そのまま燕岳の稜線を目指して登り始める。
 道は頃合いの傾斜で、ゆっくり高度を稼いでいく。途中、谷からの風に揺れるチングルマが応援してくれた。
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 振り返ると、東沢岳と同じ位の高さまで登り返していた。剣ズリの崩落地もよく望める。
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 恐らくここが、地図にある「雪渓が遅くまで残る所」。
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 その証拠に、9月なのにチングルマの花がまだ残っていた。
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 ざれた道を登ることしばしで、8:35に燕岳稜線(2,710m)の稜線へ。
 眼前に広がる裏銀座の峰々に、槍ヶ岳。
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 燕岳の稜線なのに、だーれも居ない贅沢な空間。
 20分ほど、貸し切り展望テラスで早めの朝食を。
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 北燕岳に続く、静かな稜線を歩く。
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 アルペンチックな風景に見とれてしまう。
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 空中散歩。
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 北燕岳は、信州側に大きく巻く。途中、ザレが流れた場所があり、慎重に歩を進めたい。写真は、餓鬼岳方面を振り返ったところ。
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 さらに進むと、多くの登山者で賑わう燕岳が近づいてきた。静かな時間も、あとわずか。
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 9:30に燕岳(2,763m)山頂。
 ここで15分ほど、歩いてきた道や裏銀座をゆっくり眺める。
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 大天井岳も近づいてきた。
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 10:05、燕山荘(2,704m)着。
 燕岳を正面に、右手に今日歩いてきた餓鬼岳が望める。
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 ヨーロッパ的な風景!?
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 後は下るだけと思うと、なんだか名残惜しい。
 25分ほど、小屋の前でゆったりと過ごし、10:30に下山開始。 
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 10:55、合戦小屋(2,380m)を通過。途中、本当に多くの人とすれ違ってびっくり!燕岳は本当に久しぶりだけど、道もすっかり良くなった気がする。
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 12:00、中房温泉(1,460m)に到着。
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 ここから5分ほどで、車をデポした第一駐車場(1,390m)に到着。
 本当にお疲れ様でした!北アルプスとは思えない、静かな稜線歩きは、本当に優雅な時間。またいつか、忘れた頃に静かに歩いてみたいと思える好ルートであった。

(参考タイム)
4:50、餓鬼岳キャンプ場発
7:00 東沢岳(2,497m)7:15発 (2:10 CT2:30)
7:35 東沢乗越(2,253m)(0:20 CT0:40)
8:35 燕岳稜線(2,710m)8:55発(1:00 CT2:10)
9:30 燕岳(2,763m)9:45発(0:35 CT0:50)
10:05 燕山荘(2,704m)10:30発(0:20 CT0:25)
10:55 合戦小屋(2,380m)(0:25 CT0:50)
12:00 中房温泉(1,460m)(1:05 CT2:00)
12:15 第一駐車場着(1,390m)
実行動時間(休憩除く)5:55(CT9:25)CT率0.63
累積登高 834m 下降2,034m
撮影:コンパクトデジカメ「オリンパス TG-860Tough」

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# by kanechins | 2017-08-27 21:01 | 「山」の独り言 | Comments(0)

餓鬼岳~燕岳縦走 day1

 2017年8月26日(土)
 予報では「朝方にかけて降雨」とあったので出発を後(おく)らせる。
 白沢登山口の駐車スペースは、登山口、途中の路肩、広場に計20台近く停められる。水場は無し、簡易トイレ・登山届の提出箱あり。

 7:30 白沢登山口(標高993m)発。
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 なだらかな扇状地を歩いていくと、時期に白沢にでる。名前のとおり、花崗岩の白い礫が美しい沢。すぐに小橋を渡って右岸(川上から見て右)へ渡る。
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 じきに、傾斜がきつい斜面を登り、急峻さを増す白沢を眼下に進む。
 「紅葉の滝」辺りは、紅葉の時期にはかなり良さそうである。
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 途中、比較的最近に発生したと思われる土砂崩れの跡が。
 降雨中や降雨後には、あまり通りたくない地形である。
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 再び左岸へ。
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 沢登り気分も楽しめる道。
 逆に言えば、増水時はかなりリスクが増しそうな道でもある。この滝を登ると、道は再び右岸へ。
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 8:35 魚止ノ滝(1,310m)。
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 魚止ノ滝を高巻き、急峻な道を下る。ハシゴが設置されているが、針金でぶら下っている状況なので要注意。
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 右岸に渡り、これで白沢とはお別れ。
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 9:00、標高1,500m位にある「最終水場」着。ベンチもあり、休憩にはもってこい。
 すべての水筒を満タンに。小屋は天水のみで、好天が続くと「テント泊の人は水を買えないことがある」という噂を聞いていたので、水分だけで(お酒含む)5リットル担ぐ。(結果的に、小屋で水を200円/1リットルで購入可であった。噂の真偽を確認すればよかった)
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 15分休憩し、行動再開。
 高度を増すに従い、「鍬の峰」や「大町の街並み」が眼下に望めるように。
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 10:50、展望が利かない大凪山(2,079m)着。
 この先は急登らしいので、15分ほどしっかり休憩。
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 一旦、コルに下るところから、餓鬼岳が望めた。
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 しばらくなだらかな尾根を進むと、いよいよ最後の急登となる「百曲がり」。細かく道は折られていたので、傾斜の割りに登りやすくて良い。

 百曲がりを登り終え、尾根に上がった2,540m付近に嬉しい看板が。
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 餓鬼岳南面を巻くように道が進み、尾根をまたぐと餓鬼岳小屋、12:50着。 
 なんとも歴史を感じさせる佇まい。調べると、なんと建造は大正末期らしい。
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 しっかし、なかなかの眺め!明日の目的地である燕岳の稜線、その奥には槍穂の峰々が望める。
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 ここのテント場は狭いと聞いていたので、まずはテント設営に向かう。
 まだ誰も居ない、一番乗り。実際、6、7張位しか設営できない。

 再び小屋へ戻り、受付。テントは1人1泊700円。水は1リットル200円(天水だが塩素消毒済み)。トイレは大2つ、小1つ。大は土足禁止でキレイ。

 餓鬼さんが、花束を。
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 なぜ餓鬼岳?調べてみると2説あるらしく、裏銀座から見ると目の下に見えて子供のようだから。もう一つは峻険で岩場や崖続きの山であることから、崖(がけ)岳が転訛したという説があるらしい(引用:信州山岳ガイドHP)。

 明朝は3℃まで冷えるらしい。いよいよ、山の上は秋か。
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 写真左が餓鬼岳、中央の窪みに餓鬼岳小屋、右は展望テラス。
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 餓鬼岳(2,647m)山頂までは5分程度。
 山頂は、とても北アルプスにいるとは思えない静けさ。 
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 手前のコブは、とても気になる唐沢岳。見た目よりも遠いらしい。
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 その奥には裏銀座、立山、剣の峰々が。コブの左上が五色が原、右が獅子岳、鬼岳、竜王岳。さらに雄山に剣岳。手前さらに右は針ノ木、蓮華岳、爺が岳。

 眺めていて全く飽きない。
 お湯を沸かしてコーヒーを淹れたり、オレンジを頬張ったり、サラミを齧りながらワインを頂いたりと贅沢な時間を過ごす。

 あっという間に3時間くらい経ってしまった。
 一旦、テントへ戻って夕食。稜線にテントが見えるが、テント場が一杯になったときは許可されるとのこと。
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 狭いテント場は満員御礼。お湯を沸かして夕食。
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 防寒着を持って、再び山頂へ。
 明日、歩く道。右側の剣ズリから左のコルへ下り、登り返して中央上の尖がりへ。そこから右下の見えないコルに下り、槍ヶ岳手前の尾根へ上がる。
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 稜線での日没は、およそ18:20。
 明日の安全と好天を願って、思わず手を合わせてしまう。
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 槍ヶ岳へ延びる雲がうっすらと燃えていた。
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 夕闇が迫る後立山連峰。
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 明日は天気が良さそうだ。(つづく)

(参考タイム)
7:30 白沢登山口発
9:00 最終水場 9:15(1:30 CT2:20)
10:50 大凪山 11:05(1:35 CT2:00)
12:50 餓鬼岳小屋着(1:45 CT2:30)
行動時間(休憩除く)4:50(CT 6:50)CT率0.7
累積登高 1,755m、累積下降 148m

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# by kanechins | 2017-08-26 22:09 | 「山」の独り言 | Comments(0)

槍ヶ岳~穂高縦走(テント泊2日間) day2

 2017年8月20日(日)
 午前03:45、起床。高気圧が本州に乗ってきたのか、昨日までの天気がうそのようだ。雨が降っていれば天狗原経由で下山しようと思っていたので、ほっとした。
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 さっと朝食を摂り、テントを撤収して、04:50出発。
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 まずは、大キレットの底を目指していきなり200m程度の下降から始まる。一見、とても険しそうであるが、至る所にマークが施されており、迷わずに慎重に下れれば難しくはない。マークを見失ったら、迷わずに引き返すこと。
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 およそ下り切ったところから、南岳方面を振り返る。
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 5:15頃に大キレット(最低コル)。ちょうど、朝日が昇り始めた頃だ。左上が北穂高岳、中間右上が長谷川ピーク。
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 ふと横に目をやると、裏銀座の峰々が。
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 05:45、長谷川ピーク。飛騨側(右側)に切れ落ちている部分が多く、昨日の雨と夜露が乾ききっていないこともあり、思っていたよりも緊張を強いられた。
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 長谷川ピークを越えれば、A沢のコル。歩いてきた道を振り返る。
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 大キレットの北穂高側。
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 一見、どこを登るのかわからないが、弱点に沿ってしっかりマークが施されているのが心強い。
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 振り返ると、ちょうど長谷川ピークを後続パーティが進んでいるところであった。
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 歩いてきた、大キレットを振り返る。
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 所々、ガレているところがあり、下に人がいることを考えれば慎重に慎重を重ねた登りが求められる場所が少なくない。
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 高度を稼ぐに従い、長谷川ピークが目よりも下の位置に。
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 ここが飛騨泣き。北穂側から下ってくると、一番の難所となると思われる。写真では判り辛いが、左中央のハング部分から下がすっぱり切れてコルになっているのだ。
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 飛騨泣き付近から振り返ると、長谷川ピークが随分と下になった。
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 06:40、北穂高小屋着。ここまで来ると、長谷川ピークがどれだかわからないくらいになる。昨日登った槍ヶ岳が燦然と輝いている。
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 パンを頬張り、06:45に出発。
 06:50に北穂高岳(3,106m)に到着。南側に目を送ると、これから歩く涸沢岳(写真中央)と奥穂高岳(写真左)が望める。なんか、遠く感じる。
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 それは気のせいではなく、まず、北穂高岳を稜線に沿って降りなければならないが、結構シビアな場所があり、思っていたよりも時間がかかってしまう。
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 7月に登った前穂高岳・北尾根が見えてきた。何回見ても、かっこいいなぁ。
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 ハシゴ場、鎖場が思っていたよりも多く、アップダウンが続く稜線に体力を奪われていく。
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 08:10、涸沢岳(3,110m)着。穂高岳山荘、奥穂高岳が眼前に。
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 08:20穂高岳山荘着。
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 ここでしっかりと休憩。08:35に出発。
 涸沢岳を振り返る。南側と北側では、顔つきが全く異なる。
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 ハシゴ場を越え、山頂から続く尾根に取り付く。
 ガスの中に、ちょろっと槍ヶ岳が望める。遠くまで来たものだ。
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 09:00、奥穂高岳(3,190m)。5分ほど休んで出発。
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 さぁ、いよいよ長い下りが始まる。吊尾根の先に前穂高岳が聳える。
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 10:00、紀美子平。ここでも5分ほど休憩。ホントは前穂高岳も登ろうと考えていたが、テント泊装備をもって飛ばしてきたので疲れが蓄積しており、これからの下りを考えて大人しく重太郎新道を下る。

 今年、下部のハシゴ場付近で事故が相次いでいるらしい。足に疲れが出る頃なので、下部も気を緩めてはいけない。
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 11:15、岳沢ヒュッテ着。残ったパンを頬張りつつ、10分ほど休憩。
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 岳沢からの道は非常によく整備されていて歩きやすく、快調に飛ばしていくことができた。

 上高地登山口。
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 天気が良いためか、河童橋周辺はまるで新宿のような人混みでびっくり。
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そして、12:35に上高地バスターミナルに帰着。
運よく、到着していたバスに乗ることができたが、恐らく異臭を放っていると思われ、バスの中ではおっきな荷物を抱きながら落ち着かなかったなぁ。
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 駐車場の隅っこで、びっちゃびちゃに濡れたテントを干し、充実した週末は幕を閉じた。

【参考タイム】
03:45 起床
04:50 南岳キャンプ場を出発
05:45 長谷川ピーク(0:55 CT1:00)
06:40 北穂高小屋 06:45発
06:50 北穂高岳(3,106m)(1:00 CT2:00)
08:10 涸沢岳(3,110m)
08:20 穂高岳山荘(1:30 CT2:15)08:35 発
09:00 奥穂高岳(3,190m)(0:25 CT0:50)09:05 発
10:00 紀美子平(0:55 CT1:20) 10:05 発
11:15 岳沢ヒュッテ(1:10 CT2:30)11:25 発
12:35 上高地(1:10 CT2:00) 

2日目の行動時間(休憩除く)7時間5分(CT11時間55分)
累積登高差 766m、下降差2,294m

2日間の行動時間(休憩除く)15時間20分(CT24時間55分)
行動時間/CT率 約61%(やっぱ、一人だと速い)
累積登高差 2,725m

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# by kanechins | 2017-08-20 23:40 | 「山」の独り言 | Comments(0)


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